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暮らしや営みの中で零れ落ちそうなことを掬い上げたり、心や脳に浮かんだ閃きを忘れないよう書き留めたりする、思考や思想の直売所のようなものです。
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2024年3月の記事一覧

『小さな声の向こうに』 副読ノート。その1

今週火曜日に発売となった、『小さな声の向こうに』。桜が散るなか、外で読んでいます……という嬉しい便りがちらほら届き、とても嬉しい。各地の書店で、オンラインショップで、お手にとっていたいた皆様、本当にありがとうございます! 本日は副読本……ならぬ、副読ノートとして、執筆時のちょっとした裏話や、ささやかなこだわりを書いてみたいな、と。 好きに本文を読んでいただいて、その後の付録として楽しんでいただくもヨシ。並行して読んでいただくもヨシ。しかし全編やるとあまりにも長くなってしま

仮に妊娠したとすれば、いつそれを伝えるのが最適なのだろう

「念校、ご確認ください!」 3月8日のお昼過ぎ。病院の簡易ベッドで支度を済ませ待機している最中に、担当編集さんから125ページに渡るPDFが送られてきた。1ヶ月後に世に出る拙著、『小さな声の向こうに』の最終原稿が送られてきたのだ。レディースクリニックの待機時間というのは往々にして長いので、できるだけ今スマホでチェックしてしまおう……とそのファイルを開いた瞬間に「◯◯番の方、手術室にお入りくださーい!」と呼び出されてしまった。「追って確認します!」とだけ返事をしてスマホを待

大丈夫。大人になってからでも、友人はできるから

「アンタはほんまに、友達の運がないなぁ」 小学生の頃。仲良くしていた友達が遠くに行ってしまう……という報せを受けて心底落ち込む私に、母は度々そう言った。というのも、こうしたことは一度や二度じゃなかった。私が親しくしていた友達は、なぜかいつも遠くに行ってしまうのだ。親の転勤で、家の引っ越しで、私立への受験で。休み時間、みんながドッヂボールをする中で教室に残り、一緒に絵を描いてくれたのっちゃん。運動音痴な私にも優しかった、あやのちゃん。舌足らずな私の側で、いつも強い味方でいてく