人生なんて自己矛盾の数だけ愛おしくなるのに!


数多の自己矛盾に、呆れながら向き合っている。

絶賛エッセイ本の準備中……なのだけれど、単発のエッセイとして発表していた文章は、その文章の中だけではいちおう、整合性が取れている。が、それを二十数本集めると、あっちとこっちでは主張が微妙に違うな? あれ、人間性も違うな??? ということが多々発生してしまう。

小説であれば、登場人物の性格が定まらないと、読んでる側は苛々してしまうでしょう。それが筆者の意図的なものでない限り、違和感は消しておいたほうが良い。

ただエッセイというのは、生身の人生をネタにしてしまっている訳で、その場その場で微妙に考え方が違ったり、年齢や相手によって違ったり……というのは当たり前に出てくるんですわ。しかし本にすると、それが途端に違和感を放ち始める訳です。文章の蛇足をなくすために、あえて触れなかった他のこと……が、別の文章で問題になってきてしまったりもするし。涙

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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。