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衆院小選挙区アダムズ方式導入シミュレーション(埼玉県)

埼玉区割り案1

 永田町でも話題の本気で当てにいく新区割り予想シリーズ第5弾は埼玉県です。以前に出した予想は「こうなったら、住民にも分かりやすいのに」と個人的願望を含んだものでしたが、本シリーズではそういった願望抜きに区割り画定審議会好みの区割りを考察しています。

現行区割り

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1区 550,679人 2.010倍 自民 村井英樹
2区 546,452人 1.995倍 自民 新藤義孝
3区 538,228人 1.965倍 自民 黄川田仁志
4区 456,044人 1.665倍 自民 穂坂泰
5区 467,207人 1.705倍 立憲 枝野幸男
6区 513,508人 1.874倍 立憲 大島敦
7区 517,496人 1.889倍 自民 中野英幸
8区 428,379人 1.564倍 自民 柴山昌彦
9区 468,967人 1.712倍 自民 大塚拓
10区 381,857人 1.394倍 自民 山口晋
11区 408,988人 1.493倍 自民 小泉龍司
12区 425,853人 1.554倍 立憲 森田俊和
13区 459,420人 1.677倍 自民 土屋品子
14区 517,705人 1.890倍 自民 三ツ林裕己
15区 502,543人 1.834倍 自民 田中良生

 現1区が2倍を超えている。また、2・3・14区も2倍近いため、南東部に新16区が設置されるのは、間違いないだろう。

区割り案

埼玉区割り案1

1区 451,197人 1.647倍
2区 490,042人 1.789倍
3区 445,012人 1.624倍
4区 456,044人 1.665倍 現行
5区 456,751人 1.667倍 復元
6区 513,508人 1.874倍 現行
7区 517,496人 1.889倍 現行
8区 428,379人 1.564倍 現行
9区 468,967人 1.712倍 現行
10区 381,857人 1.394倍 現行
11区 408,988人 1.493倍 現行
12区 425,853人 1.554倍 現行
13区 421,417人 1.538倍 復元
14区 427,803人 1.561倍
15区 486,313人 1.775倍 復元
16区 403,699人 1.474倍 新設

分割自治体
見沼区  1・5区 → 1区
川口市  2・15区 → 2・16区
越谷市  3・13区 → 3区
鴻巣市  6・12区 → 6・12区
ふじみ野市7・8区 → 7・8区
熊谷市  11・12区 → 11・12区
久喜市  13・14区 → 13・14区
春日部市 13・14区 → 13・14区

☄1・3・5区

埼玉区割り案1

 さいたま市北部・越谷市からなる地域。この地域の選挙区の解説の前に、さいたま市の成り立ちについて説明したい。さいたま市は4つの旧市からなる。一つ目は中央区域の旧与野市。二つ目はさいたま市北部(大宮・北・西・見沼)の旧大宮市。三つ目は南部(浦和・南・桜・緑)の旧浦和市。そして四つ目が岩槻区と同名の旧岩槻市である。
 5区は見沼区一部地域を編入していたが、解消されると予測。現1区は旧浦和市、旧大宮、旧岩槻の旧3市域に跨っているが、このうち綾瀬川で分断されている岩槻区が越谷市と新3区を構成するのではないかと予測する。さいたま市を構成する旧4市のうち、旧岩槻市のみ南埼玉郡で、他は北足立郡であった。越谷市も南埼玉郡域である。

☄13・14区

埼玉区割り案1

 両区とも県東部に位置する南北に細長い選挙区である。なぜ、久喜市と春日部市を真っ二つにする両選挙区がこんな形になっているのか、それは郡の形に由来する。それぞれ現13区は南埼玉郡の北部・現14区は北葛飾郡と一致する。しかし、唯一、八潮市だけは南埼玉郡でありながら、人口の都合から南埼玉郡南部の現3区ではなく、現14区となった。今回、新16区に伴い、このような不条理が解消されるのではないかと予測する。

☄2・15・16区

埼玉区割り案1

 首都東京と県都さいたまに挟まれたこの地域は、2区を挟み二つの新設区15・16区があること(16区は予測だが)から、人口の急増具合が伺える。
 現在、川口市の芝地区一部地域が15区となっているが、けして15区の人口に余裕があるわけではない。そこで、川口市の安行・新郷地区を16区とし、芝地区を再び2区とするのではないかと、と予測する。地区単位の移設は川口市民にとっても分かりやすいだろう。

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☄8~10区

埼玉区割り案1

 番外編。西部地域と呼ばれるこの地域の選挙区はいずれも、格差2倍以下であるため、画定審議会としては現行通りという判断をするのではないかと予想する。 しかし、この地域の区割りは人口均衡と地域の結びつき、両観点から見直しが必要ではないかと考える。
 7・8区。ふじみ野市が分断されているが、川越市とふじみ野市で一つの選挙区分の人口となるため、不必要な分断であると言える。8区も現行、517,496人であるが、所沢市・三芳町・富士見市という構成であれば、486,177人と一票の格差もより小さく抑えられる。
 9・10区。人口減少傾向の10区に人口増加傾向の9区域にある入間郡西部(毛呂山町・越生町)を移すのが適当であると考える。これは人口均衡の観点からであるが、一方で地域間の結びつきの観点から見て埼玉県内の地域区分でもこの地域は10区の比企地域と一体で扱われることが多いため(付録も見てみてね)、やはり移すべきである。実際、過去に毛呂山町・越生町を10区に移すことが埼玉県からの区割り改定の要望として提出されている。残念ながら、その時は画定審議会によって却下されている。

付録

中選挙区

埼玉中選挙区

 県議選の選挙区名に中選挙区の区割りの名残が垣間見える。

運輸支局

埼玉運輸局

二次医療圏

埼玉医療圏

税務署

埼玉税務署

法務局

埼玉法務局

簡易裁判所

埼玉簡易裁判所


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