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CIVILSESSION 09: INVISIBLE

開催日:2018年1月20日

CIVILSESSIONはクリエイティブチームCIVILTOKYOのメンバーが様々な分野の方と行うアートセッションです。決められたキーワードを元に、発表者たちが一週間で作品を制作します。キーワード発表から一週間後にそれぞれの作品のプレゼンを行い、参加者の投票でグランプリを決定します。

第9回目のキーワードは「INVISIBLE」。
CIVILTOKYOの3名とゲスト参加者3名の計6名で行いました。
ゲスト参加者は以下の通りです。

・清水艦期(デザイナー)
・綿貫大介(編集者
・山田麗音(コンセプチュアルデザイナー)

グランプリは綿貫大介に決定しました。

「INVISIBLE=見えない」をどのように解釈・ビジュアル化するかという議題は、今回のCIVILSESSIONをまるで大喜利のような展開へと導いたようです。
グランプリを受賞した綿貫は「見えないもの」を「感情」と捉え、マンガなどで多用されるオノマトペ表現と、その感情が多種多様であることに着目し、人の感情のオノマトペを用いたビンゴカードを発表しました。

杉浦は自分の存在を消し、街を行き交う「対象者」を追跡、その行動の記録をポストカードに。「人の存在感」という点では杉浦と似たキーワードの解釈をした清水は、自身の妻のいた場所・普段いる場所の「気配」を撮影して写真作品を紹介しました。
伊藤は見えないものの象徴として「メロディー」と「リズム」を取り上げ、AR技術を駆使した楽器アプリとのジャムセッションを披露。山田はピンクレディーの曲「透明人間」の歌詞から透明人間という文字を消し、誰もが知る有名曲を新しい角度から再提示しました。
他5名とは全く違うキーワードの捉え方をしたのが根子。辞書に載っていた「The Invisible=神」という解説から、自身を神のような存在として、他の参加者や観客のスマートフォンを遠隔操作するパフォーマンス作品を発表しました。



①杉浦草介(デザイナー)/Invisible

英単語Invisibleには「姿を現さない、顔を出さない」という意味があります。誰かに気付かれずに一定の距離を保ち続けることにより自分がInvisibleになろうと思い、街行く人々をこっそり追跡してみました。ノートとカメラを手に持ちながら、無作為に街で見かけた人を「対象者」として決め、気付かれないようにその行動を細かく記録して写真を撮ります。あくまで「自分がInvisibleである」ことが目的で、その対象者の個人情報が欲しいわけではないため「対象者の追跡時間は5分」「顔写真は映さない」などのルールを設けました。対象者は全部で21人、2つの街にて追跡を行いました。これは自分がその対象者たちにとって「Invisibleであった時間」の記録です。

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②伊藤佑一郎(写真家)/見えないやつとのジャムセッション

「見えない」は「存在しない」とは違う。見えないけどそこから声や音が発生すれば、それはいるけど見えないということ。この考え方はおばけやその類の話ではよくある解釈かと思います。おばけは不気味な存在かもしれませんが、でも見えないけど存在しているやつとジャムセッションできたら楽しいだろうなとふと思いました。それはパフォーマンスとしてどう実現するか試行錯誤していたところ、KAGURAというパソコンのウェブカメラと連動したAR楽器に出会いました。自分の動作に連動して音を発するKAGURAの技術に、今回は負んぶに抱っこで作品を作ってみようと思いました。

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③清水艦期(デザイナー)/インビジブル田中さん

田中さんの写真を撮りました。心霊的な写真ではありません。
普段いそうな場所やさっきまでいたであろう場所を撮影しました。
田中さんの気配を追ううちに、違和感、物足りなさを感じました。
その原因はただなんとなく、漠然とそこに残る目には見えないものでした。

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④綿貫大介(編集者)/EMOTIONAL BINGO

「大切なものは目に見えない」というのはあまりに有名な一説ですが、自分にとって目に見えない大切なものを考えたときに浮かんだのは「感情」でした。人は気持ちを言葉にして説明しようとしますが、それはとても難しいことです。しかし、オノマトペ(擬音語・擬態語)を用いれば気持ちを理解しやすいのでは、と考えました。そこで、人の感情に近いオノマトペでマスを埋めたビンゴカードを作りました。誰かに対してそのオノマトペに該当する感情を抱いたときにマスを潰していきます。オノマトペは嬉しい感情だけでなく、悲しい感情や自分で意味を見つけないと理解できないものまで入れました。誰かに対してその全部のマスが埋めることができたら、その気持ちをくれた目の前にいる人が、あなたの「好き」を具現化した人になります。好きには嬉しいも悲しいも意味不明なことも含まれます。目に見えない感情を理解することで、目に見える形として現れるものもあるのではないでしょうか。

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⑤根子敬生(デザイナー)/The Invisible

「The Invisible = 神」という意味から、参加者各々のスマホで開いたブラウザが、神の手によって遠隔操作される様をWebSocketを用いて試作した。
技術面では、操作側のブラウザでの入力(キー入力)がほぼタイムラグなく、それぞれのブラウザに反映されるという部分に個人的には大変驚きがあり、今後の制作において有用性があると感じた。
今回はインフルエンザ中ということもあり、当初リモートでの参加を想定して制作をしていたが、発表の場では実際に操作を行う「神」がその場にいたり、操作ミスなど演出が追いついてない部分があったりで、技術ベースのチャレンジをする際は、もっと「作品」に昇華できるようにする工夫が必要だと今更感じた。

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⑥山田麗音(コンセプチュアルデザイナー)/「    」

この世界に、仮に「透明な人間」がいるとして、我々がその存在に気づくことができるなら、それは、透明そのものが見えるようになったからではなく、あくまでも、それを取り巻く周囲の情報を見ているのだろう。

今回「invisible」をテーマに私がデザインしたのは、ピンクレディーの代表曲《透明人間》の詩です。ただし、原文と少しだけ違うのは、「透明人間」というフレーズのみ、文字通り空白(透明)になっていることです。

その詩に並ぶ「透明人間」以外の言葉の連なりを詠み、ある段階でその詞の意味に気づいたとき、私たちは何もない空白に「透明人間」を見ることができると考えました。

透明とは、どこまで見えないからこそ、頭のなかで、推測して連想して想像することで、ようやく認識できる。そんな魅力的な存在なんだと思います。

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