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新世紀の寺子屋 第12回

第12回目の金融教室では、ジョン・ボーグルの10原則を取り上げました。ボーグル氏は、あのバンガード・インベストメントの創業者であり、シンプルなインデックス投資を推奨したレジェンドですね。2019年にお亡くなりになってしまいました。まだ投資を開始していない生徒さんたちには、投資の10原則等は少し難しいのですが、ジョン・ボーグル氏の10原則の素晴らしい点は、とても分かりやすく、かつ投資だけではなく、日常生活や勉強にも応用できることですので、敢えて取り上げました。
最初の原則は、「計画を立てろ!」です。なんて普通な・・・・
しかし、やはり計画は大事なんです。それも合理的な。大人の皆さんも、あらためて自分の計画とポートフォリオは「合理的か?」を新鮮な目で見直してみるといいですよ。また、ボーグル氏は、投資をごちゃごちゃ言う前に、健全な生活を送る事が大事だと言っています。いくら稼いでも、収入以上の出費をしては、富は増えません。「出ずるを制して、入るを量る」こんな言葉は、日本でも昔からありますね。

さて、計画を考える上では、長い人生をイメージする必要がありますね。そこで問題です。2007年以降に生まれた日本人の2人に1人は、何歳まで生きると予測されているでしょうか?カリフォルニア大学とドイツの研究所の予測では、何と「107歳!」です。もちろん、今後、新たなウイルスが出現したり、予想不能なことは起こりえますが、いずれにしても、長寿社会になりそうです。生徒さん達も、これには驚いていました。

もう1つの、日本の年金制度が整備された1961年の頃の日本人の平均寿命は何歳くらいでしょうか?男女で差はありますが、平均すると「68歳」くらいです。当時は55歳が定年、60歳から年金が支給される社会。10年くらいの年金生活で人生を全うする。そんな社会を前提に年金制度が作成されたのかもしれません。その後に年金制度は変化してきているものの、さすがに日本人の半分が107歳まで平均で生きる社会には対応できませんね。

昭和時代の日本人は、下のような人生が一般的だったでしょう。
社会人になり、会社に就職。年功序列のなかで、安いお給料からスタート。お給料の中からこつこつと貯金。定年を迎えると、会社から退職金をもらって引退。これまでの貯金と、国からの年金で老後生活を送る。貯金が枯渇する頃には寿命を迎える。こんな感じでしょうか。

しかし、2人に1人が107歳まで生きる社会では、貯金は枯渇してしまいます。国からの年金も細々としたもので、頼りになりません。これからの日本人は、どのような生き方を計画したら良いのかな?
下のモデルは1つの方法です。これだけが正解ではないよ。下の例では、まず若いうちから貯金だけではなく、投資をスタートします。また、これからは1つの会社からお給料を貰うだけでなく、副業的なもので収入の多様化を図ることも大事ですね。その副業は、プロジェクトみたいな単発のものでもいいし、自分の趣味や好きなことでお金を得られたら素敵ですね。そうやって、複数の収入源と投資でお金を増やしていきます。会社を定年した後も、副業は継続します。そのことで社会と繋がりながら、収入も得続けるのです。若い頃からの投資も、この頃にはすっかりベテラン!国の年金がなくても、悠々自適!そんな計画を立てるのも良いでしょう。

ボーグル氏の原則に戻りましょう。早くから、定期的に投資をする仕組みを作れです。ここでのポイントは、投資のタイミングなんて考えるなということです。

短期売買では、投資のタイミングは大事ですよね。100メートル走では、スタートが勝敗を分けます。しかし、マラソンは違います。スタートよりも、走り続けることが大事ですよね。長期投資は、マラソンですよ。

ボーグルの原則3、時間はあなたの最大の友達です。これは、色んなところで耳にする言葉ですよね。「ボールは友達」キャプテン翼のサッカー漫画のキーワード的な言葉です。

さて、アインシュタインも絶賛した複利です。こんな説明をしました。魔法の箱とキャンディーです。この魔法の箱にキャンディーを入れると、10日後には2倍になります。魔法ですね。あなたはキャンディーを1個入れてみました。10日後には2個に増えましたね。さて、更に10日後はどうなる?

簡単ですね。生徒さんも楽勝で回答してくれました。そうです。4個になりました。でも、これは凄いことですよ。
最初のキャンディーがまた2つになりました。それだけでなく、魔法によって生み出されたピンクのキャンディーも2つに増えたのです。もともとは、存在していなかったキャンディーです。これが複利の力です。

では、問題です。キャンディーが増えないとしたら、どういう時でしょうか?
そうです。魔法の箱に手を突っ込み、増えたキャンディーを食べてしまったときです。せっかく魔法の箱に入れてあるのに、取り出して食べてしまえば、魔法は効きません。決して、魔法の箱からキャンディーを出さない。そうすれば、無限にキャンディーは増え続けるのです。投資も同じです。ちょっと稼いで、嬉しくなって、それを使ってしまえば、いつまでたっても富はできません。

ボーグル氏は、「リスクの取り過ぎはダメ」と言っています。これは分かりますね。しかし、何故、「リスクを取らないのもダメ」なのでしょうか?
1つの理由はインフレにより、現金と言う資産の価値は減ってしまうからです。
500円玉があります。160円のペットボトルを3本買えます。しかし、日本は2%のインフレを目指している国です。2%の物価高がペットボトルにそのまま作用すると2年超でペットボトルは1つ167円になりますね。そうなると500円玉1枚では、ペットボトルは2本しか買えなくなってしまいますね。

2%のインフレも侮れないんですよ。100万円を50年間、家の金庫に入れていた場合はどうなると思いますか?2%のインフレが継続すると、100万円では50年前の価値では36万円分のモノしか買えないのです。64万円は目減りしてしまいます。やはり、インフレに負けない投資をしないと駄目なんですよ。
こういう原則を10個やりました。最後の法則は、有名な「航路を守れ」です。結局、投資とは規律であるということですよ。

さて、ボーグル氏の原則の後は、今日は銀行についてです。まず銀行を知り、その次に日銀やFRBなどの中央銀行を知る必要がありますね。
まずは銀行に馴染むための銀行クイズです。

問題1の正解は②、問題2も正解は②ですね。皆さん、お尻をトイレットペーパーで拭くときに、思い出してください。

問題3は難しいかと思いましたが、生徒さんは③の正解でした。問題4の正解②も当ててくれました。

問題5の答えは②です。延滞はしないようにしてください。問題6は④ですね。

問題7の答えは⑦ですね。銀行は①から⑥までだけでなく、色々な幅広い業務で社会に貢献しています。問題8は①ですね。シリコンバレーバンクは、あっという間に潰れました。

問題9の回答は①、問題10は②ですね。簡単です。こんなクイズを、これ以外にもたくさんやりました。次回は日銀やFRBの勉強をしましょう!!


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