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〈102〉膨れ上がる親の要求

「学童で宿題させて」
「おやつはこれにして」
「外遊びさせて」
「喧嘩させないで」
「仲直りさせて」
「あの子を何とかして」
「薬飲ませて」
「もっと遅い時間まで開けておいて」
「日曜日も祝日も年中無休にして」
「学校行けないけど学童入れて」

「うちの子を満足させて」
「うちの生活リズムに合わせて」

「我が家の大変さをわかって」
「私の大変さをわかって」
「私を救って」

何か勘違いしているのでは?と思います。

確かに学童保育は親の就労という大きな社会問題と密接に関係し、親の就労支援の一部を担っています。

大半の大人が学童保育について、その側面しか知らない、見ないので、本来学童保育が何のためにあり、子ども達の権利を第一に守る機関であることがすっぽぬけているのです。

この世の中ですから、みんな必死で生活していて、それぞれの親なりに子どもを愛し守ろうとしていることはわかります。

上記のような要望を出したくなる気持ちもわかります。

わかるだけです。

学童保育は親の願いを叶えるところではありません。

「我が子のため」わかります。でも学童保育は個別保育ではなく、集団保育です。そして児童福祉です。

子ども達の社会性を育てる場です。

大きな声や強く言えば要望を通せるなんて大人の背中を見せて誤学習させることはできません。

直接見せなくても、子ども達はちゃんと自分の親が支援員にどう話して、その結果どうなっているか知っています。

自分の要望を伝えるのはいい、変更の余地があるか含め話し合えばいい、不可能なものは不可能だと理由を含め組織の限界は理解する必要がある。

それでも声を荒らげたいのなら、どうぞ自治体や国に、SNSを使ってもいいから訴えてください。

ただ、要望を通すことだけを目的とせず、学童保育の窮状改善も合わせて声をあげていただければと思います。

そもそも国や自治体は保護者の要望を叶えることだけに目を向けます。学童保育の質や支援員の労働には関心がありません。

子どもも支援員も数でしか見ていません。

保護者の要望を叶えるために組織が脆弱になったり、支援員が窮地に追い込まれると、子ども達の身体的・心理的安全を担保できません。

ご自分の大事な子どもを、ますます窮地に追いやることになります。


自分たちの生きづらさ、子育てのしづらさの原因は"学童に子どもを預けられないから"だけじゃない。

学童だけ変わればどうにかなるものじゃない。

もっと周りを見てください。何がコアなのか気付いてください。

目の前の子どもを見て、周りの子ども達を見て、子ども達の10年後を想像してください。

大人には想像力が全く足りていません。

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