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〈95〉学童で宿題をする子になるためには①

次年度の申し込みが始まり、筆者の放課後児童クラブでは子どもについての調査票も記入し提出してもらっています。

「どんな風に過ごしてほしいか」という問いかけに、「宿題を終わらせておいてほしい」と書く保護者のまあ、多いこと。

しかしながら、学童で宿題を終わらせられる子どもになるかどうかは、結局本人の学習意欲と、子どもと親の間でどういう約束をしたか次第です。

学童保育所や放課後児童クラブは、学習支援に特化していません。学習塾でもありません。

放課後児童支援員は、「宿題どうするのかな?」「やっていかなくていいの?」と促しはしますが、強制はしません。

「ここがわからない。教えて。」とお願いされたら教えてあげますが、学習に困難を抱える子どもの「最初から最後まで全部教えて。」には、正直付き合いきることは難しいです。

ここにマンツーマンになると、周囲の子ども達が巻き起こすありとあらゆるものを見逃します。


支援員ができる支援は、宿題でも持参したドリルでも、"何を""いつ""どれだけ"やるかを自分で決めることができるように声かけすることです。

なるべく雑音少なく学習できるように学習時間を設けることも必要ではありますが、固定された時間にやれと言われてやれる子どもは少ないですよね。学校でそういう時間は過ごしてきているわけですし。

他人に言われるより自分でやろうと思ってやることの方が身に付きますしね。


なので、放課後に放課後児童クラブへ来て、おやつの前にやってもよいし、食べた後にやってもよい。ひとしきり遊んだ後でも、帰る時間の間際でも。

間際すぎて親が迎えに来た時に終わってなくても、「あとこれだけだから待って!」「あとは帰ってからやる」などと、自分で親に交渉できたら最高じゃないですか。

迎えに来てすぐ帰りたければ、家庭で子どもに「頼むから何時までには終わらせておいてね。」と言い聞かせればよいのです。約束して守らせればよいのです。

支援員に「終わらせておいてください。」ではないのですよ。

むしろ子ども自身が選択し、自分で決めたことはやりきる、やり終えた時に「お疲れさま」「よく頑張ったじゃん」と言ってあげられたら、子ども達は必ずまた頑張れます。

これを積み重ねていけたら、プリント真っ白で「全部わからない」「どうせ自分には出来ない」と言っていた子どもが、1年後「今から宿題やろー」と言い、2年後こちらが少しヒントを与えるだけで自分で答えを導けるようになります。

国語辞典を開いた本の重しにしか使っていなかった子どもが、自分で調べて"見つける"ことができる人になります。


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