〈92〉学童から見える小学校の先生
学童の世界に身を置くと、各家庭の経済状況や保育力、地域社会、地域の医療提供体制、自治体の政治力、社会問題がよく見えるわけです。
透け透けだぞ!というくらいよく見えます。
〈29〉〈30〉では地域保健師について書きました。今回は小学校教師にフォーカスしてみようと思います。
子ども達は日々様々な表情で放課後児童クラブに帰って来ます。
その表情や言葉選び、声色で、どんな風に学校で過ごしてきたかわかるものです。
何が楽しかったか、何が嫌だったかなどを言葉で教えてくれる子どももいます。
放課後児童クラブに入所していない子ども達の様子もわかりますし、どんなコミュニティが子ども達の中で形成されているか、その充足度もわかります。
学校内と学校外の子ども達の様子を知る放課後児童支援員は、学校の先生よりいじめなどの兆候に気付きやすいかもしれませんね。
学校の先生だけでどうにかできることではないのだから、放課後児童支援員のこの立ち位置を活かせばいいのに。
教師の質もよく見えます。
どんな言動で子ども達と接しているか、子ども達は自らの体験として語ってくれますから。
子ども達の意見を尊重するか、教師の中にある答えを正解とするか。
子ども達から信用されているか、されていないか。
神経発達症(発達障がい)への理解があるのか無いのか。無いままに支援級を受け持っていることもお見通しです。
そして放課後児童クラブで発行した手紙を持って行けば、せっかく学童での様子を記した手紙なのに教師の目に触れること無くお蔵入りしていることや、子ども達の様子を文書として渡しても、職員間で情報共有されることなく机の引き出しにしまわれていることもわかります。
電話一本でも、その教師がどう語るかでどんな人間か、子ども達をどう見ているか、学童保育を何と思っているのかわかります。
教頭から電話があった後で、校長からも同じ内容の電話があれば、ご丁寧にありがとうございますと思いながらも、職員間の連携不足ですよと思うわけです。
学校としての組織力がわかりますよね。
教育委員会の出方やスタンスも見えます。
そして教師の多忙さも、労働者としての不都合も、メンタルの状況だってわかります。
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