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2023読んだ本(4-6月)

マツダ百年史エピソード編/マツダ株式会社

非売品ではあるがメルカリで2000円で購入。太鼓持ちなところは勿論あり多少食傷するが、概ね読後感良し。原爆や地域との絆のエピソードは胸を打った。ロータリーエンジンの、これからが楽しみ。マツダの光の部分を存分に楽しめる1冊。闇の部分をもっと知りたいと思うのは性格的に歪んでるかな。


ニーチェの言葉/F・ニーチェ(白取春彦)

ニーチェの言葉を現代語訳で書いた本。読みやすい。ややもすると中身がないとも言えなくもないが、余白が面白い。各頁のテーマについて、一考する時間が楽しかった。現代的な課題を、100年前にもうすでに、答えが出ているのではと感じた。示唆に富むテーマが多くある。少し物足りなさも。

「帝国」ロシアの地政学/小泉悠

読みやすい。小気味良い。センシティブな北方領土問題への切り込み方は、スリルがあって面白かった。中国との関係性の記述にも首肯。偏狭なメディアからの情報に晒されてがちな今、バランス感覚に優れ客観性のあるロシアを知るには一番良い本ではないか。図書館で借りたが蔵書したい。

二重らせん/ジェームス・D・ワトソン

才気あふれる若き科学者の物語。生物物理とかX線とか結晶学とか分子構造とか全く分かっていなくても、DNAの構造を知るための過激なバトルに立ち会える。毒々しい表現もこの本の魅力のひとつ。当時のイギリスの学術サロンの雰囲気も味わえる。

核兵器入門/多田将

うーん、唸らせる。人間の良識とは。科学技術の頂点としての核兵器とは。核分裂・核融合の話から核兵器の構造、何となく怖いと感じる放射線の話などを分かりやすく淡々とテンポ一定で説明。「べき論」など余計な起伏がないのがかえって爽快。核兵器のことを、フラットに理解できた気がする。

点と線/松本清張

ミステリーは沢山読んだがこの不朽の名作は実は初めて。色褪せない。テンポの良さ、古さを綺麗に残した美しい日本語で一気読み。アリバイの作り込みなどは今の方がよっぽど凝っているが、手紙でのやり取りでの表現など、美しい。清張いいな。オヤジが好きでした。

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