母は83歳
昭和15年生まれだ

バツ2
引っ越し16回

毎年、年初めに必ず
「こんな年だし、体も弱くなって今年は
多分ダメだろう」
「最後に行きたい所に行ったり、好きなことをしたい。葬式の時は、[ふるさと]の曲をかけて欲しい」

9年前に孫である私の娘が熊本に行ってから、
「一度でいいから熊本に行きたい、もう最後だから
連れて行って欲しい」
と
言われ、確かに今動ける時に
連れて行ってあげたいなーと思い
一緒に熊本へ行った
すごく喜んでくれて
「最後に熊本に来れるなんて思わなかったよ
ありがとう」
と
うるうるしながらしんみりと話していた

あれから、9年経ち
母は…

元気だ

そして今年も
「あー、もう年だし、体も弱くなって
今年は本当にダメかもしれない
行きたい所に行ったり好きな事をしたい」
「葬式の時には[ふるさと]の曲をかけてね」

今だから言うけどさー
あんた、散々好きな事して、やりたい事やって
行きたい所行ったじゃん！
バツ2って
あんたの年じゃ、中々いないんじゃないの？
引っ越し16回って
誰と暮らしても、うまくいかなくて、嫌になったらすぐに引っ越し

私ら子供としては、結構迷惑かけられてきたんだけどさー
あんたに小さな頃から振り回されてきてるんですけど！

って
心の中で
その言葉聞くたびに叫んでいる！！

がしかし、この年寄りに言う事も出来ず
またこうして今年も普通に過ぎてゆくのだなー
と思う今日この頃

娘にも
「頼むから、ばあばが死ぬ前に一度こっちに
家族皆んなで遊びに来てくれないかなぁ」
と言った所

「忙しいし、仕事の都合で中々行くタイミングがないし、何より、飛行機で家族4人で行くとなると
お金かかるじゃん？」

んー⁇
まあ
なるほど…金の問題ねー

やはり
自力で熊本行くしかないか！

来年、また最後のお願いを聞く為に
母を連れて行く事にした

最後がいつ来るかわからない
でも
こんな母でも母である事に変わりはない

母はさらに元気になっている
来年、孫達に会うために…

「今度生まれ変わる時には
雷鳥になりたい
山奥の誰も来ない場所で、1人ゆっくり
生きていきたいわ
人間になると、裏切られたり騙されたり
何もいい事ないからね
好きな山の綺麗な景色見ながら暮らしたいわ」

母がよく言っている言葉だ

私は何も言えない
母が歩んで来た母の人生で母が思った事だから
ただ
まだまだ母の人生は終わっていない

だから
私は…娘として
最後に母が
いい人生だった…と思ってもらえるように
過ごしていきたいと思っている

見た目は優しく穏やかなおとなしい感じに見える母
友達は、優しそうなお母さんでいいよねー
って言うけど(違う違う)w

しかも弱々しい雰囲気もあるので
同情されやすいし、助けてあげなくちゃと
思わせる所がある

得だわーw

逆に私は
殺しても死なないような強い人に見えるらしい
1人でも生きていけるよねー
ガンバ！！
的に扱われる(本当は弱っちいのに)

まぁ、母はそんな見た目とは違い強い人だと思う
自分の信念(頑固)が私よりはるかにある
でなきゃ…

バツ2
引っ越し16回
にはならないだろうね(笑笑)

まさに

つわものだっ！ww