読書記録:Nicole Kimberling Mystery on the Menu: A Three-Course Collection of Cozy Mysteries

英語のM/Mというジャンル(日本で言うとBL)の、コージー・ミステリーです。M/Mは私の弱みというか強みというか、つい読んでしまっていて結構詳しいジャンルです。日本のBLはどちらかというと登場人物が低年齢なのではないかと思いますが(あまり読んでないのでよく知りませんが)、英語圏のM/Mは主人公達が比較的高年齢で(50代とかもある)、わりとリアリスティックで、小説としてのクオリティが高いものが結構あります(ジャンル全体では大部分どうでもいい低クオリティの本も多いですが)。

 Nicoli Kimberingはその中でかなりマイナーな作家です。このジャンルではかなり有名なJosh Lanyonの友達で、もともとJoshがnicoleのBellingham Mysteryというシリーズを勧めていたのでこの人の本を読み始めました。シャープなユーモアがこの人の持ち味です。Bellingham Mysteryは、主人公の内心の妄想に笑い転げる捧腹絶倒の名作でした。この最新作は捧腹絶倒とまではいきませんが、ほのぼのとしていてやっぱり面白かったです。
 あ、作者のNicoleが女性と結婚しているレズビアンだからか、すごく素敵なレズビアン・カップルがわき役としてよく出てくるのも特徴のひとつかもしれません。この本では80代のカップルでした。あと、日本にも詳しくて、日本人を主人公にした作品もあります。英語圏の作品の中では、描かれた日本的なものにまったく違和感がない珍しい作家なので、日本に関係のある人なのかもしれません。