読書記録:Gregory Ashe, The Face in the Water (Iron on Iron Book 1)

 M/Mミステリーです。筆者のGregory Asheは超能力ものを含めたたくさんのシリーズを書いていますが、これは、超自然は登場しない普通のミステリーです。でも、特異なのは、Asheが最近書いた4つのシリーズのカップル4組計8人が一度に登場するシリーズだということです。
 このIron on Ironシリーズは1巻ごとに別のシリーズの主人公たちが語り手となります。1巻目のこれの主人公二人はwildlife veterinaran(野生動物の獣医……って訳だとなんか違う気がしますが)のTeanともと詐欺師のJemです。二人が参加した獣医の学会メンバーが行方不明になり、Teanの友達のホテルの部屋で血まみれの服が見つかったために彼女が逮捕されます。JemはJemで違法な動物の売買の現場に行き合わせ、別のシリーズの後の6人もそれぞれの理由でこの殺人事件に関わってきて……という、ごちゃごちゃになりそうな設定ですが、そんなにごちゃごちゃしておらず、すべてのシリーズを読んでいる読者(私ですが)は、主要登場人物の間の力関係と会話が面白かったです。