「塔」7月号「若葉集」で気になった歌
「塔」に入会したばかり、まだ詠草も載っていない初心者です。
ですので、感想なども拙いのですが、「若葉集」から個人的に気になった歌を書いてみようと思います。
すみません、「い」は旧字なのですが、変換できず。
「ざんざんぬらされり」という表現に心を掴まれました。
木漏れ日に頬をぬらされて泣く人、情景を思い浮かべるととても切なく感じます。普通に泣くより、もっと悲しんでいるような。泣いてる自分を人に見せたくないような。とても惹きつけられた一首でした。
「堂々巡りを繰り返し」と「折りたたみ傘をしまう」という行為が、言われてみれば相馴染む行動だと、はっとさせられました。そして最後に「指」にフォーカスがあたっていくのが、とても素敵だと思いました。
忘れたいことってなんだろう、と、想像してしまいます。夕飯の支度をしている最中にそんな出来事が起こったのか、それとも前にあった出来事を思い出したのか。葱を「放つ」のと、香りが「立つ」という動詞が、「忘れたきこと」とを手放すような勢いを感じさせて、心情的にも動作的にも動きのある一首だと思いました。
「桜」と「狂気」はよく似合うと思います。
ずっと、狂うとはどういうことなのだろう、と思ってきました。
「智恵子抄」の智恵子もそうですし、梯久美子さんが「狂うひと」で書いた島尾ミホさんもそうなのですが。
そんな私なので、「狂へればどれほど楽か」の結句に惹かれました。
もちろん、夜に一人で降りしきる桜の景も、とても綺麗です。
すごいなぁ、と、思いました(稚拙ですみません)
モチの木の葉は、割と大きいのでしょうか。
それにしても、いくら静寂だといえ、枝を離れる音が聞こえるわけはないでしょう。しかし、そんな常識めいたことはひっくり返されるぐらい、この一首は説得力があります。きっと、中村さんには聞こえたんだ、そのくらい、あたりはなんの音もしない静寂なのだ。そう思います。「白くなりゆく」と書かれているので、早朝なのだと思います。早朝にそういう音が聞こえるのは、なんだかとてもいいですね。
そのまんま、今の私の気持ちです。
結社入会はずっと迷っていて、短歌始めてまだ半年ですし。
でも、短歌をやるなら結社に入ろうと思っていたこともあり、どの結社にするかを随分悩みました。結果的に私の住む地域に歌会の場があったことと、やはり、河野裕子さんへの憧れから「塔」に決めました。
初めて「塔」が届いて、短歌のシャワーを浴びている気持ちです。
もっとたくさん、できれば全部に感想を書きたい気持ちですが、自分に表現力がなく、、、。申し訳ありません。
「塔」の諸先輩方、これからどうぞよろしくお願いします。
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