とある田舎に住む
少し裕福な4人家族。 
そのうちの1人が帰ってこなかった。

お父さんらしき人は、 
夕刊の新聞を読み、コーヒーを飲みながら 
少し貧乏ゆすりをしていた。

お母さんらしき人は、
いつもの放任主義と違って
この日ばかりは、
私の両親じゃないような気がしていた。

私は、長い金髪にフリフリのスカートを履き 
スマホのアプリでライブ配信をして
ダンスをしたり、話したりすれば、
すぐさま10万人のフォロワーが
いいねボタンを押してくれる。
ファンの人にファンサしなきゃ！
「もぅ、皆私の事、大好きすぎない？。
嬉しい〜！私も皆のことだィィ好き！これからも頑張るからねぇ！今日もありがとぉ！｣

こう言えば、いつだって、
パパもママも褒めてくれて喜んでくれた。
世の中は、媚びしか勝たん！

 パソコンの画面を閉じて、
一息ついてカフェオレを飲んだ。

「るぅちゃん、かえで帰ってきてる？｣
ママがドアを開けた。
「ううん！帰ってきてないよ！」
「あら、そうなの。るぅちゃん。連絡しておいてくれる？ママのもパパのもかえでには通じないみたいで」

「えぇ、パパのもママのも通じなかったら
るぅのも通じないよぉ。でも連絡してみるね」

「それじゃあ、お願いね。」と
少し怖い顔をママはした。

大嫌いなかえでが、
帰っていないことを聞いて
二度と帰ってこなきゃいいとも思った。

だって、ママの怒った顔なんて見たくないし
パパもしかめっ面はもっとイヤだもん。
かえでは4歳下の妹。
バカ真面目で、高一のくせに
受験勉強寝る間も惜しんで
毎日3時間してる妹。 
頭はいいけど、私は大嫌い。

無表情だし笑わない〜。
なのに、小さい頃からママとパパからの愛情貰ってるくせに親不孝者。
本当にママとパパの子供？ってぐらい。
ママとパパは可哀想。

一方で私は通信大学の1年生。だけど、
本業は動画配信者かな？。
そんなこと言っちゃパパとママに怒られちゃうかも笑。

世の中は顔と愛嬌が良ければ
友達も彼氏もお金も手に入るし
親の金でいくらでもスネはかじれるし
私は本当に幸せ♡

あぁ、とにかく妹がいない平和な家がいい。

早く出ていって欲しかった。

※創作作品 2023 
こちらはフィクションでございます。