Enter the blue spring(小説)#14(前編)

キーン……コーン……カーン……コーン……

放課後の始まりを告げるチャイムが清秀沢高校に鳴り響く教室。
快人は帰りの会が終わっていつものようにリュックを背負い、まだ少し賑やかな教室を背に去っていく。

生徒「快人、またな!」

快人「うん、さよならー!」

生徒たちも快人と同じように帰り始め、これからの自由時間を楽しみにしている。

今日は前期の成績を決めるため、清秀沢高校の先生たちが職員会議を行う日だ。
顧問がいなくなるため部活は一律オフ。
期末テストも終わった生徒たちの放課後を邪魔するものは、もう何もないのである。

快人「さて……行くか」

しかし快人だけはそんなものに浸っている余裕はなかった。

6月28日ーー今日この日は、"彼ら"がこの世界で生きていけるかどうかが決まる日。
そして快人が自分の弟と戦うことになる日なのだ。

快人「待ってろよ、音邪……!」

快人は強く拳を握りしめ、"彼の世界"の万能機械、『マスターゲットレイダー』から発せられる空中ディスプレイを見た。

ディスプレイには彼の高校から近い、金沢八景の地図が映し出されてていた……



第14話 太陽が沈む日ーー



ガタンゴトン……ガタンゴトン……

夕焼けに照らされた電車の車内。
金沢八景へと向かうこの電車に、快人の弟、清聴 音邪が乗っていた。

音邪「…………」

音邪は外の景色を眺め、そこに"普通ならあるはずのないもの"を目にする。

音邪「……フッ、どうやらこの金沢八景、理由は知らんが……『世界の理』が本気で護っているようだな……」

ガタンゴトン……ガタンゴトン……

電車は金沢八景半径10kmに張られた世界の理の青い結界をすり抜けていく。
そして電車に乗っている音邪もその青い結界をすり抜けていった。

音邪「流石の『世界の理』も、俺の侵入まで防ぐ機能のある結界は作れないらしいな。最も、そんなものがあったら『計画』は無駄になってしまうのだが……」

音邪は世界を守るその存在のお粗末さに苦笑する。
運営がやる気がないのにも関わらず不本意に作ったというのが、このお粗末さからよく表れているといえる。

音邪(しかしこれは好都合だ!この俺の"計画"はいつだって無敵だと、そう運命は言ってくれているぞ!)

音邪は電車の中で不敵な笑みを浮かべ、これから起こるであろうことに期待と興奮を膨らませた。

そして同じ頃、音邪を狙う『刺客』もまた、この結界を通り抜ける。

スナイパーシャーク「ンバッシャアアアア!」

『スナイパーシャークレイダー』が操る『レイドモンスター』、スナイプシャークが侍従川から『世界の理』の守備範囲へと移動し始めていた。

スナイパーシャークは泳ぎながら彼を従える男、中塚 レオンとの会話を振り返っていた。



侍従川源流 朝比奈の森

レオン『いいかスナイパーシャーク、快人から俺に音邪を始末しろという命令が来た。
しかしだ、俺が一人で奴を倒すとなると、流石に無茶が過ぎる。
奴は異常なまでに手強いからな。
そこでだ。お前にも戦場に出てもらい、奴の奇襲をお願いしたい。いけるな?』

スナイパーシャーク『ワムシャ! アツ、ガチマリ?』(いいぜ! でも、何のために?)

レオン『ふむ。奴は今、世界を揺るがしかねない程の強大な力を持つ『化け物』をぶっ倒そうとしている。
でもそんなことをすれば、そいつと音邪とのバトルでエグすぎる程の死傷者、引いては"学校"で俺たちが怒られるという結末になりかねない。
俺たちは絶対にあいつのとばっちりを食らいたくない。
だから意地でも奴がこれ以上『特異点』に干渉するのを食い止めたい。
こういうことだ。』

スナイパーシャーク「ンーー、バッシャ!」(よくわかんないけど、いいよ!)

レオン「よし、頼んだ。
それじゃあ俺は持ち場につく。もうお前を止める者はいない。
思う存分音邪の前で暴れてこい。いいな?」

スナイパーシャーク「シャアク!!」

スナイパーシャークはレオンの言葉に元気よく相槌を打つと、侍従川に思いっきり飛び込んで泳いでいった。

レオン「やれやれ、淡水でもイケるやつでよかったぜ……しかし、どうあがいても、俺たちはあいつに勝てねえだろうな。」

レオンは密かに弱音を口にした。
レオンの言葉通り音邪は圧倒的に強い。
どんな手を使っても、自分たちでは時間稼ぎが精一杯だろう。

レオン「だが、こっちには快人がいる。
そして今日さえ乗り越えてしまえば、後はあいつが監視さえしてくれればどうにかなる。
どうにかして追い込まねえとな、奴を……それが、俺の役割だ。」

レオンはもう水しぶきが上がらなくなった川に目をやりつつ、夕方の西日が差す森の中を歩き始めた。



スナイパーシャーク「ガムラムングリシメロオトジャ!リリハツドラグメルナ!!」(首洗って待ってろ音邪!一発かましたるからな!!)

スナイパーシャークは既に川を下り、海上を泳いでいる。このまま海岸まで泳いで上陸する気のようだ。

『レイドモンスター』と『世界の破壊者』、最終的に勝つのはどちらであろうかーー



金沢八景駅 wing kitchen

音邪「ふむ……体育の時間に前髪が乱れたらしいな、気づかなかった。」

夕方になり、人も多くなってきたフロア内。
音邪は今更前髪を気にして、窓ガラスを鏡代わりにしながら前髪を整えていた。

金沢八景には無事に着くことができた音邪。
しかしまだまだ油断はできない。
音邪は前髪をいじりながら窓の外を見てみる。

音邪「……随分と、手洗い歓迎をするようだな、『世界の理』め。」

音邪は邪悪な笑みを浮かべながら外の景色を眺める。

そこには茜色に染まった街を我が物顔で闊歩するレイドモンスターたちの姿があった。

音邪「まあいい。主人公に逆境はつきものだ。 相手になってやろう。」

音邪は不敵な笑みを浮かべ、ストアのフロアを去ろうとした。

しかし、

???「HEY HEY HEY!そこのボーイ!」

音邪「あっ?」

不意に音邪は何者かに話しかけられた。
声のする方を見ると、そこにはみすぼらしい服とボサボサの髪をした、いかにも浮浪者といった風貌をした謎の老人が立っている。

老人「ユーだよユー!君さ!パ◯ツ見せてくれない!?」

音邪「……はっ?」

老人「だーかーらー!パ◯ツだよパ◯ツ!!ユー年齢の割に可愛い顔してるからさー!ちょっと見せておくれよ!」

音邪「……あんた、正気か?」

老人「おいおいボーイ!俺の気は確かだぜ!何かわかんねえが、『世界の理』だっけ〜?とにかく、何か言ってることが大物っぽいよなー!?そこもポイント高い!」

音邪「げっ!?何だこのおっさん!? 何でそういう"重要なこと"をよりによってお前が知るんだよ!?」

老人「なあなあ〜、良いから見せてくれって、パ◯ツをよ〜!」

浮浪者は何を想っているのかはよくわからないが、とにかくパ◯ツを見たいらしい。音邪のズボンを掴んでずり下ろそうとしてくる。

音邪「ええい!死ね!!」

ゴキッ!

老人「うげっ!?」

浮浪者は音邪の凄まじい威力の蹴りを首にくらった。

浮浪者は首が有り得ない方向にねじ曲がり、壁に激突してそのまま息を引き取る。

音邪「はあ……はあ……な、何てこった!
か、怪異か何かなのかこいつは!?」

音邪は急な恐怖に襲われてフロアを走り去った。



「マッテオクレヨ〜!マッテオクレヨ〜!」


金沢八景周辺

一方その頃、同じく金沢八景に現着していた未来はというと、

未来「……くっそ!あいつがくっだらねえことを企てたせいで、あかりちゃん一人で帰らせるハメになったじゃねえか!」

道を歩いて音邪のいる駅まで一人向かっていた。
この日は彼女と下校して、帰ったら『青春スコア』を大量に稼ぐつもりだったが、この音邪が起こした騒ぎのせいで全てがパーだ。

未来「何があったら『世界の理』倒そうって発想になるんだよ! ちくしょう!」

未来は頭を掻きむしりながら街中を早歩きで進んでいく。
こんなことはできればさっさと終わらせて、早いところ帰りたい。
しかしそんな理想はおそらく絵に描いた餅。
このゲームのレイダーの中でも当たりに入る『火山竜レイダー』の力を駆使しても、悪魔的な強さを誇る音邪の『サタンレイダー』には及ばない。
快人が来るまで時間稼ぎをするのがせいぜい精一杯のただの前座、それが今の未来なのだ。

未来「全く……今どこで何をしてるのか知らねえけど、早く来てほしいよなー、快人。」

これからこの面倒くさい事件のために一戦交えるかと思うととても気が重い。

未来「あいつの弟なんだしあいつが教育してくれよ……」

いつも善意で人を助けようとしてしまう未来はお気楽な他のプレイヤー達とは違い、いつもこうして頭を抱えることばかりだ。
しかしそれでも、未来はこっそり家まで帰ってしまおうとはせずに、大人しく『マスターゲットレイダー』のナビに従って駅まで歩くのであった……

しかし、そんな未来とは正反対に、野球以外のこの世の全てを舐めている男もこの金沢八景にいた。

零斗「ふう……100発目。今日は中々精度がいいな。 この調子なら500発目には全ての打球がホームランになるだろう。」

玲奈「そうかも。あんたは馬鹿だけど、思い込むだけで何でもできちゃうものね。」

日光を反射してキラキラと輝く川と、それに照らされる河原。そしてそこでひたすら野球ボールをバットで打ち続ける男。
この男の名は星雲 零斗。未来と同じ世界から来た野球馬鹿で、未来の友達である。

零斗も現在、音邪の足止めを快人から依頼されているが、誰の期待を裏切るわけでもなく当然フル無視である。

戦いは確かに好きだが、野球はもっと好き。
野球を潰すくらいなら戦いはやめる。
何と単純な思考回路であろうか。

玲奈「ところで、快人の話ではそろそろ音邪が来るらしいけど、本当に行かなくていいの?」

零斗「ああ、あいつのために一肌脱ぐなんてのは蛇にでもやらせておけばいい。もしもそれについて咎められたら何かの理由で遅れたことにする。
断りもしない。ただし協調もしない。
これが最も理想を実現しやすいやり方だ。」

玲奈「控えめに言って最低ねあんた。」

零斗「ところで玲奈、面白い遊びを思いついたんだが、投げるのを一旦やめてくれるか?」

玲奈「え?ええ、いいけど……」

快人の話に形だけ乗ってはやるものの、それを一切意に介さず全身を使って凶悪な打球を魅せていた零斗は、何の脈絡もなく玲奈の投球を止めさせた。

何故なのか。

零斗「よし。まずは一旦、ノックをするか。」

玲奈「?」

零斗は何を思ったか、急に野球ボールを持ってきて打ち、川にボールを落としてしまった。

玲奈「ん?何を、しているの?」

零斗「まあ見てろ。」

レイダーon、3Dプリント

零斗は『マスターゲットレイダー』で釣り竿を作り、何も餌がついていないにも関わらず川に釣り糸を垂らす。

零斗「これでボールが『釣れる』のを待つ。」

玲奈「???」

玲奈の脳内に小宇宙が広がった。

この男は何を言っているのであろうか?

私か?私がおかしいのか?

何をどう考えたら野球ボールが『釣れる』のであろうか?

玲奈「あー、えっとあの……どっから突っ込んだらいいのかしら?」

零斗「?」

零斗はまるでそれが当たり前であるかのように首を傾げ、キョトンとした顔をしている。

玲奈「と、とにかく!私の質問は一つだわ!
あんたここにログインする前に何してたの!?」

零斗「数学の課題。」

玲奈「……」

零斗「昨日の夜からやっていたがわからなすぎて、気づいたら朝日が登っていた。そして未だにわからない。」

玲奈「多分それね……」(ボソッ)

零斗「ん?どうかしたか?」

玲奈「ふう……落ち着いて聞いて零斗。 今あなたの頭は理解できない難題に対応するために色々白紙に戻して考えすぎて、物理法則とか常識とか何か色々おかしくなっているわ。
だから今日は今すぐに寝てちゃんと頭を整理しなさい。」

零斗「いやでも、これ終わったら野球」

玲奈「黙れ。 今すぐ寝ろ。」

零斗「お、おう……」

零斗、まだ何もしていないにも関わらずログアウト。
そして零斗がいなくなったことで、そのライバルの玲奈が快人の要請を引き受け

玲奈「よし……相手もいなくなっちゃったことだし、補強でもしますか……」

てはくれなかった。


金沢八景 侍従川周辺

コツン……コツン……コツン……

『レイドモンスター』が暴れ回る金沢八景。逃げ惑う人々や泣き叫ぶ子供などがどこかへと逃げていく中、一人街を歩くあの男。

音邪「……やれやれ、『世界の理』の手先どもめ。俺がいる場所のみで暴れ、『特異点』達が存在しているところからは距離を取っている。
レイドモンスターは並行世界に存在する原生生物。『マスターゲットレイダー』とは無関係の存在である以上、奴らの攻撃に『世界の理』の加護は適用されない……チッ、それを理解せずに暴れてくれればこちらとしても都合がいいと言うものを……」

音邪が倒そうとしている『世界の理』には音邪達が持つ『マスターゲットレイダー』の力を完全に無効化する特殊な力がある。
『世界の理』はこの力を自身がプレイヤー達から護っている『特異点』と呼ばれる存在に分け与えることで、表舞台には姿を表さずともプレイヤーから『特異点』を護っている。
しかしこの力で特異点を護れるものは、あくまで『マスターゲットレイダー』の力による干渉のみ。
それ以外の力からの干渉は通常通りに受けてしまうので、例えば並行世界からこの世界に転送されてきたゲームの敵キャラ、『レイドモンスター』の攻撃は力が発動することなく『特異点』にも通じる。
だから『世界の理』の手先の『レイドモンスター』達は、自身の攻撃を特異点に当てないために、『特異点』から離れて活動するのだ。
これは野良のレイドモンスターにはない特徴である。

音邪「小賢しいゴミどもだ……」

レイドモンスター「ガァ?」

一匹のキノコのような『レイドモンスター』が音邪に気づいた。

レイドモンスター「ココロガアムガオトジャガ!!」

レイドモンスターは意味不明な言語で叫びながら音邪に襲いかかってきた!

レイドモンスター「ノギギーー!!」

バシャア゙!!

刹那音邪の拳がレイドモンスターの頭部を一瞬で破壊した。

ボロボロボロ……

音邪「フン……」

レイドモンスターの体が砂のように崩れ始め、頭がなくなった首からは謎の胞子が吹き出す。

音邪「下級だな。変身するまでもない。」

???「今だ!!」

音邪「ム?」

ボスーーーン!!

風船の空気が一瞬にして抜ける時のような音が音邪の耳を貫く。音邪は一瞬怯んで目を瞑った。

音邪「クッ……なっ!?ま、前が!」

音邪が再び目を開けると、そこには一面暗闇の世界が広がっていた。

???「ケーーヘッヘッヘッ!かかったな!私はイカスミス!」

イカスミス「お前があの変なキノコの野郎に気を取られた一瞬の隙に、俺はイカ墨を噴射した!これでお前はもう私がどこにいるのかわからない!

終わったな!死ねぃ!」

イカスミスは何故か可能な二足歩行で前が見えない音邪に一瞬にして近づき、自分の得意技『スーパー着地』をくらわせようとした!

ズバン!

しかし色々問題があったためか、文字通り音邪の手刀で"カット"された。

イカスミス「そ、そんな……見えないはずなのに……」

イカスミスは体から大量のイカ墨が流れ落ち、そのまま溶けるように消えていった。

音邪「『死ねぃ!』とか『終わったな!』とか言わなければ勝てたかもな。」

???「終わったーー!」

ジョキン!!

???「はうっ!?」

(ま、まずい!このまま行くと名前もわかってないのに死んじまいそうだから自己紹介しておくぜ!
俺の名はタコスミス!イカスミスのブラザーだ!今、イカ墨で前が見えない音邪とかいうガキを『世界の理』とかいう奴の命令通りに始末しようとしたら!手刀で頭をちょん切られて今頭だけで君たちの脳内に直接語りかけている!お、俺、元々二足歩行の仮◯ラ◯ダーとかに出てきそうな体だったのに!これじゃあまるでメンダコみてえじゃねえかチクショウ!)

音邪「お前は兄貴から何を学んだんだバーロー。」

スナイパーシャーク「ノアッ!?ソナタカムダオトジャ!!」(うわっ!?見つけたぞ音邪!!)

『レイドモンスター』が次々と音邪に狩られていく中、レオンの従えるレイドモンスター、スナイパーシャークもその姿を現した。

音邪「ん? うーん……あっ!そうだ……」

音邪は何か良からぬことを思いついたのか、ニヤリと口角をつり上げる。

タコスミス(あ、あの音邪さん!? ま、まさか、まさかとは思いますけども、アレはやりませんよね!?
いやわかりますよ!?この前編のオチとしてそれなりに面白いであろうことは認めますけども!?アレをやるのは流石に人として最低すぎるというか何というか)

音邪「えいっ!」

スナイパーシャーク「ムグッ!?」

音邪はもちろんタコスミスの頭部をスナイパーシャークの口の中に投げ込んだ!

タコスミス「や、やっぱりそうかテメーー!!」

ガブッ

スナイパーシャーク「ミヤーー!!」(ウンマ〜〜イ!)

タコスミス、スナイパーシャークに食われて死亡。
もはや出てこない方が良いまであった。

スナイパーシャーク「コドラ!?ニドラモルグワデビス!?」(どこだ!?どこからこれ取ってきたんだ!?)

音邪「あっち」

音邪は遠くの海の方を指差した。

音邪「あの海岸の深海にいるよ」

スナイパーシャーク「トムスタ!?カムスルガムディシッテバウ!」(ホントか!?今すぐ取りに行ってくる!)

スナイパーシャークは急いで音邪の指差した海岸の方に向かっていった。

スナイパーシャーク、何の活躍もせずに戦線離脱。
お前は出てきて音邪を止めるべきだった。

音邪「……しかし、奴はレオンが従えていた奴のはず。
何故奴がここにいる?
まさか、俺の計画がバレているとでも言うのか……?」

バシンッ!!

音邪「……なっ!?」

未来「その通りだよバカヤロー!!」

未来の変身する『火山竜レイダー』の武器、『電蛇タイヤー』の一撃が音邪の背中に炸裂する。

音邪「くっ……!お、お前がいるということは!」

未来「ああ、終わったな!清聴 音邪!!」

快人の依頼通りに音邪を追っていた未来が、ついに音邪の前に現れた。

未来「お前がいなくて代わりに変な奴がいた時は本気でビビったが!即行でお前の居場所まで来てやったぜ!」

音邪「チッ……お遊び程度の覚悟では乗り切れないようだな……」

ついに音邪と未来、二人の戦いが幕を開ける。
しかし、『世界の理』を呼び出そうとする音邪に立ちはだかる"困難"は、まだほんの序章にしか過ぎなかったーー


中編に続く

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