Xデザイン学校ベーシックコース2023#10(1年間の振り返り)

 1年間の授業が終了しました。自動車会社への新規ビジネス提案をとおし、UXやサービスデザインなどの基本を学ぶとともに、第10回に企業への提案を行うという内容でした。
発表と一年間を通して得た自分の学びや気づきをを書いていきたいと思います。


1.発表の振り返り

 最初に考えたビジネスモデルから途中で方針転換した中でもチームの皆で議論して最終発表で形あるものにできたと思います。特に発表までの1ヶ月の間、スライドの見せ方、説明の仕方など含めて、良いものにしようと皆で諦めずに取り組めました。思考がいったり来たりで、頭を悩ますことがありましたが、自分たちなりにやり遂げれたと思います。
まずは、発表を通したリフレクションです。

リサーチ

 発表後、先生からもアイデア大会っぽくなっているね。とご指摘を受けたとおり、サービスの改良や検討進めていく中で、リサーチ結果をうまくビジネスの中に活かせることが出来なくなってしまっていました。振り返ってバリューシナリオを見てみると、ビジネス価値とユーザの本質的要求価値を統合して、うまくサービスのメニューに活かせてないと実感しました。講義やチームで作業をした際は、こうやってビジネス面とユーザ面を統合することでサービスメニューになっていくのか!って感動していたのですが。。。。
発表と、自分たちがしたインタビューを見直してのリサーチとしての気づきは2つ。
1つ目は、インタビューの仕方、聞き方が下手だったんだなと。オフィスアワーでも「自分が火事にあったことない人に火事にあったらどうしますか?なんて聞いたらダメだよ。こういう新しい時代のビジネスに関して聞くのは中々難しいんだよと」と先生が仰ってましたが、それに近いインタビューをしてしまっていたなと。半構造化インタビューのためにチームである程度認識合わせした想定インタビュー項目や当日のインタビューメモを見返すと、先生の話のように聞いたらダメなことをちょこちょこ聞いてしまっていました。むしろ、本質的要求価値として導いた元をだどると、サービスに関して直接的に聞いてしまっていた質問よりも、普段の生活や行動に対する考え方を深掘れたような質問の方から、価値が導かれていました(偶然かもしれませんが)。
2つ目は、インタビュー対象の設定。ビジネスモデルに対して、それと少しずれたインタビューアーにインタビューしてしまっていました。

 上記のように、やはり、どのような人を想定して、どのようなことを聞くのか?を設定する重要さを体感したとともに、これらを設定するにも、幅広い教養が求められるんだなと感じました(ここにも教養が大切)。
気づきの一方で、このインタビューがうまく出来ると、もっとユーザの気づかないインサイトに迫れるかも!また、今回はチーム3人で計4名しかインタビューできませんでしたが、もう少しインタビュー出来ていると、もっと違う本質的価値を抽出できたのかも!と、振り返ってみて、とてもわくわくした気持ちを抱きました。初めてのインタビュー経験だったので失敗ばかりでしたが、今回の体験を次に活かしリサーチしていきたいです。

いいビジネスと自分たちならではの目線

 自分たちの講評や各チームの講評を聞きながら、「筋のいいビジネスモデルなんてその時、その状況で変わる。ユーザや企業がその状況で利用したい実現したいことに合ったものが良いビジネスだし、その使う人、その時代にあったものが良いんだ」と感じました。もしかすると、今回各チームが提案したビジネスモデルやサービスが、数年前であればもっと刺さったチームあれば、数年後であれば刺さってないチームもあるかもしれない。また、先生が見る目線と企業(クルマ屋)が見る目線も異なるんだなと改めて思いました(そりゃ当然のことではありますが)
一方で、企業が言うこともすべてではないと。あなたちはそういうものの考え方をしているから、まだまだなんですよって外から見て言える部分も大切だろうと思いました(まだまだそんなこと言えるほどではなく、今回の講評はすべてなるほど!って目線ばかりでした)。
 その企業にあったものと、外から見た目線を統合させるためにも、だかこそビジネスエスノグラフィーをとおして企業文化を知り、いい感じのところを攻めないと相手に響かないのか~と(言うのは簡単ですが。。。)
 ただ、共通して言えるのは、やはり企業の方々が考えている以外のところから、自分たちならではの目線でモノ事を言っていく大切さ。講評での指摘を通して、自分のチームはそこを超えきれなかったと思います。まだまだ自分としてもチームとしても解像度が低かったので、もっともっとどうして自分から提案を求めているのか?その企業以外の人では見れない視点を、自分たちならではの目線で問題をとらえて提案できるようになりたい。そのためにも熱い熱量と教養の高さを肥やしていきたいと思った講評の時間でした。


2.1年間の振り返り

ここらは1年間の学びと気づきです。

魚を得るのではなく、魚の釣り方を学ぶ。

 新しい事業やサービスを作るヒントを得たい、だからUXやサービスデザインを学びたい、そう思ってXデザイン学校に来ましたが、初っ端でくじかれました(笑)
「作曲方法を体系的に知っていることと、人の心をつかむ音楽を作れることは全く違うよ。新規事業も同じで、UXを知っていることと、顧客に響く事業やサービスを作れることは全く違うんだよ」と。序盤にこの言葉を聞いて、当時めっちゃハッとしました。でも、今後の人生を見据えると、この考え方を知れただけでも本当に良かったです!!! そして、あっ、自分は、魚を得ようとしているのかも(先生から答えを聞こうとしているのかも)、自分が得たかったのはそうじゃない。なので、Xデザインを通して、魚の釣り方(考え方)を得ようと意識を過ごしてきました。そうやって講義を受けると、何気ない先生の話の中から、人とは何たるか、モノ事の見方・考え方のヒントをたくさん伝えてくれている、そう思うことができ、そういう部分も吸収してやろうと思うことが出来ました。そうして講義を受けるうちに、Xデザイン学校は、魚の釣り方だけじゃなくて、「どんな魚を釣るのか?どの場所で魚を釣るのか?」「どんな潮の特徴があるのか?竿を使った方がいいの?漁で魚をとるのか?」「自分ひとりが食ってくために釣りするのか?街のみなのためか?そもそも魚なのか?」などなど、見るコツ、考えるコツをたくさん伝えてくだっていました。
 これって、社会動向・技術動向を知る、企業の文化・ビジョンを理解する、人とは何かを理解する、概念化やリフレーミングなどの考え方、教養もが必要だよねっていうことやなと。
単に釣竿もって、こうやって竿を投げたらこんな魚を釣れるよ!じゃなくて、新しい事業を考える時も、見なければならい点はたくさんあり、これらを意識しながら、魚をとりに行き(体験)、省察して、概念化して、また釣りに行く、そんなことを繰り返していくことで、自分だけの知性・モノの見方や感性につながっていくんじゃないかなと思います。ビジネスもこれと同じではないだろうか、と10ヵ月を振り返り思いました。
学ぶうえで、答えを受け取るのではなく、物事の見方・考え方・態度などから、その心を学ぼうとすることが大切なんじゃないか?そんな部分に気づくことが出来ました。

学びと気づきの焼き付け

 ものごとを理解したり学びを深めるには、"幅" や "反対の部分"が大切だと思ったので、このあたりを自分の焼き付けとして書いておこうと思います。

「自分ごとで物事を考える」
  ニュースとか見ても、見ているようで見れていない(流れている)、美味しいもの食べても、おいしいで終わってしまうとうか。どうしてそう思ったのか?そこから自分はどう思うのか?そういう普段の何気ないところから、ちょっとずつ自分ごととして捉えて考えてみる、そういう部分が自分にはなかったなと感じました。常にどう思うかのか?と興味を広げてそれを自分事として考え、またそれを色々なことに結びつけてみる。そんな積み重ねが人として大きく差として出るのか!と学びました。

「体験とリフレクション、概念化」
 自分の勉強の仕方として振り返ってみると、本を読む・ネットで調べる・動画を見るなどが多くて、自分の目で実際に見に行く・自分の足で調べるなど、体を通して実際に体験するという身体的な学びがなかったです。一方、改めて人生を振り返ってみると、大きな学びや経験になったことって体験や感情が動くものでした。Xデザイン学校をとおして、実際に体験してみてることで、得られる感情・気づき、そこから学べることの大きさを学びました。京都でのフィールドワークにも参加して本当に良かったです!(何より楽しかった!)
 また、概念化のために、体験とリフレクションが大切だということも学びました。講義の序盤で、対処療法ではなく概念化で考えましょう、という話が出てきた時に「概念化」が自分の中で一人歩きしてしまっていました。いきなり概念化しようとしていて、うまく考えれない。。。概念化するには、どういうことか様々な観点から”自分なりに”一度昇華させるステップが必要なんだ、と講義やチームでの作業を重ねていく中で、改めて気づくことが出来ました。

「外化と内化」
 上の体験でも記載しましたが、インプットすることばっかりでアウトプットすることがあまり出来てなかったです。授業後にリフレクションやnoteを書いてみるだけでも、新たな気づきや、あっ、ここがわかってなかったのか、みたいなことが整理でき良かったです。さらに、リフレクションしたうえで、人のリフレクションやnoteを見ると、自分と全然違う気づきを得ており、自分が気づてない視点を得れて非常にためになりました。業務の成果物としてアウトプットを出すのは当然ですが、学びや気づきをこうやってリフレクションしつつ、外化していく習慣をチームで実施していけたらすごくいいなと思いました。

「知識と教養」
 ここ数年、自分の専門分野ばかり学ぶことに目がいっていました。ただ、知識を生かすには専門以外のありとあらゆること、教養が大切だということを、実際にビジネスモデルやサービスを考える作業をとおして身に染みて感じることが出来ました。

「ユーザとビジネス」
 新しいサービスを作っていくにはいかに、しっかりユーザニーズをとらえるかが重要だと思っていましたが、1年間をとおし、リサーチでインサイトをいかに探すかの重要さに加えて、その企業がやるべきことか?儲かるのか?成長につながるのか?など、ビジネス面もしっかりみることが大切だと学びました。普段仕事をしていると、どうしても技術に寄ってしまい、お金面やどういう仕組みで儲けているのか?を考える視点が全くなかったので、改めてボランティアとビジネスは違うということを気づかされました。自分の作りたいものがベースにあってよいのですが、それだけだと企業の成長につながらないしアイデア大会になる。ユーザ見るだけだとスケールしないし。2つのバランスとcheckポイントが大切なのですね。

「考えるスピードと判断のスピード」
 どちらかというと、自分は宿題はギリギリに手を付けるタイプでした。業務でもなるべく重たいものは早く手を付けていこうと思って取り組んでしましたが、手を付けつつ結局あれこれ手を付けながらいいモノにいきなりしようとして時間がかかっていました。判断のスピードの考え方を知ってから、業務でも今まで以上に少しずつ早く手を付けつつ、いったん汚くもて形にしてみるということを意識してみたのですが、そうすると考えやアウトプットを見直す余白ができるんだ!ということが少し分かった気がします。今後も意識していきたいです。



3.まとめ

 1年間の学び・気づきを踏まえて、次にやること、やろうと思っていることです。

1. 自分なりの問いを作りながら、自分事でモノごとを考えてみる。
 また、普段の生活や業務などでも、体験⇒省察⇒概念化⇒試すのサイクルを意識しながら学ぶ。
2.実務で実践していけるように、何か環境を変えてみたい。
3.専門分野以外の教養を学ぶ。自分の専門分野ばかり学ぶことに特化してしまっていたので、
 専門分野以外のありとあらゆることや、ビジネスリテラシー的なお金のところも学んでいきたい。  
 その際、ちゃんと教養を活かせるように体験と概念化の両方を意識していきたい。

 本当に学びしかなく、1年間楽しかったです。モノごとや人生に対する見方・考え方も大きく変わりました。1年間ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?