世間のいう「普通」の恋愛が出来なくても



私はまず結婚をしたくないし、子供も欲しくない。
この身体でのたった1度の人生、
お金と時間は誰かとではなく、私一人で使っていきたいのだ。
というのも、私自身恋愛にトラウマがあり、
また吊革は持てるのに他人の手は握れないという
謎の潔癖の為恋愛に発展しにくいのである。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

もともと2次元の異性には熱烈な恋愛感情を抱くのに
3次元の異性には恋愛感情が微塵もわかなかった。
ただ、私が高校時代本気で恋をした同性の元親友がいた。
ただ、その子に彼氏さんが出来た。
しかも今どこまでスキンシップを取っているかをLINEで送ってきた彼女に、
私は文面では「そうなんだ!」と明るく振る舞っていたが現実では号泣していた。
彼女はその後何故か同棲しているマンションに招待し、
彼氏さんの為に頑張って練習した親子丼をお昼ご飯として作ってくれた。
頂きながら「もっと火加減調節したほうがいい」などブツブツと独り言を言いながら料理と向き合っている彼女の姿に
「この親子丼は私のためではなく彼氏さんの為に出したいのだな」と泣きそうになった。
高校生の頃に将来について語る優しい横顔を、
これからは私ではなく、彼女のパートナーが見ていくのかと思うと悔しくて仕方がなかった。


そのときにふと負けず嫌いが発動し、
「この子に恋愛が出来るなら、私も恋愛出来る!」と謎の考えが浮かびマッチングアプリに手を出した。

元親友への失恋と
精神疾患での鬱のダブルパンチの中
数人とお付き合いした結果、
得られたのはトラウマと「恋愛は気持ち悪い」という考えだけであった。
「恋愛がしたい」という目的だった為
相手を心底好きになることがなく、
申し訳ないが「恋人」というステータスを得るために付き合っているものだった。
恋人になると定期的にデートというものをして
一緒に行動をすること、
恋人になったからには「手を繋ぐ」など恋人らしい行動をしないといけないこと、
お金は誰が払うか、
将来どうするか、
細々としたものに嫌悪感を抱いたのだ。
前述したように、吊革、手すりを持てて
人の手は繋げないという謎の潔癖があり、
手を繋がれるとすぐ手を洗えない不安感がある。
気持ち悪いと思うのに相手に変に気遣ってお化粧室に行けない自分に呆れたりもした。
さらに同性・異性ともに恋愛感情などを向けられると嫌悪感を感じることが分かった。

今から考えると負けず嫌いからかなり愚かなことをした。
結局は好きだった元親友の幸せそうな表情を見て、
恋愛とはどういうものかを知りたかっただけかもしれない。
彼女を幸せにしてくれる感情がどういうものなのか、何がそこまで動かしてくれるのか知識を得たかったのだ。

振り返ると元々恋愛しなくても生きていけるのに
無理に世間のいう「普通」を経験したかったからかもしれない。
しかし、自身の恋愛への考え方に気づくことはできた為収穫はあった。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

「恋愛感情などを持たれると嫌悪感を感じる」この感覚はリスロマンティック・リスセクシャルのようなセクシャルマイノリティにも該当すると思う。
異性のみ恋愛対象であるヘテロセクシャルの方からすると、
マイノリティに対して偏見やネガティブな考えがあるかもしれないが、
私はセクシャルマイノリティに該当するからといって悲壮感はない。
むしろ自分の身を自分で守れていることが嬉しいのだ。
人それぞれ幸せに感じることは違うと思うが、
私は精神疾患を持った今自分を大切にし、
自分の為にお金や時間を使えることが嬉しいのだ。


職場では「結婚」や「恋愛」に関して
話のネタとして雑談で話されることが多い。
「結婚=幸せ」、「結婚していない人=難あり」は
個人的にはとんだ偏見だと思うし
幸せは自分で決めるんだから勝手に決めつけてんじゃねぇよ、と思ってしまう。
今日も恋愛の話で盛り上がっているグループに属さず
推しの話で心地よく過ごせる方と行動している。
今私は恋愛をしなくても幸せである。
「普通」というものは自分で決める。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?