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プロポーズしてくれた人にプロポーズをすることになった話

プロポーズは、受けることがある(もしくは、することはある)としても、その逆の体験をすることは、きっとないと思うんですが、どうでしょうか。
私はそう思っていたのですが、まさかプロポーズを受け、私も同じ人にプロポーズをすることになるとは。

※再婚と言う訳ではありません。

私たち夫婦には子供がいないのですが、私はもう三十目前。
そろそろ子供のことを考える年齢が近づいてきました。

私は子供関係の仕事をしており、子供のことは大好きで、子供がもし居たらどういう生活をしていきたいか、というビジョンが明確にあります。
子供とたくさん遊びたいし、しっかり話も聞いてあげたいしなど、色々な思いを抱いているのですが、どうしても子供をもつかどうか、決断ができない。

こんなに大変な思いをする世の中で、子供がたくましく生活できるだろうか。夫と一緒に子供を支えていけるのか、などなど。
子供に対する思いが強い故に、決断ができない。

そんな右往左往する気持ちを夫に伝えていました。
夫はじっと考えて、押し黙っていました。
ですが、しばらくして夫は口を開きましたが、驚きの発言でした。

「なんか、あれなんだよね」

「・・・?」

「プロポーズされたい」

「・・・プロポーズされたい!?」

言葉の真意を聞くと、痛い思いをして産むのはかことの方だから、子供を欲しいとは思っているが、自分が子供が欲しいと強く言うことはできない。
かことが子供を望むのであれば、全力で子育ては頑張るし支える。
だから、かことが本当に子供が欲しいという決意が固まったら、プロポーズをしてほしい。

まさかの人生初のプロポーズ受けたい宣言を受けることになるとは。
しかも、これをプロポーズと呼んでもいいものなのだろうか。
まぁ、何も結婚のお願いだけに使う言葉ではないかもしれないし、こう言う使い方もあっても良いかもしれない、と子供のことより先に「プロポーズ」という突然飛んできた言葉について思いを巡らせていました。

とても驚きましたが、夫の思いは理解できたため了解の返事をしました。
そして、「月末までに返事を」と期限も一緒に告げられたため、「仕事か」とツッコミながらその期間まで考えることにしました。

夫には色んな気持ちを吐露していましたが、本当のところは考えは一つにまとまっていました。
私は子供が大好きで、産み育てる怖さを感じつつも、「私の子供に会ってみたい」という気持ちはずっと軸としてブレずにいました。

そこで今回夫からの突然のプロポーズを受けたい宣言を受けたことによって、自分でも蓋をしていた思いにしっかりと目を向けることができました。

今まで子供を授かりたいという思いは抱きつつも、子供を持つという思いに真剣に向き合うことが怖くて、ずっと目を背けてきた部分。
しかし、自分が勝手に肩にたくさん乗せていたものを、一つずつ卸していくと「ただ子供に会いたい」という気持ちだけでいいような気がしてきました。

そしてしばらくして、じわじわと夫の発言に対して「謙虚だな」という思いも湧き始めました。
私が決断できるまでの枠組みを与えてくれ、決断した後は全力で応えてくれると言ってくれている。
体のことを考えてくれているということもわかる。

色々不安要素があるし、まだ解消されていない思いもありますが、きっと子供を授かれたとしてもお互いに思いやりながら生活していけるのではないか、と思いました。

月末までの2週間。
突然舞い込んで言葉や思いを消化し、自分の中に落とし込んで、最終的な自分の思いを完成させることができました。

夫と買い物に行った時に、夫がずっと最後まで買うか悩んでいたものを買いに行き、私の思いを手紙にしたため、準備を進めていきました。

そして月末。

お風呂上がりの気の抜けた夫の目の前にいき、プレゼントと手紙を差し出し
「私と一緒に子供を育ててください!!!!」と渾身のプロポーズ。

「よろしくお願いします!!」

との返事。無事にプロポーズは成功。

そこから私たちの妊活はスタートしました。

妊活を始めて数ヶ月。
子供はまだ授かれていませんが、もし授かれなかったとしても、それもまた人生。
子供を授かることだけが「幸せ」や「正解」ではないし、違う形で自分の思いを消化したり、人生を形成していくことはなんだってできる。

ここまで考えさせてくれる機会を与えてくれた夫には感謝です。

面白い発想は時に深刻な悩みも吹っ飛ばす勢いを持っているのだなぁとも思いました。

ニャン夫からは学ぶことがたくさん。




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