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カサンドラ症候群〜特に気をつけなければならないASDのタイプとは?

こんにちは精神科医のはぐりんです。
※この投稿は3分で読めます。ぜひ最後までご覧いただけたら嬉しいです。

今回はカサンドラ症候群が高じてモラハラに発展するケース、つまり一緒にいて共感性が得られないばかりか、さらに嫌がらせや攻撃性にまで至る場合について、一体どういったタイプのASDが問題となるのかをお伝えしていこうと思います。

そもそもカサンドラ症候群とは、ご存知ない方のために簡単に説明すると、自身のパートナーがASD(発達障害)で、一緒に生活していても共感性を得られず、自身が心身を病んでしまう状態のことをカサンドラ症候群と言います。

女性側が不調をきたす事が多く、理由としてはそもそもASDは男性が4倍多いこと、共働き世帯でも未だに家事などの負担は女性の方が多いこと、などが挙げられます。過去の投稿でも詳しく触れているのでよろしければそちらも覗いてみてください。

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ここからが本題です。ASDには5つのタイプがあります。積極奇異型、受動型、孤立型、尊大型、大仰型の5つです。各タイプの詳細はインターネットにも載っているので今回は割愛させていただきます。

各タイプそれぞれにみなさんがこれまでの人生で会ってきた人の中に必ず似たような人がいると思うので、その人を思い浮かべればどういったタイプかイメージしやすいと思います

このうちモラハラになりやすいタイプはズバリ尊大型ASDの人たちです。尊大型ASDとは、積極奇異型ASDに自己愛性パーソナリティ障害(NPD)が併存している方たちを指します。

つまり相手お構いなしで自分の話したい事をずっと話すだけでなく(積極奇異型ASDの特徴)、自己主張が強くそれを相手に押し付けてくるという(NPDの特徴)、まさにモラハラの典型的なタイプと言えるでしょう

この自己愛性パーソナリティが合併したASDというのが本当に厄介でして、、下手に関わって怒らせたりすると面倒ですからこれまでの人生でも周囲から腫れ物扱いされてきた方も多く、そうすると増々自分が正しいという思い込みが強くなり、その割に他人から批判される事にめっぽう弱く、落ち込んだり取り乱したりしやすいです

対処法は、非常に難しいとしか言いようがありませんが、真っ向から主張を1対1でぶつけ合うのだけは避けたいところです。それとこれまでの私のカサンドラの投稿でも述べてきましたが、どちらかを責めるということなく夫婦の問題として向き合い認識し、その過程で夫にASD+NPDであるということを第三者を介して自覚してもらうことがスタートになるかと思います

私も受動型のグレーゾーンなのですが、経験上受動型ASDは尊大型ASDの方のターゲットになりやすいです。受動型に限らず、周りから影響されたり流されたりしやすいなという方は、そういった自身の特性も把握した上で(まだ深い関係性になる前であれば)あらかじめ距離をとっておくのも対策として有効かと思います。

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