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自分に合った主治医の選び方

こんにちは、精神科医のはぐりんです。精神科医のリアルな日常とホンネをお届けしています。
※3分で読めます。

精神科にかかる場合、主治医がどんな医師なのかは非常に重要です。内科や外科のように知識や技術ももちろんですが、加えて「相性」の問題があるからです。

外見や話し方、雰囲気などは大事な要素です。緊張していては話したいことも話せないですし、合わないと思っている医師の話は入ってきません。

年齢、性別、既婚か未婚か、子供がいるか、ASDかどうか、ここらあたりも主治医を選ぶ際にポイントになるかと思います。

年齢に関して、例えば高齢の患者さんの中には2.30も年の離れた精神科医の話など入らない方もいます。共通の話題もないし、価値観プライドの問題もあります。その逆も然りで、若い方の話についていけない高齢の精神科医も多いです。

なるべく自身の境遇やライフステージに近いという意味では、既婚か未婚か、子供がいるかどうかも気になるところです。例えば主治医が既婚者であれば夫婦間の問題や子育ての苦労などを身を持って体験している分伝わりやすいですし、問題点なども的確に把握できます。

医師の性別も人によっては大事な要素です。特に男性恐怖症の女性患者さんはできれば女性医師が望ましいでしょう(一方でやむを得ず男性医師が担当することになり、結果的に徐々に男性に慣れていく方も中にはいます)。

他にも同性でなければ共感できないことも少なくなく、万が一個人的な感情(好意)を抱かないよう、できれば同性の医師が望ましいでしょう。

ASD特性があるかどうかも、実はかなり重要な要素です。ASD特性がある医師は当たり外れが大きく、例えばあまり感情を表に出さず淡々と診察を進めるタイプの医師、積極奇異型ASDのように熱く自分の信念を語るタイプの医師、どちらのタイプの医師も合う合わないはあるかと思います。

そういった意味では定型発達の医師が無難でしょう。文字通り偏らず、問題を普遍的な視点で捉えてくれます。ただそれにも相性はあるかと思います。

一つジレンマがあります。途中から薄々気づかれている方もいるかとは思いますが、現状のシステムでは自分に合った医師を探せない、選べないことの方が多いです。

精神科医の情報は他科と比べてもネット等を調べても少なく、病院のHPを覗いても担当医の名前すら載せていないところも多いです。載っていたとしてもせいぜい資格の有無くらいです(資格は重要)。口コミも精神科の場合はあてになりません。

精神科という人対人言葉や心を通わせるという性質上、診察する医師がどういった人なのか、システム上もう少し知るすべがあってもいいのかなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。







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