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7. 暗黙の了解と粗探し型/渡り介護士の見る景色

介護士内の〝暗黙の了解〟として、人によってやり方が違う事は理解している。
しかし誰がどんなやり方でやっているかは、それぞれあまり理解していない。
触れてはいけない禁断のタブーという訳ではないが、表向きはみんな段取り通りやっている体でいるから、あまりそこに触れない。

トラブルなく利用者の不満もなく終わっていれば「ちゃんとやるべき仕事は終わってます。」って事になっている訳だ。

あらゆる性格の介護士が同じ現場で働くから、「あの人と仕事すると遅いから嫌だ。」とか「あの人、仕事早いけど雑だからなぁ。」とか文句はいろいろある。
それでもその〝暗黙の了解〟の中で多すぎる仕事を何とか終わらせている。

正直これ以上、仕事が無駄に増えない方がいい、さらに慌ただしく雑になっていくからだ。

しかし、介護施設には、在職期間だけ長いが、役職もなく平社員で、特に信頼できるような仕事ぶりでもないにも関わらず、指示とダメ出しだけ立派に出してくる何か変わった介護士が存在しがちである。それが〝粗探し型〟の介護士だ。

このタイプは道徳的なものや教科書的なもの、自分の正義を振りかざし、不満があればその自分の正義を根拠に強気で攻撃してくる。
よく言えばちゃんとしてるのだが、この〝暗黙の了解〟との相性は最悪なのだ。

特に新人に強気だったりして、それぞれやり方の違う先輩介護士から色々な指導を受けて、それを新人介護士が実行していると、
「そんなやり方するの?」とか「誰に教わったの?」とツッコミが入り、訂正されたり怒られたりして混乱する事も少なくない。

そこで訂正される仕事術はあまり効率的でない場合が多いのだが、やらないとうるさい為、「今日は粗探さんいるからアレはやっといた。」と、普段と別の結果を用意しなくてはならない。これはとても介護士あるあるな話である。

また〝粗探し型〟は誰かの小さなミスを見つけると「これやったの誰⁉︎」と大袈裟に犯人探しをして本人に直接注意しがちである。
これは〝ちゃんと気をつけてもらおう〟と言うより、ミスを自分が見つけたと誇らしい気持ちと、そのミスをした相手にマウントを取りたいと言う気持ちからの行動だと感じられる。

また次回発生しない為にこうするべきだとルールをどんどん作り、現場を更に複雑化させる。
本人は仕事した気になっているが、現場の仲間から嫌がられている事も多く、あまり一緒に仕事したくないと思われがちである。

〝粗探し型〟の介護士が多い施設は新人介護士がそれを原因にすぐに辞めてしまうイメージがある。

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