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住宅ローン、金利上昇にどう備える?

最近、日本銀行のマイナス金利解除の報道をよく目にするようになってきました。日経平均株価も過去最高値を更新し、大手企業の賃上げもされつつあります。一方、日本の企業の99.7%を占める中小企業は賃上げにはまだまだ厳しい状況です。
物価高の今、賃上げをされずに金利を上げられてしまったら、変動金利を組んでいる70%もの人を苦しめる事になってしまいます。
この状況からの利上げはまだしばらくはないと言われていますが、日本銀行がどのタイミングで利上げをするのかは分かりません。
また、いつ金利が上がってもいいように準備をしておく必要はあるかと思います。今回は自分も住宅ローンを組んだいる身として何が出来るのか、考えてみました。



1.借り換えをする

私が思う借り換えには2パターンあります。
1つは固定金利に借り換え。もう1つは更に金利が低い銀行への借り換えです。
固定金利に借り換えれば、いつ金利が上昇するのか、何%金利が上がるのかと言うストレスからは免れます。
その反面、固定金利に借り換えれば間違いなく今よりかは金利が高くなり、結果ローン残高は増えてしまいます。その為、まだローン残高が多い方は、慎重に検討する必要があります。
逆にローン残高が少ない方は、金利が多少上がっても、元金が少ないので利息分は僅かで済むはずです。

銀行を変える場合は下記3つが目安となります。
金利差0.5%以上
ローン残高1,000千万円以上
ローン期間10年以上
今既に低金利で借りている場合、0.5%以上の金利差がある銀行を探すのは難しいと思いますので、他の手段を考えた方が良いでしょう。もし借り換えが可能な場合には、事務手数料が数十万円単位でかかりますので、それも含めて要検討が必要です。


2.投資を始める

今年から新NISAが始まり、今は投資をしやすい環境にあります。もし、余剰資金があるのなら少しでも早く始めた方が賢明です。
この新NISA、最速で1,800万円投資するには?と言うワードをよく見かけます。これは初期投資額が多い程、それに対しての利益額が多くなる可能性が高いからです。
例えば100万円と1,000万円を同じ利回り3%で運用した場合、どちらが1年後運用益が多くなるでしょうか?
例え利回り3%でも1,000万円の方が利益額は多くなりますし、それを長期で運用出来たら複利効果が高くなり、早期リタイアも夢ではありません。

しかし、最初にお伝えした通り、投資に絶対はないので余剰資金で運用する事が基本です。
ローン返済分を全額投資に回すと言う考えもありますが、何千万円もの借金を抱えながら更に投資をするのは、かなりリスクを背負う事になりますので、冷静に判断する必要はあります。


3.貯蓄をしておく

日本人は貯蓄が好きと言われ、銀行に預けていても増えない今、貯蓄から投資と言う流れになりつつあります。少子化で今後の経済成長が危ぶまれる日本より、経済成長の高い外国へ目を向けた方が良いのは当然の考えです。
しかし、それと同時にいつ利上げが起きても対応出来るように、日本円での備えも重要だと考えます。株式や為替にはリスクが付きものですので、リスクを分散する意味でも日本円での貯蓄は大切だと考えます。特に子育て世帯は教育費がかかりますので、必要な時に必要なお金がない!と言う事にならないように注意は必要です。

また、少々矛盾しますが、リスクを分散すると言う意味では外貨預金や一時払いの外貨建て保険も長期で運用出来る時間がある場合は良いです。
どちらも為替リスクはありますが、今高金利の米ドルに預金しておけば、数年から数十年後には外貨は増えています。
特に一時払いの外貨建て保険は契約時に金利が確定され、外国債券で運用される為、リターンは少ないですがリスクも低いです。
但し、外貨預金も外貨建て保険も為替手数料が通貨を交換する度にかかります。また、外貨定期預金はおすすめしません。満期日が決まっている為、その時に円高になっていた場合、元本割れしてしまうリスクが高いです。特に短期外貨定期預金は金利だけに目を奪われないように要注意です。


4.繰上げ返済をする

低金利の時代に繰上げ返済はするな!と言うメッセージは多いですが、金利が上昇しても返済に負担がない方であれば良いでしょう。実際に残債や残りの借り入れ期間によっては、毎月の返済額はそんなに変わらないかもしれません。逆に少しの利上げでも負担が増えてしまう方もいるでしょう。
日本はアメリカのような金利の上げ方ではなく、徐々に上げて行くと予想されていますが、例え0.1%の金利上昇でも数十万円の利息が増えてしまう方は多いことと思います。そこで効果的なのが繰上げ返済です。

1.期間短縮型
繰上げ返済の一つ期間短縮型は、元金の返済と共にその返済額分、返済期間を短くする方法です。
毎月の返済額は変わりませんが、利息額は借入額に金利と返済期間が掛けられていますので、返済期間を短くする事で利息軽減効果は高くなります。

2.返済額軽減型
こちらは繰り上げ返済分を毎月の返済額から軽減してくれる返済方法です。返済期間は変わりませんので、期間短縮型ほど利息軽減効果はないですが、毎月の返済額が減る分、金利が上昇しても家計への負担は少なく済みます。


5年ルールと125%ルール

変動金利には、銀行によって5年ルールと125%ルールというのがあります。
5年ルールは5年間は返済額を変更しないと言うルールです。仮に月の返済額が100,000円だった場合、この100,000円が5年間維持されます。

125%ルールは金利が上昇しても返済額を最大1.25倍までにしますよと言うものになります。
例えば100,000円毎月返済していた場合、125,000円が返済額の最大値になります。

2つのルールはいずれも金利が上昇した際の一時的措置になります。5年ルールは5年間返済額は変わりませんが、その間返済額の元金の割合が減り、利息が増えます。
6年目以降は返済額は増えてしまいますので、金利が上昇する前に返済額軽減型で繰り上げ返済をしておくのも1つの考えです。


最後に
物価高で家計に余裕のある家庭は少ないと思いますが、何らかの形でお金を準備しておくと言うのは少なからず必要だと思います。
今年は6月以降、定額減税もありますし、いつどこで何が起きるか分からない時代です。今回は住宅ローンがテーマでしたが、お金に限らず今日と言う日をきっかけに、改めて備えると言う事について考えていただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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