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給与から引かれるお金

今年も早いもので3月になり、来月からは新年度の始まりです。新社会人になる方もおられると思いますので、今回はお給料についてお話ししていきたいと思います。
タイトルが引かれるお金と言う事で、少々マイナスのイメージに捉えられるかもしれませんが、このお金を知る事で手取り額がなぜ増えたり減ったりするのか、そして税金の仕組みが分かるようになると思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。



1.所得税

年収103万円以上の場合に納めないといけないのが所得税です。
所得税は道路の整備や医療・介護などの社会保障費、普段何気なく使っている水道の整備などに使われている国の財源になります。
所得税は累進課税制度によって、下記表の通り、収入が上がるにつれ課せられる税率が上がっていきます。その為、収入が増えても納める所得税額も増えるので、そのまま手取り額に反映される訳ではありません。

その反面、後程お話しする控除と言う制度を使う事で、納める所得税額を減らし、手取り額を増やす事が出来ます。
毎月所得税は給与から天引きされていますが、正式な所得税額は1年間の収入が決定しないと計算出来ない為、年末調整で最終的に計算し、納めた税金が多かった場合には還付されるようになっています。

国税庁ホームページより引用


2.住民税

所得税が国に納付する税金に対し、住んでいる自治体に納める税金が住民税となります。
税金の使い道は、医療や福祉関係、子育てや教育に力を入れている所が多いですが、自治体によって異なりますので、詳しくはお住まいの自治体ホームページをご覧下さい。政策内容を知る事で、選挙で誰に投票するかの指標にもなります。

住民税は所得割と均等割の2つから成り立っており、所得割は10%、均等割は自治体によって異なりますが、5,000円となっている所が多いです。
会社員の場合、特別徴収と言って給与から天引きになり、新社会人は2年目の6月から引かれる事になります。これは住民税は、前年1年間の収入を元に翌年6月から翌々年の5月にかけて徴収される為です。
なお、収入が多い会社を退職した場合には、翌年にその分の住民税を納付する事になりますので、気をつけましょう!


3.健康保険料

病気やケガで医療機関を受診する際に必要な健康保険。この保険に加入している事で医療費を3割の負担で済む事が出来ます。
保険料は会社と折半で、家族に扶養の条件を満たす人がいれば、その家族も同じ健康保険に加入する事が出来ます。(国民健康保険の場合は、扶養と言う制度はありません。世帯全員の収入を元に保険料が計算され、世帯主にその保険料の支払い通知が来ます。)

保険料は4月から6月までの標準報酬月額をもとに計算され、その年の9月から翌年8月まで支払うことになります。その為、その期間に残業や業績給が多かったりすると、9月以降の保険料が上がってしまうことがあります。決定された保険料は翌年8月までは変更される事はありません。

標準報酬月額とは
基本給を始め、各種手当を含めた報酬額3ヶ月分を合計し、3で割った平均額を示します。
その金額を保険料表に当てはめれば、等級と支払う健康保険料、厚生年金保険料が分かります。

例外として2等級以上標準報酬月額が減り、その状態が3ヶ月以上続いる場合には保険料は改定され下がります。その逆で標準報酬月額が増えた場合には保険料は上がります。
下記表は令和5年の東京都の保険料一覧になりますのでご参考になさってください。なお、保険料率は加入している保険組合、都道府県によって異なりますので、保険証に記載の保険組合ホームページでご確認ください。


4.厚生年金保険料

年金には老齢年金、遺族年金、障害年金の3つがあります。それぞれ老後の生活費、自分に万が一の事があった場合に家族へ残すお金、障害状態になった時の生活費として支給されます。
年金には国民年金と厚生年金の2つがあり、会社員はこのどちらにも加入している為、自営業者の方よりも手厚い保障が受けられます。

保険料は健康保険と一緒で標準報酬月額を元に算出され、社会保険料として会社と折半で支払う事になっています。
収入が上がればこの厚生年金保険料も上がりますが、受け取れる年金額も上がりますので、マイナスの事ばかりではありません。
但し、支払った保険料がそのまま年金額に充当される訳ではないので、不足分は自分で備える必要があります。
また、配偶者を扶養に入れた場合、健康保険は保険加入者と同じ待遇を受けられますが、年金に関しては国民年金のみの加入になり、配偶者も厚生年金に加入している訳ではありませんので、お気をつけ下さい。


5.雇用保険料

雇用保険は、失業した時の生活費や再就職の為の援助を行う保険となります。
おおよそ支給されていた給与の6割から7割程度の金額が支給される事になり、退職した理由が自己都合であれば約3ヶ月後、会社都合であれば約1ヶ月後からの受給開始となります。
受給期間は加入期間によって異なり、加入期間が長ければ長い程、受給期間も長くなります。
但し、雇用保険の給付はあくまでも働く意思があるのが前提となります。
保険料は会社と一緒に社会保険料として負担しますが、負担額は会社の方が多くなっています。


6.介護保険料

介護保険は、自分が介護状態になったときに、介護サービスを一定の金額で受けられる制度となります。介護状態は要支援1から要介護5まで区分されており、その介護状態によって受けられるサービスが異なってきます。

保険料は社会保険料として給与から40歳以降、64歳まで天引きされるようになりますが、特定の疾患がない限り、介護サービスが受けられるは65歳からとなります。


7.控除と税金

健康保険や厚生年金などの社会保険料を安くするには、4月から6月の収入を低く抑えるしかありません。それに対し所得税や住民税は、様々な控除を使うことで減税することができ、それによって手取り金額を増やすことができます。
控除には15種類の所得控除と住宅ローン控除等の税額控除があります。

税金の計算はまず収入から給与所得控除が収入に応じて差し引かれます。(下記表参照)
次に所得控除が所得税では48万円、住民税では43万円が基礎控除として差し引かれます。
その後に該当する控除があれば、年末調整で申請することで条件にあった金額が差し引かれます。
この控除された金額から収入に応じた税率がかけられ税金額が決まります。ですので、控除額が多い程、課税される所得は少なくなり、手取り額を多く受け取る事が出来ます。

国税庁ホームページより引用

代表的な控除
下記は年末調整時に申請できる、よくある控除の一部例です。対象者や収入などにより異なりますので、詳しくは以前書いた記事をご覧下さい。

・社会保険料控除
 1年間支払った健康保険や厚生年金などの社会保
 険料全額を控除します。
・配偶者控除と配偶者特別控除
 配偶者の年収が103万円以下の場合38万円控除
 103万円以上201万円以下の場合段階的に控除
・扶養控除
 16歳以上で年収103万円以下の扶養家族がいる
 場合、1人につき38万円控除
・生命保険料控除
 一般、介護、年金の各保険毎に最大4万円控除
・iDeCo
 掛け金全額が控除

上記以外にもふるさと納税や住宅ローン控除があります。
ふるさと納税は寄付金額から2,000円を差し引いた金額が税金から差し引かれます。
会社員の場合、ワンストップ特例制度が使えるので、簡単な手続き1つで住民税から自動的に控除してくれます。

住宅ローン控除は、年末時点でのローン残高に対し、0.7%分を所得税から控除し、引ききれなかった分は、住民税から控除してくれます。
例えばローン残高20,000,000円の場合
20,000,000×0.7%=140,000円
この金額以内の所得税額は年末調整時に還付され、引き切れなかった分は翌年6月からの住民税から差し引かれます。(限度額あり)

医療費控除だけは1月1日から12月31日までの医療費が対象となる為、年末調整ではなく確定申告での申請になります。
所得が200万円以上の場合、1年間支払った医療費から10万円を差し引いた金額を最大200万円まで控除してくれます。


まとめ
・社会保険料
    4月から6月までの収入を元に、9月から翌年8月
    までの保険料が決定される
・住民税
 前年の収入を元に翌年6月から翌々年5月までの
 住民税に適用される。
・ふるさと納税、iDeCo、社会保険料、生命保険
 医療費はその年に支払った分が対象になり、同
 年の年末調整時に還付又は翌年6月以降の住民税
 に反映される。
・住宅ローン控除
 年末時点でのローン残高に対し、0.7%分の所得
 税が控除され、引き切れなかった分は翌年6月以
 降の住民税から差し引かれる。

以上、引かれるお金についてお話しさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
新社会人の方には対象になる話が少なかったと思いますが、今後の参考にしていただければ嬉しいです。また、手取り額だけを見るのではなく、活用出来る制度は活用し、ご自分の給与に損がないように給与明細を見る癖をつけていただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 


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