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繰上げ返済する?しない?どっち

住宅ローンの繰上げ返済の話題はよくある話ですが、私自身今まさにするべきかどうか悩んでいる所です。なので今回はこのテーマにさせていただきました。
繰上げ返済しない方がいい派、した方がいい派と分かれますが、私はどちらをを選ぶかは各家庭次第だと思っております。
なぜなら、世帯収入や家族構成、預貯金の有無、ライフプランなどは各家庭により様々だからです。
また、借入金額や借入期間、金利の高低も各家庭によって異なってきますので、一概に繰上げ返済が良い悪いと判断するのは難しい事と思います。
なので、ここから先は収集した情報に、私の意見を交えながらお伝えして参りたいと思います。判断材料の一つに使っていただければ幸いです。



繰上げ返済しない方がいい理由

繰上げ返済をしない方がいい!と言う理由には主に下記の4つがあげられます。

1.手元の資金が減る
2.金利が低い
3.団体信用生命保険の効果がなくなる
4.投資に回した方が良い


1.手元の資金が減る

繰上げ返済はまとまったお金を返済に充てる為、手元の資金が一気に無くなってしまいます。その為、子供の教育費や万が一病気やケガで働けなくなった時に対応が出来なくなってしまう可能性があります。
これは住宅ローンを組む際に、頭金を入れる時も同じですが、その後の生活の事を考えておく必要があります。借入金額が少ない方が支払う利息額も少なく済みますので、少しでも返済額を減らしたい!と言う思いがあるのは当然です。

ですが、長い人生何が起こるか分かりません。
子供の教育費がかかる時期はもちろん、ガンなどの病気やケガ、リストラや会社の倒産など、考えたらきりがないですが、それらを踏まえてこれまで蓄えてきたお金を繰上げ返済に充てても大丈夫なのか、よく考える必要はあります。
逆に教育費の準備をしっかりされており、病気に対しても保険や預貯金があり、万が一何かあっても生活費が半年から一年程あるのであれば、検討材料の一つとして、考えてみるのは良いのではないでしょうか。


2.金利が低い

1で問題がなければ繰上げ返済を考えてみては?とお伝えしましたが、もう一つの検討材料として、金利が低いと言うのがあります。今は金利が1%以下で低いと言われていますが、下は0.3%台から上は0.9%台と様々です。いずれにしても昔と比べるとかなり低金利です。

例えば3,000万円を金利3%で35年間借り入れていた場合、利息額は約1,800万円になります。
これを同じ条件で0.3%で借り入れた場合の利息額は約160万円程となります。

これは単純計算ではありますが、同じ借入れ額でも金利によって大きく違う事がお分かりいただけたと思います。
また、金利が低い程利息額も少ないので、無理に返済しなくても良いと言われています。ですが、問題はこの低金利の支払いに無理がないかです。
そもそも低金利とは言え、借入れ額を名一杯し、毎月の返済が厳しいと言うのであれば繰上げ返済を検討せざるを得ないでしょう。
逆に余裕のある返済計画を立てられているのであれば、月々に掛かる利息額は僅かですし、団体信用保険の件からも無理に繰上げ返済する必要はないと思われます。

後は金利が上昇した場合にどう対応するかです。
元々低金利且つ、資金に余裕がある方は多少金利が上がっても影響を抑える事が出来ると思います。また、借入れ額が少額、又は借入れ期間があと僅かな場合も元金が少ないので、金利が上昇しても受ける利息額は少ないかと思います。
問題は先程お伝えした通り、名一杯借り入れてしまっている方は要注意が必要です。


3.団体信用生命保険の効果がなくなる

最近ではネット銀行を中心に充実した保険を備えている銀行が増えています。一般的な団信保険は契約者が死亡又は高度障害になった時に、ローン残債を保険会社が変わりに銀行へ支払ってくれます。
それに対し最近の主流は、ガンや3代疾病、8大疾病など様々な症状に対応し、ローン返済の負担を更に軽減してくれる充実ぶりです。これらの保険はネット銀行は無料、実店舗は金利上乗せと言うタイプが多いですが、ローンの審査に加え、健康状態も関係してきますので審査は厳しいように窺えます。

そんなやっとの思いで通った保険ですが、残債を返済してしまいますと保険金も軽減されてしまいます。それは保険金は住宅ローンの残債に充当されるようになっているからです。仮に一括返済した後に契約者が亡くなった場合には保険金は一切おりません。
また、同じ保険金を民間の保険会社で加入した場合には、割高となる為、団信保険はコストパフォーマンスの面でも優れています。その為、繰上げ返済することで保障が無くなってしまうのは勿体ない一面もあります。

但し、既に民間の保険会社に加入をしており、保障が重複している場合には、余分に保険料を支払う事にもなりますので、加入時には注意が必要です。
その反面、団信保険はあくまでも住宅ローン返済分を保険会社が代わりに銀行へ支払う仕組みです。その為、対象の病気にかかった場合には、別途治療費は必要となってきます。そう言った意味では契約者の収入が減少した分、保険や貯金が必要となってくる事は頭に入れておいた方が良いでしょう。また、保険対象の事由は保険会社により異なりますので、加入前によく確認が必要です。


4.投資に回した方が良い

この何年もの間低金利が続き、収入も横ばいの為投資への注目は高まる一方です。住宅ローンの分野でも金利1%以下が続いている為、それ以上の運用効果が見込めるなら運用に回した方が良いと言われています。
2024年からはNISAも見直され、生涯投資枠は1,800万円と拡大されます。出来るだけ早く多くの資金を投資に充て、長期運用を出来れば、お金が大きく育つ可能性は高まります。そして、資産を減らさずに得た運用益でローンを完済する事も可能となっていきます。

その反面、投資にはリスクはつきものです。確かに長期・分散・積立をしていればリスクも少なく資産を増やす可能性は高まるかもしれません。
しかし、経済の動きは上がったり下がったりしながら進んでいます。もしお金が必要な時期に経済が落ち込んでしまったら、積み立てしてきた資産は目減りしてしまいます。場合によっては何百万、何千万と損失するかもしれません。

目減りした場合、経済が回復するまでどれだけの時間がかかるかは誰にも分かりません。その間、家計はやり繰り出来るのか、万が一に備えてどこまでならリスクを背負っても大丈夫なのか、メリットだけに目を向けず、リスクを考える事は重要です。
投資はそう言った事を踏まえ、余剰資金で行う事が基本とされています。

また、今は低金利の為、運用した方が効果は高いと言えますが、金利が上昇した場合には逆転する場合もあり得ます。常に住宅ローンの金利と、運用率を見ておくことは必要になってくるでしょう。


繰上げ返済した方がいい理由

繰上げ返済をした方がいい!と言う理由には主に下記の4つがあげられます。

1.借入れ残高を減らせる
2.家計に余裕が生まれる
3.金利上昇に対応できる
4.老後の不安材料が減る

1.借入れ残高を減らせる

繰上げ返済のメリットと言えば、投資とは違い、現在の借入れ残高を減らせる事です。先程お伝えしたように手元の資金は無くなってしまいますが返済額は元金に充当される為、早いうちに返済すればする程、利息の軽減額は多くなります。

住宅ローンは借入れ額と金利、借入れ期間で成り立っていますので、このいずれかを縮小させる事が出来れば総返済額を減らす事ができます。
繰上げ返済はその一つで借入れ額を縮小させる方法です。

繰上げ返済をする際、期間短縮型を選択すれば、借入れ期間を短くした分だけ利息額は減り、返済を早く終わらせる事ができます。
但し、住宅ローン控除の対象期間中は注意が必要です。
住宅ローン控除は、年末時点での借入れ残高に対し、1%又は0.7%の控除が適用となります。
これにより所得税の還付や住民税の控除に繋がりますので、繰上げ返済した事で残高が減り、住宅ローン控除のメリットを受けられなくならないように気をつけましょう。


2.家計に余裕が生まれる

先程、繰上げ返済をする際、期間短縮型のお話をしましたが、返済額軽減型を選択する事も出来ます。名前の通り毎月の返済額を減らす事が出来ますので、家計に余裕を持たす事が出来ます。
特に子供の教育費がかかる時期は、支出が嵩む為
住居費を軽減する事で家計を助ける事が出来ます。

また、住宅ローンにばかり目がいきがちですが、修繕費用も忘れてはいけません。最近は原材料や人件費の高騰で、当初予定したいた修繕費用より高くなる傾向にあります。マンションの場合は、修繕費は毎年少しずつ増額される段階増額積立方式と言うのが用いられる事が多いようですが、更に値上がりする可能性もありますので、それも考慮して返済額を考えなければなりません。


3.金利上昇に対応できる

住宅ローンを変動金利で組んでいる家庭は約70%と言われています。低金利の時代に変動金利は安く住宅を購入でき、魅力的ではありますが、金利上昇の不安は常に付きまといます。
その金利上昇対策の一つとして、繰上げ返済があげられます。なぜなら金利は元金に掛けられますので、元金を減らす事で金利上昇分の利息を抑えられるからです。

その際、利息軽減効果は期間短縮型の方が大きいですが、変動金利で組まれている方は返済額軽減型も選択肢の一つとなります。
変動金利の場合、5年間は返済額を変更しませんと言うルールがありますが、これは5年の間だけで、6年目以降は金利が上昇した分返済額は増額します。また、5年の間返済額は変わりませんが、利息の割合が増える為、元金の返済ペースが遅くなってしまいます。

しかし、金利が上昇する前に返済額軽減型で繰上げ返済が出来れば、上昇する前に返済額を軽減していますので、6年目以降返済額が増額しても負担を減らす事が出来ます。
先程の教育費、修繕費と共に家計全体の支出を見ながら判断されると良いでしょう。


4.老後の不安材料が減る

住宅ローンは80歳まで組める銀行もあるようですが、年金の支給が開始される65歳までに完済したいと考える方は多いのではないでしょうか?
最近では団信保険も充実しており、定年後にガンなどの病気にかかったとしても負担を軽減してくれる安心材料となっています。

とは言え、定年後は収入は減少しますし、病気や介護などのリスクは高まり、費用も嵩みますので出来れば現役で働いている内に完済したいものです。
そう言った場合には、やはり繰上げ返済は有効な手段で、老後まで借金を持って行かずに済むのは精神的に落ち着くのではないでしょうか?

但し、退職金で一括返済と言うのは考えものです。月々の返済にゆとりがあり、団信保険が充実しているのなら、無理に返済をする必要もないと感じます。
極端な話し、退職金で一括返済した後に契約者が亡くなってしまった場合、団信保険はおりません。こう言った事から、もしゆとりがあるのなら相続税の関係もありますが、退職金は家族の為に取っておいた方が良いと思われます。ご自身が頑張ってきたお金でもあるので、老後の生活に使っても良いのではないでしょうか。


最後に
長くなりましたが、結局繰上げ返済をするかしないかは、その時の経済の動きと家庭の状況によると思います。また、投資も資産に余裕があるのなら、これからの時代はした方が良いに越した事はありません。
どの選択肢を選んだとしても、メリット・デメリットはありますので、内容を理解した上で決断を下す事が重要だと思います。少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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