【インスタントフィクション】 使いたい栞 

本に挟む栞は、様々なものがある。

個人的なおすすめは、紙でできたしおりならなんでも。
紙以外は、やわらかく作られていないものが多く、紙を傷つけて破ってしまうことがある。
そういう紙以外の栞は飾って楽しむしかないだろう。

「だから、本の中に入っている広告用紙は紙が多いのだよ」
「ときどきオマケで入っているプラスチックでできた栞とかは?」
「あれは意外と柔らかいから大丈夫」
「さっきと言っていること違うね」
「まあ、しおりなんて使えればなんでもいいし、本を開いて下に向ければ、どこまで読んでるかわかるしね」
「それは本がかわいそうじゃない?」
「きみは人生において、本が優先されなかった時を生きておらぬのだな」
「厳かに馬鹿にするなって」
「だから、本好きにしおりを送るときは、紙でなければならんのだ」
「そのプラ板でできた栞を使っているのはどうして?」
「妹がつくってくれたから使う」

厚みがあろうと、丁寧に本に挟めばいいのだ。