学生作家志望

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卒業式

卒業式当日、昨日までのあの楽しい感じは流石にもうなくなったのかな。そう思って教室に入ったが、むしろみんないつもより楽しそうだった。お互いにアルバムに寄せ書きを書いたり、写真を見たり。 いつも何も書いていない緑色の黒板は、先生によって読めきれないくらいのメッセージで真っ白になっていた。 思えば、先生はずっと嫌われっきりだったな。入学式の日も最初に先生が教室に入ってきた時も、隣の席の人が友達とこっそり 「この先生、ハズレだわ」なんてことを言ってた。それを証明するように先生の

    • 絶対的自信がない僕

      漫画には、よくいるんだよ。なんでもできる奴。完璧人間、化け物が。 誰もが一度はそういうやつを見て思うはず。こいつみたいになりてえ!って。 多分それは憧れであって、自分のなりたいものの完成系だと思うんだ。 僕の学校にも1人だけいた。そういう、なんでもできるやつが。 初めてのことをまるで経験者のように完璧にこなす姿は、まさに僕の理想そのものだった。 それは、かっこよさ故の理想ではなく天才になりたいという思い故の理想。 僕はあの子と違って何もできない。テストの点数なんて余裕

      • 父の苦労を知った日

        いってきまーす! いってきます! 前までずっと、これだったのに、今はどうして、何も言わなくなってしまったんだろう。いいや?考えるべきはなぜ言う意味が無くなったか。である。 私の母親は、私を産んだ時に亡くなってしまった。必然的に、私の子育ての負担は全て父親にかかってしまった。 私は中学生になって、父親に対して初めて申し訳ないと思った。父親は辛そうな顔なんて微塵も見せなかったから…私は気付けなかった。 てっきり、父親は幸せだと思ってた。だって、「いってらっしゃい」の声も

        • 大人になりたくないなぁ

          大人に聞いたことがある。ある少年が、警察官を目指したらしい。だけど、結局その人は気付いたらサラリーマンになって電車に乗ってた。 ある少女がパティシエを目指したらしい。でもその人は結局、サラリーマンになって電車に乗ってた 学校の授業で先生が言ってた。 「今働いてと言われたら働けますか?」 僕も横にいた友達も「絶対に無理」と即答した だから僕は高校に行く、先生みたいに働くには、まだ時間が必要だから───── そうじゃない、僕はただ大人になりたくないだけ。自覚したくない

          疎遠

          これからの人生…いろんな出会いがあると思う。大親友が出来たり、恋愛だってするかも…そして、ただの友達も。 出会いがあれば別れもある────── そんな言葉が書かれた歌とか文章は数えきれないほどある、実際に、出会いがあるからこそ別れがあるわけで、親しければ親しいほど別れが惜しくなるものなんだと思う。 でも、人間にはたまに…というか、よくあることかもしれないが、別れていないのに…同じ場所にいるにも関わらず、親しかった友達と話さなくなる。ということがある これを「疎遠」とい

          人と同じようにはなれない

          学生。つい最近、クラスで喧嘩が起こってしまって…1日中ピリピリとした空気になっていた。原因は、みんな疲れていたからじゃないかと友達と話していたんだけど、でも僕はそれだけじゃないと思って喧嘩を見ていた。 見ていると、お互いの性格がぶつかりあっているような感じがした。なんとなく混じってしまったらダメな気がする…そう思うことで、臆病な気持ちを騙していた。そんな時、隣にいた友達が僕に言った 「みんな〇〇くんのようにはなれないんだよ」 「こうやってなにも愚痴も吐かずにいられるのは

          人と同じようにはなれない