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産業保健師に求められるもの9選

 「産業保健師の仕事って何するの?」とよく聞かれますが、それくらい一般的には認知度が低い職業です。私も説明する時にどう伝えようかと悩みます。所属する会社や組織によって、求められるものが異なる部分もありますが、大枠は同じハズ。今回は産業保健師に求められるもの、役割について書いてみようと思います。

1.産業保健の専門知識

 基本的に産業保健師の仕事は法律に基づいたものが多いです。労働安全衛生法や労働基準法などの法令に関する深い理解が求められます。産業医学や労働安全衛生に関する専門的な知識も必要です。

2.コミュニケーション能力

 労働者や管理職、産業医との円滑なコミュニケーションが重要です。健康に関する様々な相談や保健指導などの教育活動を通じて、相手に情報をわかりやすく、しかも効果的に伝達できる能力が求められます。時には会社の重役への対応もあるので、ある程度、肝が据わっていることが必要です。

3.問題解決能力

 職場で発生する健康や安全に関する問題に対して迅速かつ効果的な解決策を見出す能力が求められます。基本的に一つの組織に在籍する産業保健師は少数であることが多いので、専門的な知見として産業医とともに問題解決をすることを求められています。

4.企画・提案力

 見出した課題の中から必要な労働者の健康促進プログラムや安全教育プログラムを企画・提案し、実施できるスキルが必要です。上司に「こういうことが課題となっているから、こういう取り組みが必要。そのためには予算がこれくらい必要で、その結果、こういうことが期待できます」と具体的なものが求められます。

5.柔軟性・適応力

 産業保健の対象は、全ての従業員です。様々な業種や職場環境に対応できる柔軟性が求められます。常にアンテナを張り、それぞれに異なる環境の違いや新しい法令への適応が必要です。

6.医学的な知識

 一般的な医学的知識や応急処置のスキルが求められます。ここは臨床経験の有無などでも大きく差が出る部分です。一般的な人からすれば産業医保健師は「よくわからないけど健康に関する人」と思われているので、医学的な質問や相談への対応は必至です。臨床経験がない場合は、BLSなどの応急処置などから押さえておくとよいでしょう。

7.法令コンプライアンス

 労働安全衛生法や健康保険法など、関連する法令に精通していることが求められます。全てを覚える必要はありませんが、取り組みの根拠となる法令や、ポイントとなる部分は知っておく必要があります。会社としても「法令違反」とならないよう、保健・衛生部門において期待されます。

8.協調性

 他の関連部署や機関との協力が必要な場面が多く、様々な立場の人を相手にすることになるので、協調性が重要です。ある程度の強引さが必要なこともありますが、基本的には皆がハッピーになれるよう調整していくことが必要です。

9・継続的に学習する

 健康や安全に関する新しい情報や技術は日々更新されrます。産業保健師は少数であることが多いため、内外からの情報を得られるよう様々な媒体を通して常にアンテナを張っていたり、産業医と継続的に情報交換したりする必要があります。

まとめ

 以上、産業保健師にもとめられるもの9選でした。これらの要素を備え、労働環境や従業員の健康を管理する能力、組織の一員として求められるものなど独自に求められるものもあります。


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