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揺れるミッキーマウスで泣けてくる

最近よく若者のリュックサックに、ディズニーランド等で購入したと思しきミッキーマウスの形の風船、をキーホルダーにしたものが揺れているのを目にします。

懐かしい。

東京ディズニーランドは
わたしとほぼ同い年です。

たしか、開園10周年にも満たないディズニーランドで、ミッキーマウスの耳が付いた帽子を被った小学生のわたしが、ミッキーマウスの形の風船を手にうっすら微笑んでいる…みたいな写真が、実家の居間の長押(なげし)に引き伸ばして飾られていたような。

当時は、入場券と乗り物のチケットは別売りだったような。

パレードで「一緒に踊ろう」みたいなコーナーがあって「行っておいでよ、写真撮ってあげるから」と母に背中を押されたものの「絶対に嫌だ!」と、散歩に行きたくない犬、みたいになっていたような。

長じてアルバイトなどするようになった頃、クラスメイトと連れだって初めて自分のお金で東京ディズニーランドに行ったとき

「あ、あの風船…」

と思って売り子に近付いて値段を見て、夢の国を存続させることの厳しさを悟った思い出もあります。

また、以前働いていた会社でうっかり、ミッキーマウスの「中の人」の身体能力の高さについて口にしたときは

「中の人なんていないもん!
 ミッキーはミッキーだもん!」

と真剣に怒る同僚を見て、正しい、間違っているなどと一概には言えない、価値観というのは人それぞれなのだと学びました。

そういえば「ジャングルクルーズ」だけは好きだった記憶があります。
水の中を、ボート状の乗り物で巡る旅。
ワニとか現地の人たち(のマネキン)に襲われそうになったりするやつ。

「あ、あぶなぁーーい!
 避けてくださぁい!早くッ!!」

みたいな乗組員の人のテンションに合わせることは到底出来ず、困り顔ではにかむ、くらいの反応が限界ではあったけれども。


生まれてこの方、シンデレラを始めとするディズニープリンセスに憧れたことも無いし、長らく関東圏に住んでいながら、ランドにもシーにも片手で数えられる程しか足を運んだことはありません。

すぐ乗り物酔いするし、高いところから落ちたり、お化け屋敷的なところで驚かされたりするのも好まないので、そもそもあまり遊園地というものに興味がない。

そんな、一見ディズニーに全然思い入れとか無さそうに生きてきたっぽいわたしでも、揺れるミッキーマウスを見て、忘れていた、けれどもうっすら記憶には残っていて、少しは心浮き立つ記憶もあったこと、学びを得たこともあるのを振り返るに至りました。

大人になるって、そういうことが少しずつ積み重なっていって、何見ても泣ける、みたいな状態になることなのかもしれません。
(違うかもしれません。)

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