見出し画像

ドラマの中に、わたしはいない

もしかしたらこの人は
と、期待することがあります。

1)結婚していて、仕事もしている
2)さして仕事に情熱を傾けていない
3)晩酌している

ドラマの登場人物として、1)は、もはや珍しくありません。

2)となると、ガクンと減ります。ドラマに出てくる人は、仕事にやりがいを持って働いている人が多い。

3)までくると、期待が高まります。
わたしは下戸ですが、お酒を飲むシーンをわざわざ入れるということは、妊娠を想定していない可能性が高いので。

でも、その人は言うのです。

「わたしだって子どもは欲しい」と。

***

わたしは結婚しています。
生育家族に居心地の良さを感じていなかったこともあり、人生を共にするパートナーを若い頃から渇望していました。

実家を出たかった。
家族を作りたかった。

でも、幾度か綴っていますが「子どもが欲しい」という気持ちはわたしに、ついぞ生じませんでした。
夫のことは、この世で一番好きだと確かに感じているのに。
その実感はわたしの場合「この人の子どもが欲しい」という感情と結びつきませんでした。

そう思えたらいいなと、心から願いましたけど。
でも、ないもんは、どこを捻っても出てきませんでした。

ないもんは、しょうがないですよね。

仕事したい人
しなくていいならしたくない人
世界のグルメを堪能したい人
コンビニ飯でいい人
本を読みたい人
活字なんて見たくもない人
旅に出たい人
ずっと家にいたい人

人生半分損してるよって言われても
元々ないもんは、しょうがない。

それらと並列して
子ども産みたい人
欲しいと思ったことない人

も存在する、
というだけのことなのだと思います。

以前「生理のおじさん」を見たら、なんだか泣けてきた話を書きました。

生理、とかナプキン、とかは忌むべき、慎むべき言葉として扱われ、小説やドラマなど物語の世界でも、病気や怪我やウィルス感染や風邪などは描かれるのに、生理やPMSは「ないもの」とされていました。

病気や怪我や風邪の人は出てくるのに、生理やPMSで体調が思わしくない人が登場しないのって、よく考えてみたら変なことだったんですよね。

ドラマに生理が(ほぼ)出てこないみたいに
子ども欲しくない人も(ほぼ)登場しない。

「ないもの」とされている。

でも、生理のおじさんはドラマ界に登場しました。
わたしは、いつドラマに登場するのでしょう。

仕事のやりがいも
昇進も昇格も
出産も子育ても
子どもの成長も
プランも目標も

何一つなくても毎日楽しくて
生きててよかったと思う既婚女性である
わたしは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?