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怯えていただけなんだよね

その場のみんなが人を褒めたたえているタイミングで「でも、あの人はこういうダメな部分がある」とわざわざ水を差す人がいます。

その人からは、人の悪口ばかりが次々に溢れてきますが、誰かを褒めているのを聞いたことがありません。

悪口しか言わないなんて、嫌な人だなと思っていました。
性格悪いな、どうしたらずっと悪口言っていられるんだろうと。

でもそれって、自信の無さの表れ、なのかもしれないなと気付きました。

怖いのだと思います。
自分の愚かさや無能さが白日の下に晒されてしまうことが。

自分で自分を認めていないから、他者を下げることでしか自分を上げることが出来ない。
ちぐはぐで、不器用な人なのだと思います。

わたしは、電車が遅延したときに駅員さんに突っかかっている人や、些細な相手のミスを鬼の首を取ったように騒ぎ立てている人を見るにつけ、その人の心の中にいる、怖くて震えている子どもが懸命に泣きわめいているのが見えるようになりました。

相手のことが怖くてしょうがないから、自分は強いのだと証明する為に大きな声で威嚇する。
自分が弱くて傷付きやすいことを認められないから、相手に殊更、横柄な態度を取る。

彼らはきっと、ナウシカに出会えていないキツネリスのテトなのですね。

「ほら、怖くない。」と言ってあげたい。

という気持ちが無いではないけれど、わたしは姫様じゃないしそこまでしてあげる義理も愛情もないから、黙っています。

そしてそっと離れます。
バイバイ、テト。

逆に、人を褒めることが出来る人というのは、正しく自信を持っている、且つ他者との境界線がしっかりある、ということなのでしょう。

あなたとわたしは違います。
違いがあるというだけで、どちらかが優れている、劣っているということではありません。
わたしはあなたがわたしと異なる部分が好き。
わたしはわたしがあなたと異なる部分が好き。
あなたも素敵だし、わたしも魅力的。
それだけのことですよね、と。

実際、ナウシカとユパ様と大ババ様は全然違うけど、それぞれ素敵です。
子どもの頃は意識していなかったけれど、キツネリスのように怯えているクシャナもまた、魅力的な人物だなと思うのです。

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