H. Obara@少年少女発明クラブ

情報通信会社の研究部門に約20年勤務。その後,大学に転職して教育と研究に約20年。現在…

H. Obara@少年少女発明クラブ

情報通信会社の研究部門に約20年勤務。その後,大学に転職して教育と研究に約20年。現在は少年少女発明クラブで小学生を指導するボランティア。主にクラブでの発明工作に関する記事を紹介するつもり。時々,駄句や駄エッセイなどもup。終活中につきスキ・コメント・フォローなどは無用です。

最近の記事

【2024発明工夫展への道】その2:従来製品のリサーチ (前半)

「車輪を再発明する(re-invent the wheel)」という技術用語がある。自分の知識不足のため既にある物を新しく考えることで,不要な作業とか時間の無駄という意味でも用いられる。 発明は新規性が必須であり,何かを新しく考える時は既存技術の調査が欠かせない。そこで「盗難防止ペーパーホルダ」の市販製品を調べてみた。 前回の投稿(その1:テーマを決める)で,そのような製品は身近であまり見かけないと述べた。今回,本当にそうなのか改めて探してみた。 具体的には,近隣の公共

    • 紙飛行機の工作

      遅くなったが,今年2月の親子工作教室で作った紙飛行機を紹介する。工作した当日の様子はこちら。 作成した機体は上の写真の通り。組み立て説明書によると,飛行時間は最大1~2分とのこと。 工作教室の当日は天気が悪く,外で飛ばすことができなかった。近くの体育館も予約が取れず,廊下で試験飛行をして終わり。 2週間後,子供達の保護者が体育館を予約してくれた。その時の飛行時間はわずか4~5秒ほど。体育館のスペースの制限から発射機(カタパルト)のゴムを最大限に伸ばせなかったせい。 風

      • 新入会員の最初の工作は『浮沈子』

        今年度,発明クラブの基礎コース(小学校3年,定員10名)は13名の新入会員を迎えた。 その初めての工作は『浮沈子(ふちんし)』。名前の通り,水の中で赤い金魚の容器が浮いたり沈んだりするおもちゃ(上の写真)。 金魚の形をした柔らかい容器(キャップあり)に水を半分ほど注入し,それをペットボトルの中に入れる。ペットボトルには空気を残さないように飲み口から溢れるまで水を満たす。 金魚の中に空気を残すのは水圧で縮みやすくするため。ただ,そのままだと浮力が大きすぎるので,金魚の尻尾

        • 【2024発明工夫展への道】その1:テーマを決める

          4月になり新年度が始まった。発明クラブの活動も再開。 今月の応用コースのメインは,10月の全国発明工夫展に応募する工作テーマを決めること(発明の背景,動機,効果などを含めたストーリー作成)。 ただし,子供達のテーマは10月の展示会まで公表できない。 その代わりという訳でもないが,私が発明工夫展の一般の部に応募するので,その過程をリアルタイムでnoteに公開しようと思う。 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . テーマを決める際,

        【2024発明工夫展への道】その2:従来製品のリサーチ (前半)

          私の町の図書館と詩人のMK氏

          月に一度,図書館へ行く。入口のすぐ左の壁には地元の偉大な先人(詩人MK氏)の写真があり,来訪者を静かに迎える。 二階の書架に上がると,一番手前にMK氏自身の全集やMK氏に関する他者の著作など千冊ほどが書架に収容されている。一週間に一冊として,それらを読破するのに20年かかる! 私の場合,パラパラと立ち読みして気に入ったところだけ味わう「つまみ食い」スタイル。たとえば,先日借りてきた本の中で見つけた一文はこんな感じ。 MK氏が教員として勤務していた農学校を辞職し,農業(コ

          私の町の図書館と詩人のMK氏

          沈黙の春?(近所を散歩して昔を思う)

          陽射しの明るさにつられて外に出てみた。畑や田んぼには一片の残雪もない。「ど~こかで春が生まれてる~」と口ずさみながら少し散歩する。 子供の頃,田んぼの畦道には蕗の芽がたくさんあったことを思い出した。その辺を探せば,すぐ見つかるだろうとゆっくり歩いた。 ところが,こんなはずではなかったと思うほど,なかなか見つからない。 数百mほど歩いて3~4箇所の小さな群落を目にしただけ。今日の収穫は上の写真の通り,ほんの少しだけ。 昔と違って,今は田んぼに除草剤を散布するのが当たり前

          沈黙の春?(近所を散歩して昔を思う)

          カラスだって発明できた... 人間にできないはずがない?

          上のイラストは,車で道路を走っていると誰もが必ず目にする光景。 カラスが固い食べ物(クルミやクリなど)をアスファルトの上に置き,車のタイヤで砕いて食べやすくしている? いつ頃からその光景が当たり前になったのだろう。 私が小さい頃(50年以上も前)には見られなかったように思う。 ------------------------------------ 電線に止まっていたカラスが道路に転がっているクルミに気がついた。 取りに行こうとしたら車が近づいてきたので少し待つことに

          カラスだって発明できた... 人間にできないはずがない?

          閉講式で考えたこと(世の中はつながりでできている?)

          先週土曜日は今年度の発明クラブの最終回で閉講式だった。 昨年までコロナで中止が続き3年(?)ぶりの開催。 新参者の私は初めて出席したのでドキドキの一日だった。一番印象に残ったのは参加人数の多さ(20人以上の保護者や8人もの来賓がいた)。 指導員の紹介の時に名前を呼ばれ,立って一礼した時は久しぶりに緊張した。保護者とは色々なイベントでお会いしているが,スーツ姿の来賓のほとんどは初対面。 具体的には,, ・H市理科教育研究会会長 ・(NPO法人)H少年少女創造支援協会理事長

          閉講式で考えたこと(世の中はつながりでできている?)

          今朝の風景(雪の平原にポツンと,家族のような木の並びを見た)

          今朝,雪の中をゴミ集積所まで歩いた帰りに見た景色。 木全体が雪に埋もれた山の樹氷より,見出し写真のように輪郭だけ白くなった平地の木の姿もいい。木に付いた雪はすぐ溶けてしまうので,はかない美しさ。 ----------------------- その光景を眺めていたら,まるで家族のようだと気がついた。 そんな想像に最初はクスっと笑えたが,なぜか急に霞んで見えた,, 雪原に 家族のごとく 睦(むつ)む木々

          今朝の風景(雪の平原にポツンと,家族のような木の並びを見た)

          3月3日(雪だるま哀しき冬の雛祭り)

          昨日から雪が降り続け,人は雪掻きに追われる。 灰色の空の下,雪だるまの表情は,,, 大荒れに 雪だるま泣く 雛祭り 大雪となった雛祭りを哀しんでいる? 次の晴れた日には笑顔にしてあげたい。 ところで,雪だるま作りをクリエーティブにするにはどうしたらいいのだろう。デザインに凝る?,毎日着せ替えさせる?,,, 今夜,お風呂に入りながら考えてみる。

          3月3日(雪だるま哀しき冬の雛祭り)

          キーホルダ用の鋳物プレート工作【後半】

          今日はキーホルダ工作の二回目(最終回)。 全体の工程や前回の様子はこちら。 今回の作業は穴開け,研磨,チェインの取り付け。 研磨は紙やすりとコンパウンドの二段階。 その出来栄えは見出し画像の通り。 銀細工と見間違えるほどピカピカになる。 それを見て,どう思いますか? 全て小学校5-6年生の作品です。 デザインに関して指導員はノータッチ。 なかなかのものでしょう? 未来のクリエータの卵,ここにあり! これでnoteさんも安泰,, 我々シニア世代の知識や知恵を子供達に

          キーホルダ用の鋳物プレート工作【後半】

          ボランティア始めよう!

          今週のテーマは見出し(問い)とタイトル(答え)の通り。 私の所属している少年少女発明クラブの指導員は現在9名。2年前は11名だった。子供は少子化,指導員は高齢化や病気による引退でダブルパンチ。 たまに指導員の希望者が見学に来ることもある。特に条件を課していないのに最近は辞退するケースが続く。 当クラブは学年によって基礎コース,中級コース,応用コースに分かれる。新規募集は主に基礎コース(3年生)で定員は10名。2023年4月現在の在籍者(全コースの合計)は30名。 ノコ

          ボランティア始めよう!

          キーホルダ用の鋳物プレート工作【前半】

          今年度の応用コースのフィナーレは「鋳物」。金属を溶かしてキーホルダ用のプレートを作る。作業量が多いので二週に分けて実施。今回は全体の概要と前半の工作内容を紹介する(約1,200字)。 1. 工作の背景 ここI県は昔から砂鉄の産地(砂鉄川という名前の川があるほど)で,現在も多様な鉄器(鉄瓶,鉄鍋,風鈴など)の生産で有名。 子供達もそれらの製品を目にする機会は多い。それらがどのように作られるのかを工作で体験し,地元の伝統工芸への理解を深める。 金属加工技術の面では,3つの

          キーホルダ用の鋳物プレート工作【前半】

          親子工作教室を開催しました(概要のみ)+ 新年度会員の募集(告知のみ)

          親子工作教室の開催報告(概要) 先週の発明クラブは親子工作教室(見出し画像はプライバシー保護のため加工処理)。普段は子供達だけの出席だが,年に二回(夏と冬)親子工作教室が開催される。小学校で言えば授業参観日。子供達がどんな環境で工作しているか保護者に見てもらう。 今回の冬の工作教室は会議室で開催され,出席者の多くは新しく入会した3-4年生の親が中心。希望者のみの参加であり,一度出席すれば大体の様子が分かるので高学年の親は少ない。 少子化の影響を受けて会員数は減るばかり。

          親子工作教室を開催しました(概要のみ)+ 新年度会員の募集(告知のみ)

          ダイヤ凧の工作【悪戦苦闘の記録】

          2023年12月~2024年1月の2ケ月は生涯忘れられない日々となった。一つは記録的な少雪暖冬であり,もう一つは地元の学童保育で開催したダイヤ凧工作で大変な思いをしたから。少し長く(約4,200字,10分ほどに)なるが,その顛末を時系列で示す。 1. 学童保育での工作教室開催の経緯2023年11月,地元の学童クラブのTさんより「2024年1月初旬(お正月明け)に工作教室を開催してほしい」との電話があった。Tさんとは面識がない。私が発明クラブでボランティアをしていることを誰か

          ダイヤ凧の工作【悪戦苦闘の記録】

          頭上から届く北国の春の兆し

          今朝8時ごろ,大きなプラゴミ袋を持って集積所まで歩いた帰りのこと。 上空からクワッ,クワッという甲高い鳴き声が聞こえた。 V字形の白鳥の群れ(上の見出し画像)が北に向かっている。先頭はリーダー達で,後ろはその家族だろうか。 上空から私に「さよなら~」と告げながらピースサインを送っている? . . . はずもなく,お互いに鳴き声で励まし合いながら懸命に飛んでいる。 暖房offの家に戻って温度計を見たら"7"というディジタル表示。思わず"1"の見間違いではないかと再確認する

          頭上から届く北国の春の兆し