やんごとない時間
普通に生活してて、皇室のやんごとなき方々と何か直接的に関わる事など中々無い。
ことあるごとに皇居に行ったり行事ごとにアグレッシブに対峙すれば別かもしれないが、通常そうそうチャンスは無いし、なんとしても生きてるうちに一度くらいは…と意気込んでいる人も、正直自分の周りにはいないかなと。
実はもうかれこれ十数年前に、
とあるイベントのプロデューサーを仰せつかっていたことがあり、その催しには、皇室の女性達が臨席賜わることとなっていたのだ。
皇后さま、雅子さま、紀子さま、華子さまが壇上にお揃いになる、某団体の全国大会の進行を行っていたのだけど、その緊張感たるや…
特に大役をいただいた初年度は、
それこそ経験したことのないプレッシャーを感じて、いや、これが、
これこそがやんごとなき。
みたいな、変な納得の仕方をしていた💦
なにしろ地方の名士のお歴々の方々が壇上で皇后陛下から賞状やら渡されるのだが、そういうお歴々の面々が手と足揃ってしまったり、
なんともいえぬ存在感に気圧されてバミっておいた賞状を貰う立ち位置に立てない。
ことごとく一歩後に立ってしまう。
皇后陛下はお優しく微笑んでいるだけなのに、手の届く位置に立つことさえ恐れ多くて腰が引けてしまうのだ。
賞状を載せる賞状盆ってやつが老齢の皇后様には重いので、我々は腰の引けてしまう彼らを如何に前の方に立たせるかに腐心したのだった。
また、スポットライト的なものも直接目にご負担をかけてはならぬということで、入念にリハーサルと調整が行われたことを思い出す。
言ってしまえば僕らの年代くらいから皇室への何か特別な敬意みたいなものが薄くなってしまっているのかもしれないし、なんなら今となっては小室圭氏のくだりや、佳子さま美人だよねーみたいな風潮で、良く言えば親しみやすく、悪く言えば不敬ともいえるこの空気感はますます加速しているような気がする。
いやでもでもだよ。
目の当たりにした時のなんというか神々しさというか尊さは残念ながら自分の表現力では伝え切ることが出来ない。
やんごとなき時間をえげつないプレッシャーの下過ごしたことは今となっては宝物だと素直に言える。
本当に貴重な経験だった。
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