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L'Arc〜en〜Ciel

小6のとき、衝撃的な出会いがあった。

ミュージックステーションの階段から降りてくる、黒髪色白で目の大きな男性。


目を逸らせないまま
胸がえぐられるような、
ウッと息が詰まるような感覚がして
気持ち悪くなった。


彼は新曲の『虹』という歌を歌っていた。

気持ち悪いのに
絶対に目を逸らしたくなくて
じっと画面を見ていた。


あれは誰だったんだろう。
思い出すと気持ち悪いのに
気になって仕方がない。


気になり続け冬休みになり、
友達と入った雑貨屋にあの人がいた。

トレーディングカードのようなそれには
歌っている彼と、
L'Arc〜en〜Ciel  hyde   と書かれていた。


あれから20年以上。
今考えるとあれは一目惚れだったと思う。

あまりにもタイプすぎて
その衝撃と
初めての感情に身体が追いつかず、
行きすぎたトキメキに酔ってしまい
気持ち悪くなったんだろう。

あの日買ったプラスチックのカードは
肌身離さず持ち歩き、
毎日のように眺めて過ごした。
(我ながら気持ち悪い)



お年玉で全てのアルバムとシングル、
ビデオや雑誌を買い漁り
家にいる時はヘッドホンをつけ
四六時中彼らの歌を聴いた。
ポスターを貼りまくった部屋はhyde一色となる。

そのうち母と妹もファンになり
1999 GRAND CROSS TOUR
2000 REALIVE
SMILE TOUR 2004にはみんなで参加した。



時は経ち、
当時働いていたお店によく来る大学生がいた。

アドレスを書いた紙を渡されたので
ちょっと遊んでやろうと思い連絡を返したら
あっという間に交際まで至ってしまった。


付き合って間もない頃電話をしていると
ラルクの「あなた」という曲を
聴いていると彼が言った。


10年以上前のアルバムに収録されている
ファンしか知らないであろうコアな曲を、
4つも年下のこの人が聴いているなんて運命だと思った。

カラオケに行けば
一緒にラルクを歌って馬鹿騒ぎして、
ドライブ中はイントロクイズを出し合って盛り上がり、好きな曲のどこがいいのか熱弁しあった。

いつかライブに行きたいねーなんて話しつつ
ああだこうだとケンカをし、
仲直りしたタイミングで2015の野外ライブ、L'ArCASINOへ行った。


で、
もう少しで離婚して6年経つ。

別れてから
ラルクを一切聴かなくなった。

彼と出会うよりずっと前に
私はラルクと出会っていて、
彼抜きでラルクが大好きだったのに、
思い出がびっちりこびり付いてしまっているのが悔しかった。



でももういいでしょ。
だってあと4ヶ月もすれば
別れて6年経つんだもん。
(信じられない)
(そりゃ再婚するし子供だってできるわ)

この前Mステで
snow drop とREADY STEADY GOを歌っていたのを聴いて
”私が”彼らを好きだったことを思い出した。

ちょうどそのタイミングで
来年から行われるラルクのライブに
母と3人で行かないかと妹が誘ってくれ、
今日はそのライブの抽選結果の日だった。
結果は当選。


一目惚れしたあの時は
まさか今後の人生において
こんなに重要な存在になるとは思ってなかったし

「一生好き!」なんてよく言っていたけど
それが本当になりそうなのがすごいなと思う。

ラルクと私の歴史に比べれば、
彼との歴史なんて微々たるものなのだ。












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