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バリアフリー(機能性)とおしゃれの両立

家づくりをすると決めた時にどうしても叶えたいと思ったことです。

駐車場問題から発起した家づくり計画。最初、家を建てることに関してはあまり前向きになれませんでした。その理由は、娘のためのバリアフリー住宅を建てるとなると、きっと今のような自分の好きな空間での自分らしい暮らしができなくなる、と思ったからです。

すべてを知っているわけではないですが、福祉設備、福祉用具や福祉機器は、もちろん障害児(者)の生活を支えるため機能性に優れていますが、おしゃれさにかけるものが多く、選択肢も少ないと感じます。そういうイメージがあったこともあり、家を建てるということになれば、インテリアを諦めることになり、福祉施設のような家が建つことになるのだろうと思っていました。

いざ建てることになり、自分たちが好きじゃないものを選んだり、妥協した家づくりにならないようにするためには、たくさん調べて、その中からバリアフリー(機能性)もおしゃれも両立できるものを自分たちで選んで決めていくしかないということに気づきました。

例えば、車いす使用者のためのバリアフリー建具も、車いす用の洗面台も、既製品として存在はしていました。それでよくてお願いができれば、細かく調べて決めていく必要はないのでラクだったかもしれません。でもどうしても好みじゃなかったり、納得がいかないものばかりで、決めることができませんでした。

あらかじめ用意されたものではなく、バリアフリー(機能性)とおしゃれさを天秤にかけながら、娘の状態を考慮して、どこで手を打つと不便なく生活でき、しかも後悔がないか、考えて決めていくことにしました。

バリアフリー建具にはしたけれど、ハンドルは通常のスッキリしたものにしたり、ハイドアにできたことで、開口幅を確保しつつ一般的な建具のようにきれいにまとめることができました。洗面台は、カウンター、ボウル、鏡、収納、一つ一つ決めていくことで、機能性とおしゃれさを両立できました。床材、クロスの選択、家具や照明にこだわることで、単に広さが際立たない自分たちが住みたいと思う空間にすることができました。

家づくりを経験し、障害者用の設備は、そもそも選択肢が少なく、機能性とデザイン性が両立できているものはまだまだ少ないと感じました。だからこそ、両立させるためには自分たちでたくさん調べて細かく決めていくしかないのが現状です。衣服においては、最近は障害児用やユニバーサルデザインのおしゃれなものがたくさん出てきていて、選択肢が多くなったと感じます。しかし、少し前に娘の下肢の装具を作った時には、業者さんから提示されたデザインとカラーのサンプルを見て愕然としました。いつから変わってないんですか、という感じのボロボロのサンプル資料。迷うことなくオールブラックの装具が出来上がりました。やっぱり特定の少数派をターゲットにしていて、病院や施設を通しての依頼だから集客する必要もないとなると、アップグレードされず現状維持になってしまうんでしょうか。その空気感を感じるだけでこちらもモチベーションが下がってしまいます。本人が、がんばって装具つけて歩こう、あるいは家族が、がんばって装具つけて一緒にやっていこう、というモチベーションにつながるような商品を作ってほしいと願います。

住宅設備や福祉用具、福祉機器などあらゆるものにおいて障害者(児)の選択肢が広がって、本人や家族が好きなものを諦めずに自分たちらしい生活ができるようになればいいなと思います。

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