もうすぐ新学期が始まる。そんな季節の頃の話。

会社からの帰りの時間がちょうど小学生の下校時間と重なることがあった。私が帰り道を歩いていると保護者らしい女性たちがあちこち立っていた。

大きな道路の脇の歩道を歩いていると、交通安全の黄色いランドセルカバーをつけた新一年生がたくさん列をなして帰っていた。そして、その中の2、3人の子が何を思ったのか大きな道路に抜ける脇道の道路の真ん中に座り込んで何やらお絵描きを始め出した。

私はゾッとして慌ててその子たちのそばに行き、立ち上がらせて

「早くおうちに帰りなさい」

と言った。

その脇道は通行量が多く、かなりの速いスピードで車が飛び出して大きな道路に合流しようとするのを知っていたからである。まだ体の小さい新一年生は運転手から見えず、事故に遭う確率が高い。だからこそ、交通安全の黄色いランドセルカバーをつけて目立たせているのだ。

大きな道路の向こう側に女性の保護者が立っていて、私たちの様子を見ていた。私も目でここが危ないと訴えてしまった。

後日、そこにも保護者が立つようになっていた。
よかった、よかったと思った。

新学期が始まり、新しいことにワクワクしている子どもたちがいるだろう。しかし、新しいことには何かしらのリスクもある。親御さんたちは新入生のために今一度、リスクの確認をしてもらいたいものである。

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