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#1 留学生として、家族と渡英(手続き)

家族帯同で留学生として渡英するのは、結構大変でした・・・。
【前提】
・社会人留学(所属組織からの派遣)
・家族は、配偶者、子ども二人(4歳・2歳)


1.出願~進学先決定

出願に当たって必要なことは、特に社会人だからといって変わりません。
語学要件を満たしつつ、入学書類(履歴書、志望動機書、推薦状)を揃えるというだけ。

英語の勉強法や、志望動機書の書き方は、その他の方のブログや留学向けの予備校・出願サービスで知ることができると思いますので、私が躓いた点です。

「条件付き合格」の罠

イギリスの大学院の多くが、出願した順に合否を決定し、枠がなくなると締め切る方式をとっているため、一般に、語学試験の状況にかかわらず、早期の出願を勧められます。そして、語学要件を満たさなくても、条件付きの合格を出してくれます(LSEも条件付き合格)。

その時点では、社会人経験や日本人であることは、多様性の観点から、相対的に有利であると感じました。他方で、社会人として働きながら、語学力を短期で向上させるのはなかなか難しいです。私も、繁忙期に突入したり、急なサポートをお願いされたりして、そのたびに、勉強もできていないのに週末にはIELTS…という悪循環。

ビザの申請には進学先からのCASというものが必要で、私の知る限り、この交付は無条件合格が前提です。このため、無条件合格になっていないと、ビザの申請に進めません。また、進学先が変われば、ビザの申請はやり直しになります。
自分一人分であれば、よくある出願サービスに付帯しているので簡単に終わりますが、家族もいるとなると、状況にあわせた書類の準備や英訳が必要で、何倍もの手間と時間がかかります(後掲のように、情報も少ないです)。また、申請~取得までも通常4週間程度かかるので、もしリジェクトされると致命的です。そういったことがありうる状況で、航空券を発券したり、住居の契約を進めたりするのは、本当に心臓に悪いです。

条件付き合格を無条件合格に変えるために、最後まで粘ることは重要(私も、当初は他大学に進学するつもりでしたが、ギリギリでLSEが無条件になりました)。
でも、その際には、後ろからスケジュールを考えておく、できることから済ませておく(例えば、家族分のビザを依頼する会社は決めて、英訳は済ませておく等)のが重要だと思います。また、粘りたい旨や、その際のリスク(どう最小限にするのか)について、派遣元とのコミュニケーションも重要です。学生時代であれば、ある程度のアクシデントは平気でしたが、社会人・家族と一緒となると、少し気持ちが違うように感じました。

2.渡航:抱えこまず、各種サービスに頼る

社会人をしながら渡航準備をするのは本当に大変。また、家族帯同の場合の情報は、駐在員の方のものが大半で、学生かつ家族帯同の情報というのは、なかなか見当たりません(例えば、駐在員の方の場合、ビザは会社がある程度処理してくれることが多い模様)。学生かつ家族帯同のケースを見つけたとしても、すでに海外在住経験がある方だったりして、自分との力量の差を感じてしまうことも。

私は、インターネット等である程度の知識は得つつ、外部にお願いできるものはお願いしてしまいました。最終的には…

ビザ

少し上にも書きましたが、結局、家族分も代行業者に依頼。
ネットで上位ヒットする会社の中には、個人で依頼すると信じられないくらい高くつくものもあります。きっとサービスがいいんだと思ったけれど、会社からの援助もないし、自分でもある程度勉強し、内容をチェックする前提で、相対的にリーズナブルな会社を選びました。結果的には、満足しています。

なお、渡航に向けたスケジュールがかつかつだったので、通常4週間の申請~取得期間を短縮すべく、プライオリティーサービス(後掲)を利用しました。こういった「金がモノをいう」要素は留学生の財布をじわじわ痛めていきます…。

https://visa.vfsglobal.com/jpn/ja/gbr/priority-visa

住居

日系の不動産会社に依頼。少し調べればわかると思いますが、イギリスで賃貸市場は激戦で、物件を見つけるのはかなり大変。
イギリスの別地方の大学に行こうとしていたときに、日本人の方のNote(※)を見よう見まねで、不動産紹介サイト経由で自力で探してみたものの、まさに書いてある通り、そもそも返事がないか、海外から申し込んでいる外国人であるとわかった瞬間、「それならいいや」という感じ。
(※)自力で探す場合、すごく参考になるので、読んでみられることをお勧めします。留学の場合の家族帯同ビザに関する記載もあります。

ロンドンには、いくつか日系の不動産会社があって、LSEに進学を決めるに当たっては、そうした会社にお願いすることにしました。物件の扱い等について日本語でやりとりできるのはもちろん、結果として周囲に日本人が多い居住区の物件になるので、子どもの学校のこと等を考えても、正解でした。

なお、大学の寮は、家族寮はほぼなく、かなり早期に締め切られます(学園都市のようになっている大学等では、例外はあるのかもしれません)。このため、条件付き合格のオファーを複数持っていて、進学先に悩みたい場合は、ほぼ取れない選択肢だと思います。

もし、自力で探すなら、はじめは単身で来てホテルに滞在し、その後家族を呼び寄せることになると思います。先ほどの他大学進学を考えていた時点では、物件が見つからない一方で、家族一緒に渡航するというのは決めてしまっていたので、精神的にかなり追い詰められました
(そういう意味では、LSEにしようと考え、不動産会社のHPをみた瞬間にいい物件を見つけられた際は、もうこれしかない!とすぐ決心できたので、よかったですが・・・)。

海外旅行保険

イギリスのビザを取得するに当たっては、イギリスの医療制度(NHS)に加入する必要があり、加入した後は、基本的には必要な医療を無料で受けることができます。他方で、すぐには掛かれないとか、粗診粗療であるといった批判もあります。
海外旅行保険に入れば、日本語が通じる病院に無料ですぐかかることができますが、かなり高価で、代理店のお勧めの契約だと家族4人で200万円くらいかかります。
NHSがある中で、これに入るかどうかは最後まで悩みましたが、子どもも小さいし、旅行保険は医療以外の内容(賃貸物件での事故等)もカバーしているので、結果として、プラン内容を精査して切り詰めつつ、加入しました。


最後の海外旅行保険は、今のところ家族全員大きな病気になる機会はなく、NHSも旅行保険も使う機会がないので、正解だったかはまだわかりません。

正直、これからのライフプランを考えると、なるべく無駄なお金は使いたくないと思いつつ(飛行機代や引越代等、上記以外にも多額の出費を伴います)、とはいえ、家族の安心や、仕事との両立を考えると、やむをえない範囲というのはあるのかな、と思います。

留学生身分にもかかわらず、ギリギリになって「課金要素」に取り囲まれて、ああ、もう少し計画的になっておけば・・・等と鬱屈とした気持ちになる方もいると思います。
私も多く失敗したので、「まあみんな多少なり失敗したり、悩んだりしたんだな」と思っていただけるとありがたいです(私は、仕事最後まで頑張ったんだし、仕方ないじゃないか!帰ったらたくさん働けばいいじゃないか!と言い聞かせていました。)。

さて、大学で家族を帯同している話をすると、よく、海外の友人から「学生なのに、物価高のロンドンにどうやって連れてきているんだ」と聞かれます。
駐在員の方を見ていると、上記の多くの費用が多少なり補助されるようで、留学生は金銭的には余裕がないのは事実ですが、とはいえ、客観的にみればかなり恵まれているのかな、と、派遣元には感謝しています。

(少し先になるかもしれませんが、次からは、学んでいることに触れたいと思います)

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