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#2 受講科目①(LSE MPA 1st year)

気づいたら前回から1か月が経っていました。
今週で授業は終わり。様々な授業で講師学生双方から「サバイブしたね!」という声が上がる季節です。
冬休みの間に今学期の振り返りをしたいと思います。

まずは、4つある講義のうち、政治学からです。

【必修①】Political Science for Public Policy(公共政策のための政治学)
まあ、こういう必修はあるよね、といった感じの講義名。日本の大学だと、政治学者やその提唱した理論を勉強していくことになると思いますが、そういった座学とは対照的に、公共政策を学ぶ修士課程ということで、教授が、学生たちに対して「君たちはpower-shifterだ」というスタンスで、理論もありつつ、政策メモの提出やプレゼンの機会がある点が特徴です。

楽しそう、かもしれませんが、他方で、一番違和感を感じるのも、この講義です。
政策メモの主眼は、関係者をどう活用して、その政策を実現に持っていくか(その政策の合理性は問わない)。
また、そのための戦略の一つとして、講義において、世界銀行がイニシアチブをとった途上国における鉱業税の改革の実例が紹介され、Obfuscating Incidence(改革に伴う負担を目くらましすること)が重要だと説明される。

これまでの派遣元組織での経験からすれば、関係者の合意形成を戦略的に行うこと自体は否定されないと思いますが、むしろ、その過程で、政策をより合理的に練り上げる真摯さこそが重要だと思うし、まして、Obfuscatingなんて、(仮に政策自体が如何に合理的であっても)少なくとも立案者がこんなことを追求すれば、その分の「しっぺ返し」がいつかくるはずです。

ただ、よく言えば、諸外国における政策立案過程は、自分の想像よりもう少し「図太い」ものなのかもしれないとも思います。例えば、諸外国だと、政権の交代ととも公務員自体が変わっていく、そういうスパンの中で、それぞれのグループがそれぞれのタイミングで「突破力」を発揮しつつ、結果として何らかのバランスが保たれているのかもしれません。違和感を何かに昇華して日本に帰ることができればいいなと思います。

その他の授業(後掲)については、また。
【必修②】Micro and Macro Economics for Public Policy(公共政策のための経済学)
【必修③】Quantitative Approaches and Policy Analysis(計量的アプローチと政策分析)
【選択】Welfare Analysis and Measurement (福祉厚生分析と測定)

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