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ミスを呼び込まない現場管理

作業ミスの発生

また、作業ミスが起きてしまった。
本人は頑張っているのに、なぜミスを起こしてしまったのだろう?
ミスの発生について聞くと、よくある回答として、
「教育はしていたが、仕事の習熟度が十分でなかった」と
いうものが多い。
では、何が「十分ではなかった」のだろう。

ミスの要因:ひとつ目は「足りない」

知識・スキル不足、確認、認識違い、連絡、伝達の不備…
思いつく表面的なことが挙げられるが、
さらに、もう少し掘り下げて考えることが大切なんです。

知識・技能の不足

・本人が、どれだけ理解できているかお互い確認できていたか?
・教育は、スケジュールに追われて形だけになっていなかったか?

確認・認識不足

・仕事の1サイクルで何の確認をして完了という理解をさせていたか?
・作業ひとつ一つの目的が理解できていたか?
・一つのミスの大きさ、影響を理解できていたか?

連絡や伝達の不足

・口頭で伝えただけの指示になっていなかったか?
・指示を受けた人は、何かの余白にメモ書きで済ませていないか?
・指示の受け方は教育していたか?

このようにミスの発生は、作業者本人だけに問題があるのではなく、管理監督者側にも多くの要因があります。
「新人教育はしたのだが、仕事の習熟度が十分でなかった」と簡単に済ますのではなく、ミスが発生した要因を掘り下げることで気付かされます。
やっているつもりであっても「足りないもの」が見えてきます。

ミスの要因:二つ目は「思い込み」

管理監督者は「あの人は、仕事をこなす力量があり、ミスなど起こさない」と思い込んでいる。
作業者本人も「自分は経験があり、ミスなどしない」と思い込んでいる。
作業手順やルール・規則があることはわかっていて、やらなければいけない事を知っているとお互いが思い込んでいます。
ただ、経験者のミスは以下のようなことで起きています。
・疲労、食後、単調な作業などによる集中力の低下
・やるべきことをやらなかった
・いつもと違う行動をしたり…。
・これまでミスに繋がらなかった経験から自己判断の手順省略
・横着な手抜き(これくらいなら大丈夫という判断)などの行為
・これくらいは「大丈夫かな」と思う油断
・「少しくらいは大丈夫」という甘い誘いに乗っかる
ここでは、も大切なこととして、少し掘り下げて考えていきます。

「手順書があるからミスは起きない」

・ミスを起こすリスクを取り除いてルールや手順書をつくります。
・表現が包括的で、記載不足や曖昧な表現
・経験値や理解度で、都合よくとらえられる場合もあります。
作り手側の人間にもミスがあります。
手順書があれば、問題なく仕事ができると作り手側は思い込んでしまいます。
変化はあります。アップデートは必要です。
また、手順やルールを守っていてもいくつかの条件が重なって、意図しない結果につながってしまう場合もあります。

手順やルール「当然、わかっている」

・配属時の初期教育のみで、終わっていませんか?
・集中力が低下する時間に声かけや巡回はできていましたか?
・遠慮や引け目を感じて注意できなくなっていませんか?
・作業者に関心を持って接していましたか?

慣れた行動「自分は大丈夫」

・人間は、油断や慢心、横着な行動はしたくなります。
・自分は経験が長く、慣れているからと慢心はありませんか?
・「この人はわかっているから」と放任していませんか?
・その人の勘・コツ作業を容認していませんか?

これらは管理監督者、本人が、気づかないうちに「お互いが干渉し合わない距離感」をつくってしまっていることに要因があります。
「経験があるから安心して任せている。」聞こえはいいですが、放任しているだけです。本人が、振り返る機会はないのです。
習熟度が上がり、作業を段取り良く、速やかに円滑にこなすことができることと、手順を省いて早くやることとは違います。
お互いが「思い込んだ」ことにより、知らないうちにミスを呼び込む要因を育ててしまっていることに気付かされます。
 

ミスを生まない職場づくり

人間はミスを起こします。
多くの問題として、お互いの干渉し合わない距離感により教育や評価がされなくなってきていることが挙げられます。
お互いに、客観的に仕事を評価して(粗探しではなく)品質を維持できるようにしなければいけません。
お互いが、確認し合える職場づくりがミスをなくします。

管理監督者

現場をみて「作業者の状態」「仕事の手順の遵守」「仕事の出来栄え」を常にとらえて、安全・品質・生産性の視点で教育や改善を進めます。

作業者

作業手順に従い、品質良く仕事をすすめます。
ミスを検知するための設備やシステムが機能していなかったり、故障している場合もあります。
仕事のやりにくさや困りごとを洗い出し、手順書にある迷うような表現を示し、理解を深め、必要に応じて報告や修正依頼をしていきます。

職場の空気づくり

作業手順は、現状の仕事内容に整合しているか?
変化点があれば、全員で確認し合い、情報がアップデートされているか?
やり難いことが、改善されているか?
手順を確認し合い、やりにくさをつぶし込んでいく会話ができる職場づくりがされていれば、お互いが間違いに気づき、良い指摘がし合える体質に育っていきます。

気軽に指摘し合える職場づくり


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