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『心はロンリー気持ちは「…」FINAL』見たよ。そして、20年前の記憶。

先ほど、フジテレビ開局65周年記念『心はロンリー気持ちは「…」FINAL』を見た。
20年ぶりの復活ということだが、番宣のときから、懐かしいなあとは、思っていた。
20、30年前に私はこのシリーズを見ていたのだ。
いろんな芸人さんや役者さんが代わる代わる出演したり、意味の分からないギャグがことごとく連発されたり、さんまさんの元妻の大竹しのぶさんが共演するなど、お祭りみたいな番組だなあと思ったことを覚えている。

当時、小学生の私は、父親とこの番組を見ていたように思う。
これだけではなく、明石家さんまの番組を父親と一緒に見ていた記憶がある。

あまりバラエティ番組を見ない、厳格な父親は、明石家さんまの番組だけは見ていた。
からくりTV、さんまのまんま、踊るさんま御殿、明石家さんま大先生、明石家マンション、恋のから騒ぎ……なぜこんなにさんまさんの番組を覚えているかというと、やはり父親と一緒に見ていたからだと思う。

私は他にもいろんなバラエティ番組を見て育ったが、それらには父親はあまり関心を示さなかった。

なぜか、父親が好んで見るお笑いは、明石家さんまだけだったのだ。

そして、自分も大人になり、社会に出て、働くようになると、父親がバラエティで、明石家さんまの番組だけ見ていたことが、少し分かったような気がする。

社会人になり、年数を重ねていくと、どんどん自分の時間はなくなっていく。
しかも、当時、父親は3人の子供もいて、尚更、自分の時間は少なかったと思う。

それは、壮年の使命ではあるのだけど、昔、楽しめたことや時間を費やしてたことが億劫になり、本当に好きなことや、逆に、あまり頭を使わないですむようなことで、ストレスを解消することに時間を使うようになってしまう。
私も、昔はあれほど入れ込んで見ていたバラエティ番組からも、不思議なくらい遠ざかってしまっている。

そんな中で、父親にとっての明石家さんまは、ストレス解消であり、癒しであり、勇気づけであったのだと思う。

さんまさんのセリフや動きや間合い、長年のキャリアで培われたスキル、異次元な頭の回転の速さとトーク力、そして、いつまでも前線で活躍する衰えない体力、すべてに驚きが生まれ、感嘆が生まれ、笑いが生まれる。

そしてなにより、笑いに対するストイックでプロフェッショナルな姿勢に、父親は勇気づけられていたんだと思う。

当時はそんなことみじんも思わなかったけど、社会に出て、働くようになると、すごく分かるのだ。

そして、そういう風に自分を鼓舞して、毎日を戦っていた父親の姿に、今の自分は勇気づけられている。

父親と一緒に明石家さんまを見ていた時間は、20年の時を超えて、しっかりと今に届いている。

『心はロンリー気持ちは「…」FINAL』は、それを実感した放送だった。

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