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これからの教育に必要な探究学習について


【今後の教育が目指すべき方向性】

今年の神奈川県の公立高校入試の社会は、探求学習を意識した問題づくりになっていました。
大問の多くにおいて、学習課題を設定して、それに関して調べ、メモを作成して、レポートにまとめて発表する、この流れの中での出題が目立ちました。

これは探究学習の流れです。そして、この探究学習は、これからの教育が行うべき学習として、重視されています。

【探究学習とはなにか】

探究学習の流れを整理すると、
①自分で課題を設定して
②主体的に調べ、検証して
③発表のためにまとめていくことによって、学びを深めていく、
そういう学習です。

探究学習が、今までの学習と違うのは、問題が与えられていない、ということです。

探究学習は、自分で課題を立てなければいけない、というところに大きな特徴があります。
受け身の姿勢では行えない、ということです

今までの学習は、単に、インプットした知識を、与えられた問題に合わせてアウトプットすれば良しとされていました。
しかし、これからは、与えられている問題を解いているだけでは太刀打ちできず、自ら課題を設定して、解決策を考えていかなければいけない時代に入ったというわけです。

【現代とはどういう時代なのか】

では、現代とは、どういう時代なのでしょう。
現代は、VUCAと呼ばれる、変動的(Volatility)で、不確実(Uncertainty)で、複雑(Complexity)で、曖昧(Ambiguity)な時代です。

スマートフォンの普及、それに伴う動画メディアの席巻も、新型コロナウイルスによるニューノーマルも、Chat GPTの誕生も、ここ10年程度で起きたことです。

また、生まれながらに圧倒的なオンラインの中で育っている今の若い世代にとって、昨日ですら一昔前の過去になります。この目まぐるしい変化に対応するには、知識や情報処理以上の学習が必要になってくる。
教育のかたちが変わるのも、当たり前なのかもしれません。

このような、変化が激しく、未来が予測できない時代においては、自ら問題提起して、解決策を生み出せるようでないと、生きていくのが困難になってしまうということでしょう。
(ちなみに、文科省が出す現行の学習指導要領のテーマは「生きる力 学びの、その先へ」です)

【探究学習に必要な力】

では、このような力、つまり、自分で問いを立てて、仮説検証していける力というのは、どうやって身に付けていけば良いのでしょうか。

私の考えとしては、2つ必要なことがあります。

1つは、”知的好奇心を養うこと”です。
自ら問いを生み出すこと。そして、それについて調べ、まとめていくこと。
このような学習は、そう簡単にはできません。
しかし、好きなことや興味のあることであれば、できるかもしれない。
その取っ掛かりとなるような、思考の潤滑剤となるような、好きなこと、興味のある分野を開拓していくことが大切なのではないかと思います。

幼少期に好きなことが持てている人はラッキーですし、好きなことがない、という人は、なにが好きか深堀りしていく必要があります。

そもそも好きなことがない人はいないので、なんでも学びの取っ掛かりにしていけば良いのです。
学びの取っ掛かりをどう持つのか、というのが重要だと思います。

もう一つは、”要約力をつけること”です。
自分の漠然とした疑問や違和感を要約する力、そこに対して調べたことを要約する力(どこが必要で、どこが必要でないか見抜く力といってもいいかもしれません)、それを発表のために調べたことや意見を要約する力、このような力を強くしないと探究学習は成り立たないように思います。
(今回の入試の国語でも、大問5は要約問題へと変わっており、時代の変化の兆しが見られます)

ここを鍛えるためには、まず読書をして、著者の言っていることを要約する、そして、今度は自分の考えを要約してアウトプットする。
それを繰り返す訓練が必要であると思います。

【探究学習の型を身につけることが大切】

思考力は鍛えれば、上がっていく。
訓練して、探究学習の型を身につけていくことが、今の時代、とても必要なことだと思います。
(補足ですが、問いを生み出し、検証するには、知識のベースが必要なので、インプット型の学習も軽視せず、日頃からコツコツと知識を蓄えていくことも大切なことです)

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