ラジオの思い出


たしか私が中学生になった頃、父が家にあったラジカセを出してきて、ラジオを聴くことを教えてくれた。


それはCD・カセットテープ・ラジオが聴けるプレーヤーだった。
父が借りてきたCDを再生しながら、音源をテープに録音していたのを小学生の私は覚えている。
振動が伝わるとテープに雑音が入ってしまうので、ドタバタ歩くなと怒られた。


学校の授業で習う音楽とか歌うことは好きだったけど、自分から進んで触れたことはなかった。
ラジオを聴くようになって世界が少し広がった。双子の姉と一緒に、夜寝る前やテスト勉強の最中、AMラジオに耳を傾けるようになった。


聴いていたのは、いつも同じ放送局の音楽番組。最新ヒットチャート(死語か?)と男女パーソナリティのトークがお届けされる22時〜1時までの番組だった。早く寝ろと言われだいたい途中までしか聴けなかったが、テスト期間中の夜は深夜まで起きていられた。


ラジオを通して音楽チャートを追っていくうちに、私達姉妹には好きな歌ができた。
ポルノグラフィティの『愛が呼ぶほうへ』。
ミディアムテンポの優しい、歌詞が印象的な曲だった。この曲が元で、私達はポルノグラフィティというバンドに興味を持ち、父にCDを借りてもらった。

『愛が呼ぶほうへ』『メリッサ』のシングル二枚だったと思う。例によってカセットテープに録音し、大切に聴いているうちにハマった。一度ハマると、狂ったように同じバンドばかり聴いていた。


ポルノグラフィティは当時、高校時代からの友人であるメンバー三人で活動していたのだが、ちょうど自分がファンになった直後くらいに、ベースのTAMAさんが脱退すると報じられた。
三人でリリースした最後のCDである二枚組のベストアルバム『RED'S』『BLUE'S』を姉とお金を出し合って夏休みに買い、これまた何度も何度も聴いて楽しんだ。


よく飽きなかったなと思うが、その頃の自分達は彼らの音楽はもちろん、見た目やパーソナリティなんかも崇拝するぐらいの熱狂ぶりで、ギターのハルイチさんのラジオは聴いてたしエッセイ本も読んでたし、後年ボーカルのアキヒトさんが単発のオールナイトニッポンを何回か担当するのだがそのラジオも頑張って聴いていた。
(頑張ったというのは、アキヒトさんのANNが興味を引かれる内容でなかった為。すみません。ただ話し声は最高!!)


当時のポルノの魅力は何といってもアキヒトさんの歌声、そして幅広いジャンルの音楽要素を取り入れたキャッチーな曲、ハルイチさんの物語性のある歌詞の奥深さだと思うのだがどうでしょうか。
(誰に聞いてるんだろう…)

現在の自分は、ポルノが三人であった頃のコンサートツアー『74ers』ライブが好きです。よかったら聴いてみてね。


高校に入ってから徐々に他の音楽も聞くようになり少しずつ熱狂から覚めていったのだけど、あの頃ひとつのバンドを深く好きになり追いかけた記憶は懐かしく思い出される。
その後バンプオブチキンやくるり、TOTOなどのバンドファン遍歴はおいおい書くかもしれません!


ラジオによって私の音楽好きは形づくられ、大人になってからは仕事の合間や休日に聴いて癒しをもらっている。
折れたアンテナを必死に握ってFMラジオを聴いていたあの頃、コンポに近付いて雑音だらけのラジオに耳を澄ませ、歌詞を聞き取ろうとしていたあの頃。
結構青春だったなあと思う。

よかったら、皆さんが十代に聴いた音楽を教えてもらえるとうれしいです☺️
読んでくれてありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?