BUMP OF CHICKENにまつわる超個人的な長話。

高校生の時。ラジオから流れていた
「supernova」という曲が耳に残った。
アコースティックギターが中心の
ゆっくりとした、でも躍動的なビートのメロに、語りかけるような歌が印象的だった。

歌詞が比較的聞きとりやすく内容が気になったので、コンポに耳を近づけて
一言一句追っていった。いい歌だなと思った。

それからアルバムを借りて聴いてみた。
バンプオブチキンの曲にハマっていった。

親にパソコンを使わせてもらって
バンプオブチキンについて調べると、
彼らがラジオ番組を持っており
毎週トークが聴けることも分かった。

最初、四人のメンバーの声が
聞き分けられなかったけど、
少しずつ慣れてくるものだ。

メンバーは幼稚園からの顔なじみであり
中学時代からの友人らしく、
仲が良さそうな雰囲気や、独自のノリが
伝わってきた。(笑)

バンプオブチキンの曲を聴き、
ポンツカ(彼らのラジオ番組)で笑い、
PVやインタビュー映像などを観るのが
私の日常になった。

高二からアルバイトを始めたのだが、稼いだお金で楽器を買った。

バンプのベース、“チャマ”こと
直井さんに憧れていたのでベースを手にした。
チャマさんの演奏する姿は、
とにかくカッコいい。
彼の明るくてお茶目な言動も好きだった。

最初に練習したのは
「ベンチとコーヒー」という曲。
シンプルなベースラインだったので、
弾きやすいかなと思い。

バンドスコアを見ながら、
メトロノームに合わせて、
地味にも思えるこの曲のベースを
ボンボンボン……とひたすら練習する私を見て、家族は最初笑っていたっけ(笑)

自分でもバカ真面目な練習に思えたけど、楽器を弾けることがとにかく楽しかった。

(ちなみに「ベンチとコーヒー」は、
ボーカルの藤原さんがチャマさんへ贈った曲らしい。
今考えると、おそらくチャマさんにとってとても大切な曲を、最初に練習できたことが嬉しい。)

「ベンチとコーヒー」は穏やかだが、
バンプのベースは基本的にかなり動き回るメロディーだ。
「天体観測」や「オンリーロンリーグローリー」など、音源に合わせて弾けるようになるととても面白かった。

誰かと共に演奏することなど
全く考えず、ただ一人でベースを弾きまくっていた高校生の私だった。

余談だが弟が、数年のちに
ベースを購入しており驚いた記憶がある。
その頃には自分は就職していて、時間が取れないので演奏する事から遠ざかっていたのだが、姉の姿を見てベースを手に取ったのかな?と思うとちょっとうれしい。

二十代になり、生活環境や習慣は
さまざま変わったけれど、音楽はいつも側にあった。
バンプの音楽も、必要な時いつも寄り添ってくれた。
大阪でのライブに行ったこともある。
ポンツカを毎週聴いたり、PVにかじりついたりすることはなくなったけど、好きなバンドには変わりなかった。

二十代後半でやりたかった仕事に転職、
大切な人ができたりして、
ちょうどその頃、チャマさんに関する文春の記事を読んだ。
おいおい、と思ったけど
辛いとか悲しいとかは感じない。

チャマさんってそんな人やったんや、と

私は、今思えば自分には分かりもしない事まで勝手に決めつけていた。
ごめんなさい。

三十になり同棲して結婚して
新しい環境にも慣れてきたころ
ふと、バンプのことを考えた。
ライブとか…やってないんかな?

調べると、なんと
もうすぐツアーが始まるらしい。
バンドは私の住んでいる場所にも来る。
まさにベストタイミングだった。

主人と私、二人分のチケットを取る。
バンプに傾倒していた十代の頃の自分の為にライブに参加する、そう思ってチケットを取った。

けれど日に日に、このライブは今の自分にとって特別なものになった。
バンプが会いに来てくれる。
このバンドが自分の中でいかに大きな存在を占めているかを知った。

ライブ当日は幸せだった。
いろいろな発見があり、思いがけない
自分の心の声を聞いたりも。
音楽がもっと好きになったのは間違いない!

そしてライブが終わり、日々過ごしていくなかで
彼らの曲やラジオを聴く時間が、また増えた。
昔は気付いてなかったけど、
今気付いたり、響いたりという体験も多い。

一部を挙げると
とにかく優しさにじーんと泣けたり、
私と違って、十代の頃からこの人は自分にめちゃくちゃ誠実だったんだなとか、
だから他人にもこんな風に接することができるのか、とびっくりしたり
この曲(または人)は、こんな素敵な所・おもろい所があったのか!と発見したり……。

これもバンプオブチキンの創作物から受け取った、彼らの一部でしかない。しかも私というフィルターを通しているので。

彼らに、私という人間を教えてもらえる機会でもある。
これからも変わっていくだろう。
バンドも人も。

ありがとうございます。
これからもよろしくお願いしますと伝えたい。☺

今の自分は、音楽を演奏するなら
だれかと一緒にやりたいと思う。
目を合わせて、息を合わせて、楽しさを分かち合いたい!
そう思える自分も好きだ。

でも、まずは楽器を練習しないとです。

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