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砂沼から言葉歩いてー2016-2

砂沼から言葉歩いてー2016-2

雪雑り今日の夕飯シチューかな

冬忍恋の痛みに人の口

冬の春紅いスカート笑う声

キャンバスの鴛鴦(をし)の色彩絵の具かな  俊克

語らいの酒の肴に寒き夜

立ち別れ会わない日々に冴ゆる月

寒月や戯れ唄の姉妹かな

冬の星噂の鞘に恋包む 俊克

釜揚やうまいうまいと湯気たてて 俊克

絵葉書の千体仏に冬日和

狂い咲き光を浴びて寒牡丹

春近し上野の森に御神木

おにぎりの塩鮭二つ晴れの朝 俊克

蝋梅や窓を匂いに閉め切って 俊克

春まけて風流咎め恋ふらく

梅の花ひとつふたつと香を放ち

侘びしくて眼中無くて寒き春 俊克

琴の音の爪の手慣れて春初め

家近く沼の半周木の芽晴れ

春愁ふ夢を恋して乱れ髪

宵の春本の占い一人ごと  俊克

朧月三重の結んで夢の中

春の風噂の恋の裏返し

急流の縁を哀れに鶴の舞
 
庭の在る若木の梅に蕾かな 俊克

句仏忌や言葉歩いて句の重み 俊克

断腸の傾命継ぐや陽炎燃ゆ

早春やケンカのさるにボス怒る

春日和美し青丹筑紫国

朧月夜涙に濡れて家の門  俊克

梅の庭言葉を忘れ言語かな 俊克

紅梅や筑波の饅頭七分咲き 俊克 

春兆す田舎暮らしに通所かな 俊克

節の忌妻の親戚石下かな 俊克

春の朝主人倒れて犬吠える

川の音の茜さす日や百千鳥

さる山の飽きぬ一日あたたかし

明鏡の煩悩結ぶ霞の帯 俊克

竹林の道を描いて朧月夜 俊克

雲の飛ぶ酒を浮かれて春日かな

浅き春島々巡る三重の国

壺焼きの香に誘われて築地かな

眉を引き振り向く人に春三日月

春三日月デジカメデータ西の空

飛梅や祈りの絶えず花を継ぎ

常節や小船に乗って志摩の海人

春心水に伝えて若返る

脳言語本を読みたい菜の花忌

春めくや枕眠いと妻鼾

二人きり山を登って春月夜 俊克

麗かや幾代松の風の声

春の夕写すスマホにカメラ撮る

青丹色都の奈良に春動く

二羽遊ぶ春の雀に恋をする 俊克

思ふ子の家の電話に春の月

春星の船に乗り込む月の色

春日影弓を一瞬に速く射す

春暁の月を止めに西の山 俊克

夜更けて月の光に春の宵

ぼんやりと一人座って春の月 俊克

春日和浮雲湧いて波立てる

聞き耳の檜原の山に朧月夜 俊克

春めくや色づれ染めて三室山

春愉し水脈の瀬を波の音

暗闇の春雷川の高し音

殻に為る恋の閉じてる蜆貝 俊克

手を取りて人々囃す春浅し

泉湧き激しく小川冴返る

紀ノ川の母子の旅に春蜜柑 俊克

春日和時刻の駅に旅に行く

旅の宿海苔のご飯に母の脇 俊克

風光る由良の海つり紀伊望む

春の月通所明るい帰り時 俊克

神の手を海神渡る白魚舟 俊克

山笑ふ言葉なくとも恋心 俊克

燈火の雑賀の浦に春の波

今日当たる天気予報に雨水かな

朧月夜紅い餡に和菓子かな 俊克

輝いて翡翠の波に春霞

町並みの真壁を歩き雛の家

春の色手染めの糸を繰り返す 俊克

春眠や図書館欠伸に空を見る

紅梅の筑波の山に匂う枝 俊克

月の出の偕楽園に匂草

月の出を左右並んで春夕焼 俊克

春寒しマイナス金利新店舖

二羽の中沢山食べて雀の巣

佐保姫の琴の調べに恋の歌 俊克

鐘霞む本堂奥に天狗堂

春の雲弓の力に矢を放つ

青い芽の底を浮かして蓴菜生ふ

春の雲見えぬ太陽消える空 俊克

闇の夜の近づく雲に春疾風

一碗の見果てぬ夢や不器男の忌 俊克

萌えだして滝の枝から初蕨

図書館の今日は休みに春寒し 俊克

古雛の雲の消えゆく雨の傘

鳶の巣や三羽の空に長く舞ふ

ざわざわと騒がし今日は舞雲雀

買い物の車の上に春月夜 俊克

田楽の満作大漁春祭り

手もみ茶の優勝二回目ブランド化

ボタン押す車道横切る余寒かな

淡月や雲の覆われ濡れしずく 俊克

初名草野点のお茶に好文亭

チョコ食べる窓を閉め切る春時雨

散策の少し寄り道野の菫

窓辺置く球根の水にクロッカス 俊克

筑波から関東見下ろす遠霞 俊克

釣り人の浮きの筑波に春霞 俊克

紅梅の昇る階段砂沼かな

恋を痩せ浅茅が花の肥える人

車止めパークエリアに春の月

鳴く恋の神社の森に呼子鳥 俊克

春の雲散歩の途中ぶどうパン

春陰やお茶のカステラ休憩中

春告草女流の勝負将棋指す

お点前や心に響き茶碗桜 俊克

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