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カナダ、先住民の同化政策のニュースから、黒歴史を知る大切さを学びました。

こんにちは😊

今回はあるカナダのニュースについて、旦那さんと色々話したこと、そして考えたことや感じたことを記事にしたいと思います。

「カナダなんて関係ないし。」

と思われる方もいるかもしれませんが、私はこのカナダのニュースをきっかけに、日本の知識を問われることになりました😱

教科書で学んだことだけでは不十分だったことを、身を持って体験することとなりました。笑

この記事を読んで、「違う視点を知る大切さ」「意見を言える大切さ」などと感じて頂ければ嬉しいです😊


きっかけとなった、カナダのニュース。 先住民の同化政策。215人の子どもの遺骨。

こちらが、きっかけとなったカナダのニュースです。

ニュース内容を要約すると、こうです。

2021年5月28日、カナダ西部、ブリティッシュコロンビア州、カムループスの学校の跡地から、215人の子どもの遺骨が見つかりました。

この215人の子どもは、かつて親から引き離され、寄宿学校生活させられた、先住民の子どもだと分かりました。

カナダでは1863年から1998年まで、先住民の同化政策の一環として、15万人以上の先住民の子供が寄宿学校での生活を強制されていました。

校内では母語を話したり、民族の文化活動を行うことは禁じられていました。キリスト教への改宗を強制とし、西洋式の教育を施されました。また、多くの生徒が暴力、虐待や性的暴行など、不当な扱いを受けていました。

このニュースを受けて、カナダ各地では、追悼式が行われました。


また、この動画の中では、政府の対応やキリスト教会の対応も紹介してくれています。一部をここに転記します。

カナダ政府は2008年に、真実和解委員会を設立。
6年間の調査の結果、3万7000人以上の身体的•性的虐待の証言が得られ、寄宿学校は「文化的虐殺だった」と結論付けました。

それを受け、カナダ政府は、寄宿学校の制度について、正式に謝罪をしました。暴力や、性的虐待があった事を認め、元生徒ら約2万8000人に、約2,850億円の賠償金を支払いました。(2021年3月時点)

また、真実和解委員会の「幼少期からの先住民についての教育制度を発展させるべき」という提言に従い、幼稚園から大学までの教育の場で、先住民や寄宿学校の歴史について、多く取り上げられるようになりました。


このニュースを受けて、カナダ国内の反応。そして、私と旦那の気持ち。

このニュースが流れた時、カナダ国内には大きな衝撃が走りました。先住民でなくとも、アジア人、白人、黒人など、人種に関わらずカナダに住む方々が涙しました。

私の旦那さんは、
「カナダのイメージは、愛と尊重と平和だ。確かに差別やヘイトはゼロではないけど、カナダは多民族社会で、どんな文化も受け入れて、尊重し合いながら、生活している人が多い。そんな国が、先住民に対してこんな仕打ちをしていたなんて。
確かに寄宿学校のことは学校で学んだけど、ここまでの数子どもを殺したとは学んでいないかった。ショックでモノが言えない。」
と、こんな心境を話してくれました。


私達はカナダの中でも、先住民が多い町に住んでいます。多くの先住民の方は、今でも貧困に苦しんでいます。街で見かける先住民の方は、お酒やクスリで人生が無茶苦茶になっている人もいます。

もう140年前の同化政策ですが、そこから言語を失い、文化を失い、家族を失い、暖かみを失った代償が今でも続いているんだと、実感できます。

少しだけ救われたのが、カナダ政府の対応です。誠実に過ちを認め、謝罪をして、賠償金を払ったことに、私は関心しました。黒歴史を隠そうとする国々、間違いを認めずに謝罪をしない国々はたくさんあると思います。


話の流れで、まさかの、「アイヌ民族への同化政策」の話に…

旦那さんからこのニュースについて、概要を確認していた時に、”assimilation policy”という単語が出てきました。

私は、確認のため、その意味を聞きました。すると彼は、「日本がアイヌ民族にしたのと一緒のやつだよ!」と…😱😱

”assimilation policy”が、「同化政策」という意味であることは確認できました。しかし、私の頭の中では、

待って、日本もこんな酷いことをアイヌ民族にしたの?!
教科書では、日本がそんな悪いことをした感じで書かれていた覚えはないけど…
アイヌ文化は勝手に滅んでいったイメージ…?
( アイヌの方、こんなことを言い本当に申し訳ございません…)
そもそもアイヌの人々に対しての同化政策って、どんなものだったか詳しく知らない😱
日本政府って謝ったんだっけ?謝ってないんだっけ?


私の旦那さんが特殊なのかもしれませんが、( 彼はカナダ人ですが、北海道に住んでいた経験があり、プラス歴史が大好きです。)こんな所で急に日本の、しかもアイヌ民族への同化政策の話になるとは思いもしませんでした。


アイヌの同化政策について。私が感じたこと。

それから私の頭は、アイヌ民族の同化政策から離れることが出来なくなりました。

2人で色々話しながら、アイヌ民族について色々調べました。同化政策についても、調べました。

同化政策は明治時代に行われており、大まかな内容は以下の通りです。

• アイヌ民族の戸籍作成を行い、正式に日本の国民に組み込んだ。(→ アイヌの女性と日本人の男性を、結婚をさせたという情報もありました。)

• アイヌ民族を「旧土人」と呼び、和人(日本人)とは差別し続けた。

• 成人の印とされた女性の入れ墨や、男性の耳飾りなどのアイヌの伝統的な風習を非文明的と見て、アイヌ民族の言語や生活習慣を事実上禁じた。

• 日本人風の名前を名乗らせ、日本語の使用を強制した。

他にも、レイプや虐待、虐殺があった事実や、アイヌの食文化が失われたなど、同化政策はとても酷いものだったのだと感じました。


同化政策自体とても酷いですが、日本の対応も誠実とは言えないように感じました。

色々調べましたが、虐待や同化政策に対して、「日本政府がアイヌの方々に対して、正式な謝罪をした」という記事は確認できませんでした。

何らかの形で正式に和解をしているのであればいいですが、(していることを望みます…)もしまだなのであれば、正式に、同化政策や虐待、虐殺は間違っていたと、謝罪をするべきだと感じました。

カナダの先住民の同化政策と、アイヌの方への同化政策を、同じにするつもりはありません。しかし、どれだけ昔のことでも、過去の過ちを認めない、謝罪をしないのは違うと感じました。

できれば、国を挙げてきちんと調査をして、どこまでの虐待があったか、どのくらいの人々が亡くなったのかなどを調べて、公表してほしいな、と思います。黒歴史ほど、知る価値はあると感じます。


また、今でも存在するアイヌ差別をなくすためにも、教育が変われば嬉しいと感じました。日本だけの視点ではなく、アイヌや他の視点も含み、高校で話し合いやディベートをするべきだと思います。

それで、自国愛精神がなくなったりすることはありません。むしろ、悪いことまできちんと知り、理解して、話し合うことで、自国愛や自尊心は育つ気がします。カナダがその証明だと思います。


教科書が教えてくれるのは、「日本からの視点」がメイン。

私は旦那さんに、正直に、「学校では、日本がアイヌ民族にそんな酷いことをした感じで習わなかった。現実を知ってショック。」と伝えました。

「学校の社会の授業でこんな話をして、ディスカッションまでして、深く考える機会をくれたら良かったのになぁ…」と漏らすと、彼がこんなことを。

日本の教科書が教えてくれるのは、日本からの視点がメイン。日本にとっては大きな土地と人が手に入ったんだから、良いように書くよね。アイヌ側の視点は、日本にとっては都合が悪いから、深くは書かなかったんじゃないかな。」

そう考えると、私の頭の中の情報、特に歴史や政治的な情報は、とても偏っているのかも… と感じました。日本からの視点は学んできても、海外からどう見られていたかは、わかりません。


様々な視点から、物事を見ること。自分の頭で考えて、自分の意見を持つこと。

一番、国によって大きく見方が変わること。
それは戦争だと思います。

例えば、私の場合、第二次世界大戦と聞くと、大きく印象に残っているのは、日本が負けたことや、原爆のことでした。学校の教育から、日本は戦争の被害者なんだ、と感じた覚えがあります。

しかし、海外に出ると、それはお門違いでした。
「なぜ日本が負けたのか。」
「なぜアメリカが原爆を2回も落とさなければならなかったのか。」
をかなり問われたことがあります。

そこから、戦争を学び直し、日本が他国にしたことを学びました。日本人として、日本が他国に被害(虐待、虐殺、レイプなど) を与えたことを知り、ショックを受けました。しかし、それよりも、これまで深く知らなかった自分を恥ずかしく感じました。


その上、海外で生活をしていると、日常茶飯事に自分の意見を聞かれます。「第二次世界大戦で日本が他国にしたことについて、どう思うか」と聞かれた時は、全く答えが出てきませんでした。

「日本の黒歴史こそ、きちんと教育してほしかった… こんな時に、隣のドイツ人は、ドイツの学校ではナチスのことをちゃんと教える、と堂々と言ってる。彼女の意見も整ってる。私もああなりたかった… 彼女のように、きちんと意見を言えるような教育を受けたかった。」

私はそんなことを思い、少しずつ戦争について、違った視点(日本からではない視点)について、色々学びました。そうすると、「国に関わらず、みんなが戦争の被害者になってしまっていたんだ」と感じることができました。

それからは、「日本が被害国」とは口が裂けても言えなくなりました。特にフィリピンなど、当時の日本が侵略した国々の方と戦争について話す機会があるときは、「日本がしたこと」をきちんと理解しておくこと、それが最低限のマナー、と思うようになりました。


確かに、日本は原爆の被害国です。日本人としては、それが良かったと言うことは決してできません。二度と繰り返してほしくありません。

しかし、日本が他国にした仕打ちは棚にあげ、全く学ばず、反省もせず、意見も言えず、第二次世界大戦全てに対して被害者ズラをするのは、間違っていると考えます。


黒歴史は、あって当然。大切なのは、どう教育するか。

現在存在する国、特に歴史が長い国には、悲しいですが、黒歴史があって当然だと思います。カナダは建国150年ほどですが、すでに黒歴史があります。

黒歴史自体はもちろん悪ですが、もっと悪なのは、現代にそれを適切に教育しないことだと思います。辛い歴史を繰り返さないためにも、きちんと教育することが大切だと思います。

日本の黒歴史について、認めなかった、知らなかった、学ばなかった、という方が、日本人として恥です。海外の方と話す際は、マナー違反にまでなると思います。

日本人が誰かを傷つけてしまったという過去も全て、
「学んだよ。こう思ったよ。」
「そうならないように、どうすれば良いか考えたよ。」
「酷い歴史を繰り返さないように、差別がないように、日本の学校では別視点も含めてこう教えているよ。」

将来、そんなことが言えるような教育になってほしいと思います。


海外に出る際、必ずディスカッションに遭遇すると思います。そんな時に、自分の国のことなのに知らない。自分の意見が言えない。一つの(日本の)視点からしかモノが言えない。そうなると、とても恥ずかしい思いをする、もしくは危険な目に遭うかもしれません。

今後、日本の社会や歴史の授業でも、「他の立場」も考える機会があればいいな、と思います。これからの国際社会で生きていく上で、良いことも悪いことも含め、日本が他国に何をしたかを、様々な視点から知ること、そして話し合い、自分の考えをもつことは、とても大切なことだと思います。


まとめ。

今回、カナダの先住民の同化政策について、そしてアイヌの方々への同化政策について、自分の考えなどを書いてみました。また、日本の教育に対する想いも、ふんだんに書きました。

今日 (2021年6月24日)これを書いている途中、速報で、「新たに751人の先住民の遺骨が発見された」と、報道されました。かつて寄宿学校があった土地の近くで発見されたとあります。

子どもの遺体と聞くと… 本当に胸が痛みます。
「同化政策」とは、どの程度であっても、悲惨なものなのだと感じます。

それでも黒歴史に蓋をするのではなく、ニュースできちんと報道をして、政府が対応しようとするカナダの姿勢は、とても尊敬します。(もちろん、差別があるのは否めませが…)

私も日本人として、日本の黒歴史こそしっかり知り、学び、感じて、国際社会でも恥じることのないように努力したいと思いました。

とても長くなりましたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました😊


他人の振り見て、我が振り直せ。























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