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氷上のノンストップサスペンス、『ウィンド・リバー』がよかったよって話を書いたよ

舞台はアメリカ。アメリカが舞台の映画といえば、ラスベガスやニューヨークのキラキラした都市部でかっこいい車がカーチェイス!たまごパックみたいなやつにコーヒー乗っけたやつを誰かが買ってきてコーヒータイム!!みたいのをぼくは思い浮かべるのですけれど。

足跡のないまっさらな雪、簡易な柵に囲われた馬と牛、広大な雪原を駆けるためのスノーモービルぐらいしかない、「ラスベガス」や「ニューヨーク」と言うだけで冗談に聞こえてしまうような、

そんな辺境の土地のバカみたいに広い雪原の真ん中で少女の死体が見つかる___

二月も終わって「寒すぎてサムスになった」というツイートももういいかな、と思えるこの時期にみたのもあって、雪だらけの映像がとにかく寒そうで。吹雪の中たった1人派遣されたFBIの新人捜査官ちゃんが「寒冷地用の装備、裁判所から直行したから持ってきてないわよ」って言いながら全く暖かくなさそうな格好で凍えているシーン、観ているこっちがさむすぎてiPadを抱え、布団の中に入ってしまうくらい。

「孫の服なんだから返しなさいよ」と言いながら渋い顔をしながらも服を貸してくれるおばあちゃんのおかげで、全身がしっかりモコモコになったFBIちゃん。死体の第一発見者である主人公の運転するスノーモービルに乗って捜査に乗り出します。

『FBIから派遣された人数が彼女ひとり』なことと『寒冷地用の装備を持ってきてすらいない』ことからFBIとしても彼女本人としてもこの事件のことをかなりナメているよう。

しかし死体がある現場に辿り着くと、

ただそこに死体がある

という状況の異常さが見えてきます。

少女の死体がある地点から一番近い民家まで8km。死体へと続いている雪の上を通る足跡は1人分。少女は1人でそこまで歩いてきたことになりますが、少女の死体は靴をはいていないのです。

そんな謎を「よくある事件だわ!」と思って1人来た新米FBIちゃんジェーンバナーと、過酷な自然と静寂だけがあるアメリカの辺境の地を生き抜いてきた主人公、コリーランバートが協力して解いていく。というおはなし!

全部知ってましたしみたいな顔して書いているけれど、あこれアメリカの話だったんだ…と思ったのが実際のところ。それくらい雪しかないところが舞台。アメリカはやっぱり広い。

「やることもない。女もいない。雪しかない。世界に怒りが湧いてどうしようもないんだ」と狂いそうになっている胸中を吐く男に短く返したコリーの「俺は感情の方と戦う。世界とは戦おうとはしない」ってセリフがよかった。どんな状況でも自分でどうにか出来ることって感情ぐらいしか無いのかなって。

主人公の撃つハンドガンだけやたらあたるなんてことがないハラハラする銃撃戦も楽しめたし、ドキュメンタリーを見てるみたいなリアリティのありすぎる演技。ゲームしてふわふわ生きてるぼくの対極みたいな世界と重たいセリフ。超よかったです。

たのしく生きたいので火曜に焼肉いく約束をしました。100年ぶりにお酒飲んでみちゃおかな!!!!そんなかんじ。

ウィンドリバー、観たらおしえてね!















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