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「習い事の目的は何か」に関する考察

(注:最後のちょろっとした小ネタ以外すべて無料で読めます)

弊夫婦には現状、子どもがほしいという願望あるいは予定がない。私個人として、自らの育ち方や家族/親子のカタチに疑問や違和感を抱いている
こともあるし、シンプルに、子どもの必要性を現状では感じていないことに起因する。

が、そんななかでも時折、お互いの関心領域でもある「教育」についてのトピックはたびたび話にのぼる。今回は「習い事」について話したのが面白かったので、ここに書き留めておくことにする。

(ただし、これは本当に子どもを持つ当事者としてではなく、主に「子ども経験者」としての立場からの発言なので、稚拙な部分が多々あることについては目をつぶっていただきたい)

なぜ親は習い事をやらせたがるのか?

30歳。同年代の友人は、当たり前のように子供を授かったり生み育てたりしている。
そして、子どもが出来る、あるいは子どものいる友人からよく聞くのは「子どもには好きなことをさせてあげたい」というものだ。
そして、その手段として、いろいろな習い事をさせたりする(なお、弊夫婦はいわゆる元・習い事少年/少女である)。

このセリフを周囲から聞くたびに、私は違和感を持っていた。
 なぜなら、自分の人生を振り返ったときに、習い事を「自分の好きなこと」として認識し、選び取った記憶はないからだ。
「子どもに自由に将来を選ばせたい?そんなことあるんか?」とやや冷笑的な立場をとっていたのも事実だ。

子どもほど選択肢の少ない生き物に対して、「自由に選ばせる」まして「好きなことを選び取る」ことなど可能なのだろうか。
そんなモヤモヤした違和感を持って聞いていたことに、今日、一つの答えが出た。

習い事の弊害は存在するのか

習い事をするからといって、その道のプロになる可能性は非常に低い。これはきっと多くの世の親は頭では理解していることだと思う。

しかしながら、一縷の望みを託して鬼のようにスパルタな親が少なくないこともまた事実である。
私は学生時代、幼児教室の講師のバイトをしていたのだが、習い事がトラウマ化する事例は枚挙に暇がない。親が「一番じゃなかったの!?」「なんでできなかったの!?」と子どもを罵倒し、泣きじゃくる…なんて現場に立ち会ったことは一度や二度ではない。

翻って自分の習い事から受けた影響を思い起こすと、ポジティブなものとネガティブなもののどちらも存在していたように思うが、それは「何をしていたか」ではなく、「なぜその習い事をしている/させられているか」に根ざしていたのではないかと思うに至った。

上記のスパルタママの場合は「お教室で一番になる」「子どもを賢くする」「将来成績の良い子どもになり、受験を優位に運ぶ」などだったのかもしれないし、私の小学生時代の習い事のモチベーションや置かれていた環境も、それに近しいものだったように思う。

習い事を通じて「抵抗感をなくす」

では、習い事の効用や位置づけをどのように考えればよいのだろうか。少なくとも、「出来るまでスパルタにやらせ続ける」「一番になるまで詰める」「泣いても喚いても張り付けにする」などはあまり筋がよくなさそうな気がする。

今回議論の末で至った結論、それは「抵抗感をなくす」「怖くない状態にする」ということだ。

子どもだろうが大人だろうが、選択の機会は常に存在する。そしてその選択は、能動的に選び取られるものばかりではない。違和感のあるもの、好ましくないものを取り除いたなかから選ばれることが現実的には多いだろう。

そう考えると、「好きなものを選べるようにする」ことではなく「よくわからないからやらない」と捨てられる可能性を防ぐことにこそ、目を向けるべきなのではないか。

例えば…

・子供の頃から演劇に馴染みがあれば、芸能の世界に抵抗感はなくなる
・伝統芸能を習っていれば、そういうものを遠ざけないで済むかもしれない
・絵画の経験があれば、絵を描き始めること、あるいは美術の世界にもすっと馴染むことが出来るのではないか

といったような具合である。

「教室で、県下で、関東で、日本で、一番を目指す」のではなく、「物事を始めるうえでの抵抗感をなくす」こと。
習わせる親自身がそこにピンを留めれば、世に溢れる「辛い習い事の記憶」が少なくなるのではないかとも思った。

おまけ

ちなみに、弊夫婦(合計10以上の習い事を経験)のなかで「やってよかった」「やらないでよかった」「やっておけばよかった」習い事を協議し、
「ぼくたちのかんがえるさいきょうのならいごと」選手権を実施したので、
こちらに置いていくことにします。

(異論・反論は大いに認めます。)
(ここは議論したいし情報もほしいところなので、もし気になる方は閲覧頂き、コメントを貰えると大変嬉しいです。)
(が、場合によっては角が立つ案件かもしれないので、ちょろっと有料ゾーンにします)

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UXコンサル、BtoBマーケ、人事を経てコミュニケーションマネージャー(広報、マーケ、採用広報、組織開発)なう。 書くこと:パン偏愛、可愛いもの布教、働くこと、生きること、1日1考、新サービス考察、旅行、読書録、銭湯、恋愛。 頂いたサポートは、もれなくパンの研究に使われます。