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2023年9月の読書記録(読書記録その21)

 10月になりました。秋は近づいているだけですね。


9月に読んだ本

『コミュニケーションモンスター』くればやしひろあき(D)
『月曜日の抹茶カフェ』青山美智子
『嘘つきジェンガ』辻村深月
『デザインのめざめ』原研哉
『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』井堀利宏
『科学的に自分を思い通りに動かす セルフコントロール大全』堀田秀吾・木島豪(D)
『「男の自信」のつくり方』潮凪洋介(D)
『センスは知識からはじまる』水野学(D)
『チーズはどこへ消えた?』スペンサー・ジョンソン(D)
『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子
『ラグビー質的観戦入門』廣瀬俊朗

『月曜日の抹茶カフェ』青山美智子

 『木曜日にはココアを』にも登場したマーブル・カフェ。本来月曜日が定休日ではあるものの、マスターの発案で京都の老舗茶屋・福居堂の抹茶を試しに出すイベントをやっていたところから物語が始まる。1月から12月まで、主人公を変えて描かれている。

 縁はどこで繋がりどこに向かうのかはわからないこと、縁とは脆いもので何か不都合が生じるとあっけなく崩壊すること、そして縁はひとたび繋がれば温かいものであること。そのことが「知らない誰かの手がここにたどりついたなら、この手の向こうにもまた、知らない誰かがきっといるのだろう。」(10月)、「縁って、実は脆弱なものだと思うんです。どちらかが一度でもぞんざいな扱いをしたら、あっけなくちぎれてしまうくらいに。」(12月)という言葉とともに綴られている。

 個人的に印象に残ったのは9月に出てくる、1ヶ月で千景という女の子にフラれてしまった孝晴という大学生が気付いたこと。
 「つきあっている間、僕はずっとビクビクしていた。千景ちゃんに気に入られる自分であろうとして、一緒にいて自信の持てない相手に必死になってひたすら消耗した。やっとわかった。それは自分が輝くための努力とは違うってこと。」
 これを大学生の段階で気付けているからまだいい。30過ぎた社会人になってから気付くともう自己嫌悪にしかならない。

 縁はどこに転がっていて、何がきっかけになるかわからない。だからこそ今の自分に何ができるか、そして何をするのか。それについて考えさせられる。

『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子

 舞台は江戸時代の木挽町(現在で言うと歌舞伎座がある辺り、当時は芝居小屋が多く存在していた)。とある芝居小屋の近くで武士が博徒にあだ討ちをしたことから物語が始まる。
 あだ討ちをした菊之助、あだ討ちをされた作兵衛、そしてその2人にかかわりを持った芝居小屋で働く人々との人情の物語。
 始まりのところが講談か落語か、といった口調で書かれているのも特徴的。

さいごに

 「物語の舞台に行ってみた」シリーズは現在編集中です。また、読書記録以外の記事も仕込み中です。お楽しみに。

ではでわ

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