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クラウドボックスが出会ったひとvol.1 〜「UNRESS」矢嶋勇亮さん

2022年4月29日〜5月26日まで、コピス吉祥寺 ペニーレーンギャラリー
で開催されていた「吉祥寺かるた 知ってる?イースト展」の展示もおかげさまで無事終わりました。
普段はパソコンと見つめ合う仕事がほとんどの弊社メンバーですが、いつもと違うベクトルを持てるこうしたイベントは、本当にいい刺激になります。何より新たな出会いや、懐かしい人との再会もあって、改めて「人とのつながり」の大切さ・尊さみたいなものを感じたイベントでもありました。
今回はそんなイベントをご一緒した、ファッションブランド「UNRESS」の矢嶋勇亮さんとのおしゃべりです。生まれも育ちも吉祥寺という矢嶋さん。私にとっては吉祥寺の先輩です。 

2022.05.23/UNRESS OfficeにてInterview

クラウドボックスとの出会い

ーーー 昨年(2021年)末、キラリナ吉祥寺で開催されたイベント「吉ファン編集長セレクション〜生活にちょっと遊び心を〜」のとき、「吉祥寺かるた」の出店を矢嶋さんが推してくれたと伺ったのですが。

もともと、コピスの地下一階に「吉祥寺かるた」がずらりと展示されていて、それを見ていたんですよ。ひとつひとつの札が単純に面白くて、興味をもってました。そのあと、PARCOでのSkiiMaさんのイベント(2021年11月)で、初めてご一緒して…面白い輪が生まれているなという実感がありましたね。モノだけじゃなくて、何か動いている感?  かるたはモノだけじゃない何かが存在していると肌で感じていました。

キラリナのイベントの時に、徳永さん(クラウドボックス代表・ご当地かるたプロデューサー)とゆっくり話す機会があって、徳永さんも最初はフリーでひとりで仕事をされていたと方なので、会社設立のメリットとか聞いみたんです。そのときは答えてくれなかったんだけど、翌日徳永さんが忘れ物をして、会社にいた社員さんが届けてくれたとき、「会社を作るメリットは、忘れ物を届けてくれる社員がいること」って言われて。
なんかこの人、すげえなって思ったんです。そのあとも、イベント中ちょっとしたトラブルがあったときも助けていただいたり…徳永さんすごいなーって感じることがあって、いつかクラウドボックスさんと、何か一緒にやりたいなと思っていました。

矢嶋さんの「コトノハ」パワー

ーーー それが今回「イーストサイドかるた」と「イーストサイドバンダナ(We Know Kichijoji East Side Bandana)」という形になりましたね。展示イベントもできて…。ところでクラウドボックスはこのイベントのとき、矢嶋さんの隠されたスキルを発見したのですが…。

ああ、あれですよね?言葉を発するとその人が現れる現象。

ーーー そう、それです(笑)。私も会期中2度ほど遭遇しました。こういう人がいてね…って話し出すと、そのあとご本人登場っていう。
矢嶋さん何か持ってますよね。普段、ルーティンとか、げんかつぎ的にやっていることとかあるんですか?

うーん。なんだろう。コツコツやることかな。
ラッキーなこととか、うまくいくことがあるときって、順序だててコツコツと取り組んでいたことが多いかな。家系なんですよ。父譲りの。
確かに、「UNRESS」として独立してからラッキーな偶然とかけっこうあって、恵まれていると思ってます。

ーーー 会社に所属せず、ご自身のブランドを立ち上げたのは?

27歳のときです。最初はお客さんがいるわけでもなく、自分のやりたい気持ちだけで始めて、2〜3年は他のバイトしながらやってました。
自分はゼロを1にする、ゼロから何かを生み出すのが好きなんです。今流行っているものをウチも作ろうっていうのは儲かるけれど、そうじゃなくて、畑を耕していくような感覚で、今ないものを作るのが好きですね。
そんな中で「人や店とのつながり」の大切さも実感しています。「UNRESS」を立ち上げたときも、地元吉祥寺のセレクトショップ「toulouse」さんに依頼をもらったり、演劇をやっている友人を通じて舞台のスタイリストをやらせてもらったり…今も人のつながりから、どんどん「UNRESS」の可能性が広がっていくのを感じています。

矢嶋さんのお仕事風景

ーーー 吉ファンさんに掲載されていたインタビューで「吉祥寺バンダナ(We Love Kichijoji Bandana)」制作のきっかけは、「ショップとのつながりを大切にしたかったから」とおっしゃっていましたね。

緊急事態宣言が出たとき、ステイホームすることが美徳で、お店は悪みたいな空気が出てきちゃってお店を持っている人たちがネガティブになってしまっていると感じました。でもその人たちにも生活はあるんです。
自分がブランドを立ち上げたのは、高校生くらいのときから地元(吉祥寺)にお店があって、色々な洋服とか見て刺激受けて、感性を磨かせてもらってきたというのがきっかけになっているのもあるし、お店という場所をなくしちゃいけないと思ったんです。そんな想いから「We Love Kichijoji Bandana」作ろうって、吉ファンさんに思い切って声かけてディレクションを依頼しました。

「We Love Kichijoji Bandana」

ーーー 生まれも育ちも吉祥寺だそうですが、これからの吉祥寺について、何か考えていることありますか?

大型店やネームバリューのあるショップが、吉祥寺を「売れる街」として評価して、チェーン店が出店しているとことは吉祥寺の特徴の1つだと思いますが、それとはまた違った土壌で、カルチャーが生まれようとしている気がしています。もともと色々な文化が生み出されてきた街ですし、そういうところで自分たちは盛り上がっていけたらいいなあと。
あと、「祭り」やりたいですね。今足りないのは「祭り」なんじゃないかと思って。地元のショップと一緒に、吉祥寺のどこかでワクワクするようなことやってみたいですね。
吉祥寺でこれから色々な人たちと、どんどん面白いことやれそうじゃないですか? 「吉祥寺、これから面白くなっていきそう。」クラウドボックスさんと出会って、そんな想いが高まりました。

ハッピーな仕事をしていると思う。

コロナ禍が長引いて、人との関係も希薄になりがち…なんていう人もいるけれど、全然そんなことなくて、かえって人のつながりを大切にしたい気持ちや、人とのつながりがどんどん強くなっていると感じるんです。
吉祥寺は、どんな小さなブランドや会社でも、よいものなら受け取ってくれる土壌があるし、バンダナもかるたも、僕らは作ったものがお客さんに届いた瞬間を見ることのできる仕事をしている。お客さんの嬉しそうな表情を見ることのできる仕事って本当にハッピーだなって思います。
地元を大切にしながら、自分が「こうしたい」ってものを創り出して、みんながハッピーになれるようなブランドにしていきたいです。

イーストサイドバンダナを作ってみて、ターゲットって狭くてもこんなに広がるんだって実感しました。もっと尖っていいんだって。モノづくりに対する考え方が変わりました。
バンダナを作って、吉祥寺かるたに出会って、最近作った洋服はそうした新しい思考で作ったんです。
今回の新作は、自らのタータンチェック偏愛を活かした「タータンチェックを愛する人のため服」。まじめな部分と壊す部分を考えたり、タータンチェックが好きな人ってどんな人だろうって想像して、そのこだわりを入れてみたり。今までと違った視点も入れて作り上げたTシャツです。一点物なんですけど、どのような反響が出てくるのか、とても楽しみです。

ーーー 私も楽しみにしています。今日はありがとうございました。

自らのタータンチェック偏愛を活かした「タータンチェックを愛する人のため服」

Interviewee 矢嶋 勇亮 Yusuke Yajima(UNRESS)
Interviewer 竹野 恭子 Kyoko Takeno(クラウドボックス WordDesigner)



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