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『照子と瑠衣』井上 荒野



ああ、楽しかった。

中学の同級生だった照子と瑠衣。
30歳の時に開催された同窓会で再会し、40年の時を経て現在70歳。

老人マンションでの生活に嫌気が差した瑠衣からのSOSがきっかけで、照子は妻を見下すモラハラ夫を捨てる決断をし、BMWを走らせ逃避行の旅へ出る。

酸いも甘いも経験して来た二人から紡がれる軽快な会話と根本にある優しさが心地良い。
行き当たりばったり的な逃避行かと思いきや、終盤で明かされる照子の企みに心が温かいもので満たされる。

「私を閉じ込めていたのは私」の一文がいい。

爽快感が味わえる最高のバディ小説。




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