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コロナ後の世界には

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記事一覧

#12【国と地方の関係の整理】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。統治機構の話。 我が国には地方自治の原則があることは事実である。そして、その本旨とは、地域住民にとって身近な地域特有の課題については、国が一律に解を用意するのではなく、地域の特性に応じた解決が住民のより良い福利に繋がるだろうとの考えである。 この考えは何ら間違っていないように思える上に、そうした地方自治は我が国の多様性をも涵養し、足腰の強い国家の実現に

#11【時を刻む社会を作り変える権力、その有り様】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。未来へ進もう。 時は、社会とともに未来へ向かって流れてゆくものである。 我々が生きようとする社会を作り変えようとする試みは、常に未来に向かって行なわれる。もし、改革を目指そうとするならば、それはこれからを生きる世代にとって意味あるものでなければならない。 しかしながら、我が国の政治社会は本当にその通りにあってきただろうか。 コロナ禍に行き当たり、今まで

#10【日本の安保理常任理事国入り】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。現状の固定。 インド、南アフリカ、ブラジル、インドネシアやベトナムなど、発展著しい国々は、今にも先進諸国を追い越そうとする勢いであり、生活水準もGDPも何もかも、2050年とかそういった未来予測では我が国日本は圧倒的に差を付けられている可能性が濃厚だ。 もちろん、悲観ばかりして希望を失ってしまっても仕方ない。我が国は我が国として、課題先進国なる地位を活

#9【東アジア共同体】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。地域の結束。 国際関係のパワーバランスは明らかに変動している。インドやインドネシア、ベトナムなどのアジア諸国の発展、中国の覇権国化、日本や韓国の相対的な地位の低下。これらの帰結として考えられることは東アジアの有様が、これまでのような先進国と途上国の非対称な関係ではなく、一定の生活水準を満たす多くの国々が共存するものとして認識されていくということだろう。

#8【リベラルの後退】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。自由とは。 我が国日本の感染症対策は、一言でいえば「お願いベース」である。外出自粛要請、飲食店の営業自粛要請、コロナ患者の受け入れ要請と、ただひたすら主権者たる国民に請うている。 欧米諸国と比較してもこれだけ個人の自由を尊重する態度が我が国に深く根付いていたとは、コロナ前にはおおよそ想像もつかなった。これは皮肉である。 リベラルとはまず個々人の判断の

#7【米国の没落、中国の浮上】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。国際政治。 感染状況を外形的に評価するならば、今般のコロナ禍で自由を重んじる民主主義国より管理を徹底する権威主義国のほうが感染症抑制に成功しているという事実は必ずしも否定されるものではないだろう。 西洋諸国でも最終的には厳格なロックダウン措置に至った国が多いものの、ある程度のエビデンスと国民的理解が得られたと判断されるまで実効が躊躇われたのは事実である

#6【国家の復権】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。チームプレー。 コロナ禍のもたらした面白い現象の一つに、グローバル化への懐疑と国家の復権がある。国民は未曽有の災害を前に、自己努力の責任を放棄してことごとく救済を求めて社会と内閣に泣きついている。自由な国家間の往来は感染症拡大の元凶と指摘され忌避されているし、他国よりも如何に自国でワクチンを確保できるのかの競争が水面下で行なわれている。 自国民を対象に

#5【人間の価値は”労働力”だけじゃない】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。存在を認める。 2020年5月に前回の緊急事態宣言が明けて、ほどなくして派遣労働者にとって危機が訪れた。業績の悪化して耐えられなくなった企業が、6月の契約更新を断る「6月危機」だ。雇用の調整弁ともいわれる非正規の派遣労働が、経営危機において真っ先に整理の対象となるのは、もともと制度の趣旨からしても当然の結末ではあった。派遣推進派からすれば、そうしたリスク

#4【政府への信託を再構築する】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。支え合うこと。 今回のコロナ騒動で大きく注目をされたことの一つに、「政府への批判」があろう。ここで取り上げ考察するのは、個々の政策への批判その中身ではなく、政府を批判するという行為そのものだ。例えばあなたは、コロナ対応をする政府に対して、どのような意見・感情を持っているだろうか。 政府へのその考えを批評したいわけではない。しかし、政府という存在の本質を

#3【オンラインに慣れて 触感を守って】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。触れ合いたい。 令和のオンライン化「どうしようもない事情」の力はすごい。直接会いに行かないと失礼だなんて言っていたのに、いま何の悪気もなくオンラインミーティングなどしている。政府の諮問会議から恋人同士のデートに至るまで、画面越しに成立する時代だ。 日本だけじゃないかもしれないが、昔から「日本人は何か起きてからじゃないと行動しない」と言われてきた。一部の

#2【信頼の主題化】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。第2弾。 建設的な批判と心ない中傷の境い目はどこか、このコロナ騒動の中で度々考えさせられたことでした。そして、その答えを出すためのキーワードが「信頼」だと思うようになりました。コロナ後の世界には、信頼をメインテーマにする、【信頼の主題化】を期待したいなぁって考えています。 感染者への冷たい目とても分かりやすい話からするならば、ある人が感染したとして、そ

#1【個人の尊重と目的の外在化】

『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。 緊急事態宣言も終わりが見えて、これだけ長く続いた社会の急性期も過ぎ去ろうとしています。しかしウイルスが完全に消滅することは無く、まだワクチン等も十分でない中では、引き続きの警戒も必要だと言われています。政府の提唱する新しい生活様式もさることながら、そもそもいつ来るか分からない"第二波"にも私たちは気をつけて暮らしていかなければなりません。 そのような中